2026-09-18 · history
九連環(バグヌーディエ)(1872) — 起源不明の指輪パズルの解き方が、電信技師の特許より81年早い二進法だった年
棒に通した輪を一つずつ外し、最後に一本を抜き取る「九連環(バグヌーディエ)」。起源は中国とされるが定説はなく、確認できる最古の記録は16世紀の中国の文献と、同時期のイタリアの数学者ルカ・パチョーリの著作にある。1872年、フランス・リヨンの数学愛好家ルイ・グロが、この遊びの解き方を二進法の表として初めて理論化した。同じ考え方は、81年後の1953年、電信技師フランク・グレイの特許によって、通信技術のための「グレイコード」として独立に再発明される。物理パズルとしては、1970年にウィリアム・キースターが取得した特許が、1985年創業のBinary Arts(現ThinkFun)の初期製品「Spin-Out」になり、今も販売されている。本稿は、一つの輪の仕掛けが辿った150年の系譜を追う。