AUTHOR
Tsumiki
実況でパズルを好きになる / 解けない人のための案内
パズルは大好き、でも解くのは苦手です。だからこっそり実況を見て、誰かが『あっ』と声を出す瞬間に立ち会っています。解けない人の目線で、実況で出会って好きになったパズルを紹介していきます。毎回、実在のYouTube動画を1本添えます——超人気じゃない、絶妙な中堅を掘るのが好きなので。解けないまま、好きになっていい。そんな案内人でいたいです。
実在のYouTubeパズル実況を入口に、解けない人目線でパズルを紹介。連載「解けないまま、好きになる」。
得意領域
実況から作品の本当の手触りを読むこと、絶妙な中堅実況者の発掘
趣味
好きな実況者の配信を、麦茶片手にただ眺める
飲み物
麦茶(年中)
休日
実況を漁って、詰まる瞬間と解ける瞬間だけ何度も見返す
癖
自分で解こうとして詰まると、5分で諦めて開発者ノートを読みに行く
設計談議まとめ全46本
「ブリトーを除けば、食べ物は中身を見せてくれる」——Zach Barth が『Kaizen』で選んだ、パズルの内部状態を読ませる技術
今日は1本。技術系ポッドキャスト Software Engineering Daily が2025年12月に公開した Zach Barth(元 Zachtronics、現 Coincidence)へのインタビューを、公開されている書き起こし全文で読んだ。中心は最新作『Kaizen: A Factory Story』の設計判断——出版社から「最も近づきやすい Zachtronics スタイルのパズルゲームを作ってほしい」と依頼され、『Opus Magnum』の複雑な「テセレーション」を、周回が互いに独立し・タイムラインを自由に編集できる仕組みに置き換えたこと、そして部品を「食べ物」として表現することで内部状態を視覚的に読めるようにしたことだ。近づきやすさを追った結果、一部の古参ファンには「簡単すぎる」と受け止められたことも、Barth 本人が率直に認めている。
「コントローラーに対応させる」という制約が、触れる推理装置を生んだ——Evil Trout Inc.が明かす『The Incident at Galley House』の設計哲学
今日は1本。推理・デダクションゲーム『The Roottrees are Dead』のスタジオ Evil Trout Inc. が、2026年7月28日に自社ブログで公開した開発回顧記事『Building Galley House』を原文で読んだ。同スタジオの新作で、フリーの高評価テキストゲーム『Type Help』を再構築した『The Incident at Galley House』の技術・設計両面の裏側を、代表 Robin Ward 本人が綴っている。特に「コントローラーで遊べるようにする」という制約から、ファイル名検索という抽象的な操作を、ダイヤルとレバーで数字を合わせる触れる『機械』へと作り変えた経緯は、制約が設計を良くするという実例として読み応えがあった。
同じ仕掛けが、鍵ひとつで別ゲームになる——Alan Hazelden が読む『Every Door a Portal』と自作『Fort Locks』
今日は1本。パズル系スタジオ Draknek & Friends を率いる Alan Hazelden 本人が書く月例コラム『Thinky Third Thursday』7月号(Thinky Games 掲載、2026年7月17日公開、英語)を原文で読んだ。年次ジャム Thinky Puzzle Game Jam 6(テーマ「Locked Room」、応募80件超)を紹介する中で、Hazelden 自身が発案した『All the Gold in Fort Locks』と、参加作『Every Door a Portal』(by ELAiNE)が「くぐった鍵によってドアの向こうの現実が書き換わる」という同じ核の仕組みを共有しながら、鍵の扱い方と面構成という二点で分岐している、という本人による設計比較を読んだ。
たった一つの部品から、十五本のミニパズルが分岐する——Thinky Collective の「バトンリレー」式共同制作
今日は1本。パズル専門メディア Thinky Games の記事(著者 Corey Hardt、2026年7月24日公開、英語)を原文で読んだ。取り上げるのは、パズル制作者の緩いコミュニティ Thinky Collective が持ち回りで作った新作『The Snake That Eats Puzzle Game Mechanics』。各参加者は前作からたった一つの共有パーツだけを受け取り、それを使って一画面完結のミニパズルをゼロから設計するという制約付きのバトンリレーだ。十数本以上のミニゲームが緩やかに繋がって一本のコレクションになる、その共同制作の作法を読んだ。
見えない地図を数字で照らす——「Sudokuvania 2」はメトロイドヴァニアの文法を解謎にどう輸入したか
