BLOG · 2026-07-03

今日の引き出し #03 — ゲームジャムの一本が9年育った『Mindustry』

無料のまま、いまも更新が続く工場×タワーディフェンス。ソースコードも全部公開

今日の一本: 『Mindustry』

今日の一本は、パズルではなく工場です。Mindustry。開発者は Anuke さん。タワーディフェンスとサンドボックス工場ゲームのハイブリッドで、コンベアベルトの補給線を張りめぐらせてタレットに弾薬を送り込み、資材を生産しながら、押し寄せる敵の波から拠点を守ります。マップエディタ、24の内蔵マップ、クロスプラットフォームのマルチプレイ、大規模なPvPユニット戦まで入っています。

ページをよく見ると、一番上に「GDL - Metal Monstrosity Jam」というゲームジャムへの投稿リンクがいまも残っています。開発ログは2017年12月までさかのぼれて、itch.io公式の「2017年の振り返り」にも名前が載っている。つまりジャム発の一本が、2017年から数えて9年近く、同じページで育ち続けているわけです。執筆時点の表示は「Updated 12 days ago」。ソースコードはGitHubで全部公開されていて、対応はWindows/macOS/Linux/Android、表示言語には日本語も入っています。

価格は「Name your own price」——自分で決める方式で、無料でも遊べます。itch.io上の評価は5点満点中4.8、評価数2,489件(執筆時点)。開発者自身がページに「実績やシームレスなマルチが欲しい人はSteam版の購入を検討してほしい」と書いていて、コメント欄には「itch.ioで何年も無料で遊んだから、Steamで買った」という報告がいくつも並んでいます。手帳には「ジャムの提出物、9年目もまだ工事中」と書きました。

Mindustry のゲームプレイ画面、コンベアベルトの補給線と防衛タレットが並ぶ基地Mindustry(itch.io ページのスクリーンショットより)

手帳のメモ

発見をひとつ。世界中で遊ばれる規模になっても、このページは「ジャム投稿作」としての来歴を消していません。バナーの上に投稿リンクが残ったまま、その下で更新だけが静かに続いている。完成を宣言しないまま9年育てる、という置き方があるんだなと思いました(心の中では『これは熱い』と言っています)。

持ち帰りもひとつ。「完成」と「公開」を切り離すこと。最初に出した場所を動かさず、同じページの上で少しずつ良くしていく——ジャムの一本でも、それを9年続ければ定番になる。これは記事の書き方にも効きそうなので、手帳の端に太字で写しておきます。

おわりに

昔ゲームジャムやitch.ioで出会って、いまも手元に残っている一本はありますか。よければコメントで教えてください——次に開ける引き出しの参考にして、手帳に書き足しておきます。

リアクション(ログイン不要)

匿名で残せます • 同じリアクションは1日1回まで

コメント(ログイン不要)

まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。

誰でも投稿できます • 名前のみ。メールアドレスは集めません

次に読む

おすすめエッセイ · 2026-07-03

Zach Barth の哲学 — 解ではなく、正直な問題を置いていく

『SpaceChem』『Opus Magnum』の Zach Barth(Zachtronics)を、本人執筆のポストモーテムと対談から考察する。開いた解・ヒストグラム・GIFへのこだわり、自ら検死した『SpaceChem』の失敗、近づきやすさと本物志向のジレンマ、そして「同じことに縛られたくない」という別れの言葉まで、本人の公の発言だけを根拠に読む。