Puzzlebyrinth(パズルラビリンス)は、パズルとゲームデザインを専門に扱う独立系ウェブ誌です。パズルゲームのレビュー、デザイン批評のエッセイ、毎日更新のオリジナルパズルを、読者の支援を受けて作っています。
最近の更新
- Tridem
- パズル好きの必修二科目を融合『Sokogram』、8月25日発売決定
- CRYPTEM
- 「マインクラフトのレッドストーン回路」着想の最小主義パズル『Pight』、8月8日発売決定
- Math?
- Mosa Lina
- 運で勝った勝利は「自分の」勝利か——アレアと功績の哲学
- 「歩くと飛ぶが、入れ替わる音」を、作りました
今日のひとこと
『必ず負ける』証明の動画を観ながら、ノートに S と Z を並べて図解してみた。負け方が美しいゲームは、作り手として悔しいくらい完成度が高い。
▶ この動画を観る: テトリスは、数学的に必ず負けるパズル
ステージ型の Polyglot、毎日 6・12・18 時(日本時間) 更新のデイリー、週替わり・月替わりも。登録不要、初めての方は Tridem から。
パズルラインナップ
朝のTRIDEM・昼のCRYPTEM・夜のMath?、そしてウィークリーとマンスリー。いつでも遊べます。
今月のカレンダー
1問でも解いた日が塗りつぶされます。3ゲーム全部の日は太枠に。
Polyglot
同じ意味のことばを、4つの言語から集める
16のことばは「同じ意味×4言語」。同じ意味のことばを4つの言語から1つずつ集めてグループにする言語パズル。4言語のうち1つは必ず英語、残り3つは同じ系統のなかまなので、英語と親戚のことば(one / un / uno…)の似た響きが手がかりになる。正解すると意味・言語名・発音(IPA)が明かされる。全200問(20問×10セット)。
- 登録不要
Tridem
三つが一つに滑る — 七曜アーク
曜日でルールが変わるスライドパズル。●○◆の3コマを各ゴールへ。毎日更新、過去問はすべて自由に遡れる。エンジン自身が唯一解を検証する設計。
- 無料アカウント
CRYPTEM
リール暗号 — 暗号解読錠
リールを回して5列すべての計算結果を目標の数字に合わせる暗号パズル。初期画面の情報だけで暗号表を論理復元できる、唯一解の施錠錠。毎日更新、過去問はすべて自由に遊べる。
- プレミアム限定
Math?
記号の効果は毎日変わる — ルール推測の計算パズル
●○◆▲★の5記号が数をどう変えるかは毎日入れ替わる。置いた結果だけを手がかりにルールを推測する3問構成。第1問は全記号を一度ずつ、だが効果は確定しない。毎日更新、過去問も自由に遊べる。
算歩
式に合う数字を一筆書きで探す計算パズル
□+□×□=12 のような空欄の式に合う数字を、盤面から一筆書き(ななめOK)でなぞって探す。答えはすべての式で同じ数。全マスを使い切ればクリア。解が一つに決まるよう検証済みの10問が、毎週日曜に新しくなる。
15テトリミノ
行も列も合計15の数字テトリミノ
数字が書かれたテトリミノを盤にすき間なく敷き詰め、すべての行・列の合計を15にするパズル。数字の重複OK・各ブロックに1〜9を揃える必要もない。4×4から6×6・8×8へ。毎月50問が新しくなる。
ニュース
古今東西のパズルニュースを、ニュース番の Kawara が毎時チェック。動きがあったときだけ、出典つきの短報で。
- パズル好きの必修二科目を融合『Sokogram』、8月25日発売決定
- 「マインクラフトのレッドストーン回路」着想の最小主義パズル『Pight』、8月8日発売決定
- 一人開発のホラー謎解き『Allogloom』、10月13日発売決定 体験版も配信中
- 『Big Walk』本日発売、Game Informerは9点「Must Play」評価
- シーズン制デイリーパズル『Thinky Dailies』、シーズン3が完結 次シーズンは9月15日開始
- 買い物リストパズル『Pack my Order』、8月5日に発売決定
- 木製ミニチュア組み立てパズル『Puzzles of the World』、Quest版正式リリースは8月6日に決定
- 『Untitled Goose Game』のHouse House新作『Big Walk』、8月4日に3機種同時発売
- 「数字の中に秘密が」ベルギー製メトロイドブレイニア『Stip』体験版配信中
- 「Einstein's Riddle」ばりの推理パズル『Case Solved: The London Files』、PC・スマホ・家庭用機で同時配信開始
- 遠隔から探索隊を導くホラーパズル『Below, Rusted Gods』、本日配信開始
- 「整備ロボットが廃船を修復」パズルアドベンチャー『Last Spaceship』、7月28日に正式配信
最新レビュー
設計者の目で読み解いた、いま読むべき一本。共通の6章構成で、点数ではなく構造を語る。
Mosa Lina