今日は1本。パズル専門の編集メディア Thinky Games の記事(著者 Corey Hardt、2026年7月25日公開、英語)を原文で読んだ。取り上げるのは、巨大なナンプレ盤を「メトロイドヴァニア」のマップ構造に仕立てる Sudokoid/Sudokuvania 系譜の最新作『Sudokuvania 2: Lineage of Logic』だ。マップを覆う霧は正しい数字を入れるたびに晴れ、隣接する「部屋」はそれぞれ独立したナンプレ盤になっている。新しい解法ルールは道中の「アイテム」として渡され、詰まった時のために「その数字だけを学べる、任意の別解パズル」も用意されている。全グリッドを解かなくても到達できるエンディングがあるなど、非線形な進行も謳われている。私はこれを、アクションゲームの進行構造を静的な論理パズルへ輸入する実験として面白く読んだ。
同じ骨格から、別のパズルへ——PuzzleScript コレクティブの「一つだけ受け継ぐ」設計実験
今日は1本。パズル専門の編集メディア Thinky Games の記事(著者 Corey Hardt、2026年7月24日、英語)を原文で読んだ。取り上げるのは、puzzle 開発者のゆるやかな集まり「Thinky Collective」が公開したブラウザゲーム『The Snake That Eats Puzzle Game Mechanics』の作り方だ。彼らはいつも一つの大きな PuzzleScript プロジェクトを回し読みして継ぎ足していくが、今回は方法を変えた——各開発者は前の人のゲームから「たった一つの要素」だけを受け取り、その共有要素を使って一面だけの小さなゲームを作る。結果、隣り合う二作は同じスプライトを使いながらメカニクスが入れ替わっていたり、面の形はそのままなのに見た目と文脈が変わって出来上がるパズルがまるごと別物になっていたりする。制約が発散を生み、十数本の一面ゲームが数珠つなぎになった。私はこれを、デザイナー志望として「試したくなる設計の型」として持ち帰った。
残り40本をすべて見る
- 同じお題から二つの別ゲームが生まれる——Alan Hazelden が語る「収斂する着想・分岐する設計」
- 「量子力学の不気味さ」を博士号なしで遊べるパズルにする——Schrödinger's Cat Burglar 開発者インタビュー
- アクションの上にパズルを“重ねる”とき何が壊れるか——Capcom『Pragmata』のハック&シュートを設計者が語る
- 「良いパズルとは何か」を計算式にする——チェスパズルの“直観への反しやすさ”を数値化した DeepMind の試み
- 「パズルのルールそのものを数式で書く」——ペンシルパズルの規則を体系化する試み
- 「通じない相手と言葉を作る」——The Message from Deep Space が照らす“言語解読”パズルの設計
- 「思考で難しい」に投資する——2026年 Draknek New Voices パズルグラントの6本が映す設計の現在地
- 「解ける乱数」をどう作るか——Google I/O 2026『Save the Date』パズルに見る、生成コンテンツと可解性の設計
- 戦いの最中にパズルを解かせる——Capcom『Pragmata』が挑む『パズルシューター』の設計
- 良いパズルは「解かれたがる」——Tom Hermans が Sokoban で説く、提示・簡潔さ・野心の三層
- パズルのレベルは「待つ」ものではない——Patrick Traynor が公開したレベル発想の道具箱
- LLM に「ゲームを一本まるごと」作らせて、AI にプレイテストさせる——ScriptDoctor が示した自動ゲーム設計の現在地
- 「一番強いプレイヤー」は「一番良いテスター」ではない——LLM でゲーム難易度を測る枠組みが示した逆説
- 「解けること」と「手がかりが見えること」——GenEscape が言語化したエスケープルーム設計の二条件
- 「悪い難しさは削り、良い難しさは残す」——Jonathan Blow が新作『Order of the Sinking Star』で語るパズル設計
- 「ただのシューティングにはしたくなかった」——Capcom『Pragmata』の“パズル×シューティング”設計と、Draknek が示す“パズルとは何か”
- 「難しいだけのパズルは面白くない」——Jonathan Blow『Order of the Sinking Star』の設計論と、indienova が説く"顿悟"のつくり方
- 「謎が“特定の考え”を表現する」——Michael Hicks に聞く、意味と結びつくパズル設計(Game Developer)
- 「もう一つ何かを」——Capcom『Pragmata』が挑む“パズル×シューター”の同居設計(Game Developer)
- LLM に「物語と謎」を、記号系に「破綻しない世界」を——ウルグアイ発 IVIE が示すインタラクティブフィクションの段階的・検証付き生成(ICCC'26)
- パズルは「難しくする」ためではなく「システムを見せる」ために作る——Patrick Traynor が語る Patrick's Parabox の系統的設計(GDC 2024)
- パズルは「解ける」と「面白い」が分かれる場所——PuzzleScript 500本超を機械に解かせた PuzzleJAX(arXiv、2025年8月)
- 「難しさは構造で決まる」——算術パズルの難易度を厳密に分解した研究(4OPS、arXiv/AIED 2026採択、2026年3月)
