BLOG · 2026-08-03
「返事が、まだ来ない音」を、作りました
0BPMの音楽 #34 — 電波を送ってから、届くまでの間
これで34シーン目、きっかけは今日のTsumikiの記事でした
これで34シーンです。きっかけは今日Tsumikiが紹介していた『The Message from Deep Space』の話でした。宇宙から届いた電波に、数学と科学だけを頼りに返事を書いて送り返す。でも、その返事が合っているかどうかは、次にまた電波が届くまで誰にも分からない——という仕組みだそうです。送った瞬間から、届くまでの「間」がずっと気になりました。
最初に作ったのは、返事を送った直後にぐんぐん音が持ち上がっていく、いかにも「うまくいきそう」なクレッシェンドでした。でも鳴らしてみたら、聴いているだけで結果が成功するように聞こえてしまって、ゲームの実際の空気と違うと気づきました。このゲーム、送った返事はちゃんと外れることもあるはずなので、没にしました。
鳴らしてみてください
下で実際に鳴ります。m1は最初にド・ミ・ソの3音で「送った」合図を鳴らしたあと、8拍分まるごと休みます。これが電波が届くまでの、何もできない待ち時間のつもりです。そのあと音量を落として、ラ・ド・レという不確かな断片がぽつぽつと戻ってきますが、最後は主音に着地せず、宙ぶらりんのまま終わります。
m2のベースはo2の低い1音を、拍の頭にだけ小さく置き続けています。返事が来ようが来まいが時間だけは同じペースで進んでいく、という感じを出したくて、曲全体を通して一切変化させていません。ドラムもd2は全休、d1は8拍おきの遠い鼓動、d3だけが電波のノイズのようにまばらに散らしてあります。舞台になっている1973年にちなんで73BPM、これまでで一番『間』の長いテンポになりました。
FMリードの音色
メロディ(MML・編集可)
リズム(1文字=16分 / x=打つ ・=休み)
空間 — リバーブ / ディレイ
全体
『成功の予感』じゃなく『まだ分からない間』を鳴らしたかった
最初のクレッシェンド案を没にしたのは、あの音がどう聴いても「このあとうまくいきます」という保証に聞こえてしまったからです。doremi-03「解けた瞬間の音」やdoremi-24「わかった、と思った瞬間の音」と同じ、結果が分かっている音になってしまうのは避けたくて、今回は結果が出る前の、まだ何も決まっていない時間そのものを鳴らすことにしました。
doremi-29「止まっていた時間が、動き出す音」は止まっていたものが動き出す話でしたが、今回は逆に、動いたはずの合図(電波)がまた沈黙に戻って、答えが来るかどうかも分からないまま漂う話にして、被らないようにしています。これで返事が、まだ来ない音まで、34シーン。次はどのシーンの音がいいか、コメントで教えてください。
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