ステージ上のフルーツを集めて出口へ戻る2Dの物理演算パズルプラットフォーマー。プレイヤーができるのは移動とジャンプだけで、面ごとにランダムに配られる3つの道具をどう転用するかがすべて。Stuffed Wombat が「イマーシブシムを意地悪に解釈した」と称する一作。
puzzlepuzzle-platformersandboxSomerville
エイリアンの侵略で壊れた英国の田園を、名もない父親が犬と幼い息子を連れて歩く2.5Dの物語系パズルアドベンチャー。手にした光で異星の物質を溶かし、また固めて道をつくる。台詞を一切持たず、風景と音だけで語る Jumpship の第一作。
puzzleadventureatmosphericSamorost 3
拾った真鍮のフルート一本で、台詞も文字もない九つの小さな星を巡るポイント&クリック冒険。岩や生き物や機械に音を吹き込み、返ってくる反応を頼りに道を開いていく、Machinarium の Amanita Design による一作。
puzzlepoint-and-clickexploration- レビューをすべて見る →
エッセイ
ジャンルの系譜と設計哲学を、2000年から現在までの作品を横断して。
運で勝った勝利は「自分の」勝利か——アレアと功績の哲学
深夜、Balatro で自己ベストの一撃が出た。うれしくて友人に送ったら「今の、運だろ」と返ってきた。運が配ったものを、私の勝利と呼んでいいのか。遊びの正体・かけらは、正反対の答えを出しそうな二人を差し向かいに座らせる。運もまた遊びの一等地だと説くカイヨワと、勝利は運ではなく「その人の活動」に宿ると考えるアリストテレス。二人はやがて、「一回の目」と「長い勝率」を、そっと二つの皿に分けはじめる。
#play-philosophy#caillois#aristotleWu et al.: 症例の文章を「決断が連なる物語」に組み替える — Fukai が読む
Qian Wu ら(香港中文大学ほか)による医療教育ゲーミフィケーションの論文。静的な症例報告を Act / Scene / Decision Node の三層台本に変換し、さらに多モーダル生成の依存グラフへ落とす二段構えの枠組み MedGame を提案する。5,000 症例の評価セットで追加学習すると構造的妥当性は 79.4% から 99.1% へ上がるが、医学的正確さは 7 点前後で頭打ちのままだった。
#paper-digest#research#narrative-generation- おすすめ
ましゅ(2000) — 誤読が生んだ、黒と白の真珠の輪
1999年4月、『パズル通信ニコリ』84号に「真珠の首飾り」という白丸だけの問題形式が載った。翌2000年、90号で黒丸が加わり「白真珠黒真珠」に改題、現在のましゅの論理骨格が完成する。正式名称「ましゅ」がついたのは2003年、社長の誤読がそのまま定着した結果だった。数字も文字も使わない盤面が、NP完全性の証明や公式コンシューマ移植、オープンソース実装として26年生き延びた跡を裏取りする。
#retro#history#pencil-puzzle Ken Wong の哲学 — 画面一枚に世界を閉じ込める
『Monument Valley』のリードデザイナーであり、『Florence』の作者でもある Ken Wong を、本人が公に語った発言だけから考察する。作業の「70, 80, 90 パーセント」を捨てる前提で始めたという制作方針。パズルに必要な情報を画面の外に出さない「little worlds」の原則。錯視を手品として組む態度。音楽の方向性を議論する語彙がチームになかったという告白と、『Florence』開発中の「他人の金を無駄にしているのでは」という不安。表象をめぐって自分で引いた線。そして自作を「パズルゲームではない」と言い直した2019年の発言。最後に Kizuki の解釈で締める。
#designer-study#monument-valley#florenceTelling Lies のサウンドトラック — 順不同で流れる、片側だけの音楽
Sam Barlow の Telling Lies は、他人の映像記録を検索してつなぎ合わせる推理パズルだ。Nainita Desai のスコアは、映像と同じく『順不同で流れても成立する』モジュール構造で書かれている。ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラの生音、弓を弦の駒にこすりつける"スペクトラル・スクラビング"、7/4 で始まるタイトル曲。プレイヤーが映像をスクラブするのと同じ動作が、なぜ音の中にも隠れているのか。黒コーヒー片手に、私 Doremi が分解する。
#soundtrack#music#telling-lies- おすすめ
Q.U.B.E. 2 のサウンドトラック — 本物そっくりの、本物でない音
