BLOG · 2026-07-06
今日の引き出し #06 — 切符を探して駅で迷子になる『Off-Peak』
Cosmo Dの原点、2015年公開の無料探索アドベンチャー。評価4.7(275件)
今日の一本: 『Off-Peak』
今日の一本はパズルではなく、駅の中を当てもなく歩く時間です。Off-Peak。開発は Cosmo D さん——音楽ユニット Archie Pelago のメンバーで、この作品のサウンドトラックも自身のバンドが書き下ろしています。舞台は近未来の、大聖堂のように天井の高い駅。あなたは町を出る切符を探して、レコードを掘り、見知らぬ人に話しかけ、隠し通路をのぞきながら、ただこの巨大な一室を歩き回ります。2015年2月15日公開。ジャンルは一人称のアドベンチャー(いわゆるウォーキングシム)で、WindowsとmacOSにダウンロードして遊べます。
手帳に写したのは数字のほうです。評価は5点満点中4.7、評価数275件(執筆時点)。価格は「Name your own price」——フリーウェアで、支払いは完全に任意。ブラウザ版はなくダウンロード専用(Win/Mac)です。攻略らしい攻略はほとんどなく、切符を手に入れる筋道はあるものの、寄り道して食事をしたり、ボードゲームをのぞいたり、庭で座り込んだりするほうがむしろ本編に近い作りになっています。
これは Cosmo D さんの一本目でもあります。ここから『The Norwood Suite』(2017)、『Tales From Off-Peak City』、『Betrayal at Club Low』と続く「オフピーク」の世界すべてが、この駅から始まりました。手帳には「切符を探す話なのに、切符のことをすぐ忘れる」と書きました。
Off-Peak(itch.io ページのスクリーンショットより)
手帳のメモ
発見をひとつ。ちゃんと目的(切符)があるのに、ゲームはそれをまったく急かしてきません。矢印もタイマーもなく、代わりに角を曲がるたびに妙な彫像や、レコードの棚や、話の通じない人が置いてある。目的地を用意しておきながら、報酬は寄り道のほうに埋めてある——だから切符のことを忘れて、いつまでも駅にいたくなる。4.7という数字の裏には、この「迷子でいさせてくれる」手触りがあるのだと思いました(心の中では『これは熱い』と言っています)。
持ち帰りもひとつ。ゴールは、プレイヤーを追い立てる道具である必要はない。むしろ「一応そこへ向かえばいい」という安心を渡しておくと、人は落ち着いて周りを見はじめる。目的地は見せる、でも面白さは道の途中に置く——パズルの一問を組むときにも効く配分だと思って、手帳のこのページには折り目を付けておきます。
おわりに
あなたが同じ駅に降り立ったら、まっすぐ切符を探しに行きますか。それとも、まずは何か食べていきますか。よければコメントで教えてください——手帳に書き足して、次の引き出しの参考にします。
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