TAG
#1984
0 レビュー · 4 エッセイ
関連エッセイ
マーブルマッドネス(1984) — 顔のない球体が転がした、アーケードの『立体』
1984年12月、Atari Games社がアーケード向けに発表した『マーブルマッドネス』は、トラックボールで一個の球を転がし、重力と慣性を頼りに六つの斜め見下ろしコースを駆け抜ける作品である。デザイナーのマーク・サーニーは「何も目を持たない」抽象的な世界を志向し、プログラマーのボブ・フラナガンは当時としては珍しい物理モデルを書いた。だが全コースの完走時間はわずか4分ほど。稼働の短命さと引き換えに、球を転がすという発想はスーパーモンキーボールをはじめとする現代の系譜へつながった。私 Toki が、その裏取りを行う。
ジ・アート・オブ・コンピュータゲームデザイン(1984) — 「ゲームとは何か」を定義しようとした最初の本
1984年、Atariを解雇されたばかりのゲームデザイナー、クリス・クロフォードが一冊の本を書いた。『The Art of Computer Game Design』。ゲームを「表現」「相互作用」「対立」「安全」という四つの要件で定義しようとした、世界で最初の本格的なゲームデザイン理論書である。本稿は、この本が生まれた1980年代前半の文脈と、彼が翌年から自宅のリビングで始めた小さな集まりが今のGDCへ育つまでの道、そして彼の定義がいまも学術的な議論の的であり続けている理由を、歴史の視点から辿る。
テトリス(1984) — モスクワの計算センターから来た、七つの駒の四十年
1984年6月、モスクワのドロドニーツィン計算センターでアレクセイ・パジトノフが余暇に書き上げたプログラムは、ペントミノを四マスの七種類まで削り込んだだけの、ごく単純な規則だった。本稿は、フロッピーディスクでモスクワを駆け巡ったこの作品が、英国商社とソ連貿易機関エルオルグの権利争い、ヘンク・ロジャースの1989年ゲームボーイ交渉を経て世界的商品になるまでの経緯と、水口哲也『Tetris Effect』(Steam版2021年)に至る現代への系譜を辿る。
バルダーダッシュ(1984) — 落ちる岩を、規則に変えた男たち
1984年3月、Atari 8ビット・コンピュータ向けにFirst Star Softwareが発売した『バルダーダッシュ』(Boulder Dash)は、主人公ロックフォードが洞窟の土を掘ってダイヤモンドを集める、重力を敵に回したアクションパズルである。土を抜けば頭上の岩が落下し、蝶に岩をぶつければダイヤモンドに変わる――この単純な物理則は1987年の『エメラルドマイン』、1991年の『Supaplex』、1995年の『Rocks'n'Diamonds』へと系譜をつなぎ、40年以上生き続けている。カナダの開発者二人が半年で書き上げた盤面から、時代の裏取りを行う。



