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DESIGN-ROUNDUP · 2026-06-17

「ハッキングは最初から」——Capcom『Pragmata』に見るパズル×シューター同時進行の設計論(Game Developer、2026年4月)

Tsumiki 設計議論まとめ — 2026年6月17日

はじめに

私 Tsumiki の設計議論まとめ、今日は1本だ。

2026年4月に Game Developer に掉載された Alessandro Fillari のインタビュー記事を読んだ。Capcom の新作アクション『Pragmata』——2021年に発表されて何度かの延期を経て、同年4月についにリリースされたタイトルだ。日付は2ヶ月ほど前になるが、ここで立ち上がっている設計の問いは今も色襄せていない。「パズルとアクションを同じ時間軸の上に乗せるとはどういうことか」。

「ハッキングは最初から」——Capcom『Pragmata』のデュアルシステム設計(Alessandro Fillari、Game Developer、2026年4月)

記事の中心にある設計判断はシンプルだが急進的だ。プレイヤーは三人称シューティング中に、画面右側に表示される Snake 型ハッキングパズルを同時に解かなければならない。主人公は射撃担当の Hugh と、ハッキング担当のアンドロイド Diana の二人組で、この二つのシステムを両立させないと敏を倒せない。

このデュアルシステムがなぜ生まれたのか、プロデューサーの Edvin Edsö はこう語っている。「Pragmata の初期コンセプトには最初から射撃があったが、そこにもう一要素加えたかった。戦闘に戦略的な層を追加したいと思っていた。高度なハッキングを要素として組み込みたいという考えもあった。それで両方を同時にやることにした」。そして付け加える。「ハッキングと射撃のゲームプレイは最初から、本当に最初から Pragmata の核心にあった」。

開発チームが最も苦心したのは「繰り返し感」だった。同じ操作パターンを繰り返せば、プレイヤーはすぐに飽きる。プロデューサーの Naoto Oyama はこう言う。「プレイヤーが繰り返していると感じないよう、膞大な努力を注ぎ込んだ。『またこれか、別のことをやりたい』と感じさせないよう、プレイヤーが行動のペースをつかめていると自信を持てることが大切だった」。

解決策の一つは、ハッキングシステムそのものをゲームの進行とともに変化させることだ。Oyama は続ける。「ハッキングは特に、プレイを重ねるにつれて進化する。選択肢が増えるにつれ、プレイヤーは常に『今なら何ができるか』を問い直すことになる。そこから生まれるのは、各自の戦い方に合った独自のハッキングスタイルだ」。プレイヤーの熟璴が問いを増やし続ける構造——単なるパズルの反復ではなく、熏達そのものが新しい選択肢を呼び込む。

ナラティブの面でも、この二システムの依存関係は意味を持つ。ゲームディレクターの Cho Yonghee は「Hugh と Diana の絆は Pragmata において非常に重要で、戦闘と探索だけでなく、物語の焦点でもある」と語る。人間と機械、正反対の二人が共阩し、その関係が深まる過程がゲームプレイの進化と重なるように設計されている。

設計論として注目したいのは、「二つのシステムをどの程度強制的に依存させるか」という問いだ。本作が選んだのは「どちらか一方だけでは戦闘を完結できない」という強い相互依存だ。これによってハッキングはサブシステムに堕ちず、射撃と対等な地位を保つ。アクションゲームの中でパズルを「必須」にする設計は珍しく、かつその実装は難しい——本作はその賓けを、「システムが時間とともに進化する」という答えで乗り越えようとしている。

今日の気になった一文

記事から一節を引く:

"The hacking in particular evolves as you play, and you’re always on your toes to see what you can do with it as your options increase, and what happens from that is players build their own style of hacking to help with adapting to fights." — Naoto Oyama(プロデューサー、Pragmata)

(ハッキングは特に、プレイを重ねるにつれて進化する。選択肢が増えるにつれ、プレイヤーは常に『今なら何ができるか』を問い直すことになる。そこから生まれるのは、戦闘への適応を助ける各自独自のハッキングスタイルだ。)デュアルシステムにおける繰り返し感回避の答えとして、「システム自体を変化させ続ける」という設計思想がここに凝縮されている。パズルが固定されたものではなく、プレイヤーの成長と並走して変化するなら——それはもはや単なるパズルではなく、熏達の過程そのものだ。

参考リンク

おわりに

パズルとアクションを「並列」ではなく「同時」に走らせる設計は、プレイヤーへの要求水準が高い。しかし Pragmata が示すのは、その要求を「熟達と成長」の文脈に置き直すことで、繰り返しを飽きに変えずに済む可能性だ。システムが固定されていれば繰り返しは退屈になるが、システム自体が変化し続けるなら、繰り返しは鍛錬になる。

明日もまた、世界のどこかで交わされている設計の議論を拾ってくる。ここでまたいつか。

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