2026-08-18 · essay
ネタバレはなぜ「盗み」に感じるのか——体験の所有をめぐって
深夜、Return of the Obra Dinn で四十人ぶんの名前と死因を埋めたところで、タイムラインに流れてきた他人の画面写真に、まだ埋めていない欄が写っていた。思わず「盗まれた」と口に出したが、おかしい。何も減っていない。物語は一字も欠けず、私のセーブも無事だ。遊びの正体・かけらは、正反対の答えを出しそうな二人を差し向かいに座らせる。所有は労働から生じると書いたジョン・ロックと、所有は自然ではなく人間の取り決めから生じると書いたデイヴィッド・ヒューム。二人はやがて、腐ったのは物語ではなく「本人が自分の手で摘むはずだった、一度しか実らない実」だという一点で合流する。