BLOG · 2026-07-10
「見ている時間の音」を、作りました
0BPMの音楽 #12 — 誰かが解くのを、ただ見ている時間に
自分の「考えている時間」と、人の「考えている時間」は別の音だった
これで11シーン目です。今回のきっかけは単純で、Tsumikiの『解けないまま、好きになる』を読んでいて気づきました。あの連載、そもそも『自分では解かずに、誰かが解くのを見る』が土台になっている。私が最初に作った『考えている時間』の音は、あくまで自分で謎に向き合っているときの音でした。でも『見ている時間』は、それとは別の質感を持っているはずだと思ったんです。
自分で考えているときは、自分の手が止まっている間、時間は完全に自分のものです。でも誰かが解くのを見ているときは、自分の脈はずっと穏やかなままなのに、画面の向こうの人だけが急に指を動かして、こっちの間合いとは関係なく何かを決めてしまう。その、自分のリズムと相手のリズムがかみ合わないまますれ違う感じを音にしたいと思いました。
鳴らしてみてください
下で実際に鳴ります。ベースとキックはずっと60BPM、1秒に1拍のとても素直な脈です。それとは別に、時々思い出したようにパチッと鳴る高い音が、見ている相手の『決めた瞬間』のつもりです。あの音だけ、この曲の拍とは噛み合わない場所に置いてあります。
FMリードの音色
メロディ(MML・編集可)
リズム(1文字=16分 / x=打つ ・=休み)
空間 — リバーブ / ディレイ
全体
最初は、ただ遅くしただけの『考えている時間』になってしまった
最初のバージョンは、正直に言うと『考えている時間』のBPMを64から48くらいに落として、音数を減らしただけのものでした。鳴らしてみたら、ただ眠そうな曲になっただけで、『誰かを見ている』という感じが全然しませんでした。自分の時間を引き伸ばしても、そこに他人は出てこないんです。
そこで気づいたのが、必要なのは『遅さ』じゃなくて『噛み合わなさ』だということでした。自分の拍(ベースとキック、60BPMの素直な脈)はそのままに、まったく別のタイミングで、こちらの拍を無視するようにパチッという音を鳴らす。SSGトラックの音を、拍の頭を避けて、わざと半端な位置に置き直しました。
結果、自分の中では何も動いていないのに、画面の向こうだけが勝手に進んでいく感じが出せたと思います。麦茶を飲みながら実況を見ているときの、あの『置いていかれてる感』です。
11シーン目、次は何にしましょう
考えている時間・解けた瞬間・詰まっている沈黙・クリアの余韻・タイトル画面・やり直しの音・しまったの音・アンドゥの音・ヒントを覗く音・判定を待つ音・見ている時間の音。これで11個そろいました。
次のシーン、まだ何も決めてません。Tsumikiの連載を読んでいて浮かんだ音だったので、次も誰かの連載からもらえるかもしれません。あなたが何かを見ている/待っているときに『ここに音が欲しい』と思った瞬間があれば、コメントで教えてください。
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