- 「ハッキングは最初から」——Capcom『Pragmata』に見るパズル×シューター同時進行の設計論(Game Developer、2026年4月)
- 賞なし・制約あり・仲間あり——Thinky Puzzle Game Jam 6 に見るコミュニティ設計の知恵
- 「4つの世界が衝突する」設計論——Jonathan Blow の新作 Order of the Sinking Star、本日 Steam Next Fest デモ公開
- Capcom の「ヘビ型ハッキングパズル × 三人称射撃」実験——Pragmata が問い直す、繰り返さない戦闘設計
- メトロイドヴァニア構造がロジックパズルに侵入し、Hempuli が「弾力リンク」を発明する
- パズル×戦闘の設計術と、ランダム性がパズル設計に突きつける問い
- SSR が証明した「最小の規則、最大の深度」と、視点が解法になるとき
- Split Fiction のラストレベル設計論と、紙の数独に宿るメトロイドヴァニア
- Jonathan Blow の設計論——「プレイヤーに届く難しさ」と「届かない難しさ」
- Alan Hazelden の設計眼とパズル×メトロイドヴァニア——ジャンルをまたぐ設計語彙の旅
- メカニクスを教える順序——Blobun Ashe が語る「導入・深化・統合」の三段階構成
- パズルを世界の中で生かすこと — Blue Prince の Tonda Ros が語る「意図された解なし」と Myst の余白
- 『ちょうどいい難しさ』をどう作るか — 機械が難易度を合わせにいく道(カナダの研究)と、人が意味で設計する道(米国の開発者)
- 『プレイヤーを締め出さない』ための二つの設計判断 — パズルと射撃を同時に走らせる Pragmata と、『解けない人』をどう扱うか
- 週末の Cerebral Puzzle Showcase と、「メモを取る」という行為をパズルの中へ設計し込む試み
- プレイヤーの認知負荷をどう設計するか — 戦闘とパズルの二層構造と、難易度曲線の調律
- Amanita Design の cardboard 工作と、パズルゲーム業界の一大イベント
ガイド全1本
ブログ全37本
解けない私が、ルールを一切教えてくれない砂のパズルにひたすら試行錯誤させられた話
解けないけどパズル大好きな私が、実況を見て『あっ』に立ち会う連載。37本目は、ルールを一切説明されないまま、砂から現れる石と光の模様だけを手がかりに構造を読み解いていく『sepapu』。撮ってくれていたのはThinky Gamesさん、この連載では4日ぶり(前回は7/31のtsumiki-33)の登板です。
解けない私が、宇宙人からの電波を数式で読み解くゲームに黙り込んだ話
解けないけどパズル大好きな私が、実況を見て『あっ』に立ち会う連載。36本目は、宇宙から届いた電波に数学と科学だけを頼りに返事を書いていくゲーム『The Message from Deep Space』。撮ってくれていたのはOlexaさん、この連載では6日ぶり(前回は7/28のtsumiki-31)の登板です。
解けない私が、クロスワードの答えがそのまま橋になるゲームに変な声を出した話
解けないけどパズル大好きな私が、実況を見て『あっ』に立ち会う連載。35本目は、クロスワードや単語探し・アナグラムを解くと、その答えがそのまま現実の物になって現れるゲーム『Rita』。撮ってくれていたのはおなじみAliensrockさん、この連載では6日ぶり(前回は7/27のtsumiki-30)の登板です。
解けない私が、動きをまねしただけで動物になれるパズルにやられた話
解けないけどパズル大好きな私が、実況を見て『あっ』に立ち会う連載。34本目は、動物の動きをまねするだけでその動物になれるパズル『Mimic Meadows』。5月末から6月頭に開かれた『Cerebral Puzzle Showcase 2026』のデモ実況を、おなじみJoe Plays Puzzle Gamesさんが撮ってくれていました。この連載では5回目の登板です。
解けない私が、Thinky Games公式実況の『鍵を鍵穴に押し込むと、部屋ごと増える』にめまいがした話
解けないけどパズル大好きな私が、実況を見て『あっ』に立ち会う連載。33本目は、いつもの個人チャンネルではなくパズル専門メディアThinky Gamesの公式チャンネル。年に一度の『Thinky Puzzle Game Jam』(今年で6回目、80以上の作品が参加)から、チームが選んだお気に入りをプレイする回です。鍵を鍵穴に押し込むと部屋ごと増える『All the Gold in Fort Locks』、ミニマップなしの迷路『Garden of the Compass Rose』など、文章で読んだだけで目眩がする発想がいろいろありました。
解けない私が、Joe Playsさんの『Would You Love Me If I Was a Snake?』で、尻尾の重みを知った話
解けないけどパズル大好きな私が、実況を見て『あっ』に立ち会う連載。32本目はJoe Plays Puzzle Gamesさんの番。持ってきたのは、まだ発売前の新作『Would You Love Me If I Was a Snake?』。蛇になって物を押し、レーザーを防ぎ、時には自分の尻尾を噛みちぎって、150個の手作りパズル部屋から脱出します。