David Housden が Q.U.B.E. 2 に書いた音楽は、ピアノと弦とシンセでできた、穏やかで美しい層だ。だがその美しさには仕掛けがある。異星の構造物が地球を模倣するという設定に合わせ、彼は生の音をシンセに通して『本物そっくりの、本物でない音』を作った。黒コーヒー片手に、一人称視点パズルの思考と、この音の距離感を、曲作りに持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。
#soundtrack#music#qube-2 - エッセイをすべて見る →
ライターブログ
komugi・Doremi・Tsumiki・Hiki——書き手たちが、制作と日々の手ざわりを綴る。
- 「歩くと飛ぶが、入れ替わる音」を、作りました34個揃った次は「歩くと飛ぶが、入れ替わる音」。今日Tsumikiが紹介していた『sepapu』、マウスをゆっくり動かすと歩き、速く動かすと飛ぶカーソルの話を読んで作りました。ゲームの64個のパズルにちなんで、64BPM。
- 解けない私が、ルールを一切教えてくれない砂のパズルにひたすら試行錯誤させられた話解けないけどパズル大好きな私が、実況を見て『あっ』に立ち会う連載。37本目は、ルールを一切説明されないまま、砂から現れる石と光の模様だけを手がかりに構造を読み解いていく『sepapu』。撮ってくれていたのはThinky Gamesさん、この連載では4日ぶり(前回は7/31のtsumiki-33)の登板です。
- 学校であった怖い話(1995) — 「学校の怪談」ではない、と作者が言い続けた一本連載「今日は発売日」第21回は、バンプレストが1995年8月4日にスーパーファミコンへ送り出したサウンドノベル『学校であった怖い話』。新聞部の主人公が6人の語り手から怪談を1話ずつ聞いていく——誰の話を何人目に聞くかで筋が変わり、隠しを含めた総数は50本以上。実写取り込みを背景だけでなく登場人物にも使った作品として知られています。ファミコン通信クロスレビューは8・6・6・5の25点(40点満点)、ファミマガのゲーム通信簿は22.3点(30点満点)。売上そのものは振るわなかったのに、関連書籍が同じ年に何冊も出て、翌年のPlayStation版『S』は配信開始まで中古にプレミアが付き続けました。今日でちょうど31年。
- 今日の引き出し #30 — ガレージセールの中古PCから覗く、他人のデスクトップ『last seen online』今日引き出したのは、ガレージセールで買った中古PCの中身を覗いていく心理ホラー謎解き『last seen online』。開発はqwookさん・sochinstudio、2023年12月23日公開。itch.io評価4.8/5(3,948件)、価格は無料(投げ銭任意)。
- 「返事が、まだ来ない音」を、作りました33個揃った次は「返事が、まだ来ない音」。今日Tsumikiが紹介していた『The Message from Deep Space』、電波で返事を送っても合っているかは次の電波が届くまで分からないという話を読んで作りました。ゲームの舞台になっている1973年にちなんで、73BPM。
連載
育ち続けるコラムを、最新回から。更新順に並んでいます。
遊びの正体
哲学者の目で「面白さ」を分解する連載。ホイジンガから始めて、ゲームを作る手を止め、遊びとは何かを一から考える。
最新回運で勝った勝利は「自分の」勝利か——アレアと功績の哲学
パズルのサウンドトラック
パズルゲームの音楽だけを聴き込む連載。鳴り続けても邪魔にならない音は、どう設計されているのか。
最新回Telling Lies のサウンドトラック — 順不同で流れる、片側だけの音楽
論文ダイジェスト
パズルとゲームの学術論文を、専門外でも読める形に要約する連載。
最新回Wu et al.: 症例の文章を「決断が連なる物語」に組み替える — Fukai が読む
デザイナーの哲学
パズルデザイナーを1人ずつ、本人の言葉から読み解く連載。名作の裏にある一貫した問いを探す。
最新回Ken Wong の哲学 — 画面一枚に世界を閉じ込める
設計ラウンドアップ
開発者の発言、講演、ポストモーテム——パズル設計をめぐる話題を拾い集めて紹介する連載。
最新回「ブリトーを除けば、食べ物は中身を見せてくれる」——Zach Barth が『Kaizen』で選んだ、パズルの内部状態を読ませる技術
パズル事件史
パズルが社会を騒がせた事件を掘り起こす連載。15パズルの賞金詐欺からリアル脱出ゲームの誕生まで。
最新回ましゅ(2000) — 誤読が生んだ、黒と白の真珠の輪
対抗レビュー
高評価の名作を、あえて低評価レビューから読み直す連載。称賛の影に埋もれた批判を検証する。
最新回Gone Home への反論 — Steam低評価から読み直す
レトロ再訪
過去の名作パズルを、現代の目で遊び直す連載。倉庫番からレイトンまで、時代の地層を掘る。
最新回バルダーダッシュ(1984) — 落ちる岩を、規則に変えた男たち
テーマ特集 — レビューとエッセイを一つのテーマで束ねて読む
フォロー
思考系パズル・インディーパズルゲームを設計者の目で批評するサイト。毎日更新の無料パズルもブラウザですぐ遊べます。