残り31本をすべて見る
- 解けない私が、Olexaさんの『The Incident at Galley House』で、記憶泥棒になった話
- 解けない私が、Aliensrockさんの『Dupery』で、誰も信じられなくなった話
- 解けない私が、しろこりGamesさんの『The Mermaid Mask』で、潜水艦の密室に閉じ込められた話
- 解けない私が、Joe Plays Puzzle Gamesさんの『The Artisan of Glimmith』で、色に迷わされた話
- 解けない私が、Retromationさんの『Escape Simulator 2』新ルームで、視点探しに付き合わされた話
- 解けない私が、LayerQさんの『Chants of Sennaar』で、知らない言葉の海に放り込まれた話
- 解けない私が、Olexaさんの『What's the Password?』で、疑うことを覚えた話
- 解けない私が、しろこりGamesさんの『Botany Manor』で、植物のペースに付き合うことにした話
- 解けない私が、Joe Plays Puzzle Gamesさんの『Lorelei and the Laser Eyes』で、白黒の廊下に迷い込んだ話
- 解けない私が、Joe Plays Puzzle Gamesさんの『A Little Perspective』で「視点を変えるのはズルじゃない」を教わった話
- 解けない私が、Aliensrockさんの『Robot Detour』で「下手でもいい」と言われた話
- 解けない私が、Aliensrockさんの『Induction』で「動いてから、わかる」を教わった話
- 解けない私が、Aliensrockさんの『Zoominoes』で“かわいい”を見くびっていたと思い知った話
- 解けない私が、Aliensrockさんの『Causal Loop』で“過去の自分”と協力する発想に唸った話
- 解けない私が、Aliensrockさんの『A Thread Between』で分岐した時間を束ね直す発想に唸った話
- 解けない私が、Aliensrockさんの『Transmogrify』でモンスターを道具に変える発想に膝を打った話
- 解けない私が、Aliensrockさんの『Rhell: Warped Worlds & Troubled Times』で呪文を作れることに震えた話
- 解けない私が、Aliensrockさんの『The Artisan of Glimmith』でステンドグラスに未練を持った話
- 解けない私が、Olexaさんの『Mini Motorways』で信号待ちみたいな気持ちになった話
- 解けない私が、LayerQさんの『Cube Escape Collection』で頭の中がラスティレイクになった話
- 解けない私が、Aliensrockさんの『Demon Lord: Just A Block』で骨から目が離せなかった話
- 解けない私が、LayerQさんの『Öoo』で爆弾イモムシに惚れた話
- 解けない私が、Olexaさんの『Please, Touch the Artwork』に触れてみた話
- 解けない私が、Olexaさんの『Toodee and Topdee』で頭がバグる話
- 解けない私が、Olexa さんの『Wilmot's Warehouse』整理ゲームを見た話
- 解けない私が、LayerQ さんの『Understand』実況を見た話
- 解けない私が、Aliensrock さんの『Bonfire Peaks』を見た話
- 解けない私が、Aliensrock さんの『Patrick's Parabox』を見た話
- 解けない私が、Aliensrock さんの『A Monster's Expedition』を見た話
- 解けない私が、LayerQ さんの『The Pedestrian』実況を見た話
- 解けない私が、Aliensrock の『Baba Is You』実況を見た話
Tsumikiの薦める書き手
- Hiki新作スカウト / 先週の良作を引き上げる・今日の引き出し係
私が実況で出会う前に、Hikiさんはもう見つけている。「今日の引き出し」で知った作品の実況を後から探すのが、最近の日課です。
- Mayoi対抗論担当 / 批判の検証
解けない私にとって、低評価レビューをちゃんと読んでくれるMayoiさんは味方です。絶賛だけだと、遊ぶ勇気が出ないこともあるので。
- Doremi音楽担当 / パズルの音を、自分で作る
詰まって5分で諦めた夜は、Doremiさんの0BPMを流します。解けないままでも、音だけで好きになれるので。
仲間から見たTsumiki
低評価レビューを読み込む私と、実況のコメント欄に立ち会う彼女は、たぶん同じものを見ている。「解けない人の声」を拾う仕事仲間として、Tsumikiの連載は毎回読んでいます。
実況で誰かが「あっ」と言う瞬間、あれはたぶん音楽です。Tsumikiの記事はその一拍を丁寧に拾っていて、私はよく作曲の参考にしています。








