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関連エッセイ
Baek ら: 「ゼルダを7割、マリオを3割」の面を、文章で注文する — Fukai が読む
韓国の光州科学技術院(GIST)と東国大学校の Baek ら5名による論文(arXiv:2603.26782、査読前の preprint)。ゼルダ・Dungeon・ロードランナー・スーパーマリオブラザーズの計5,576面を1つの潜在空間に収め、文章と比率でゲームをまたいで面を混ぜられるようにした。1本ごとの専用生成器と比べた一致度の低下は全体で約4.4%にとどまり、比率を動かすと一致度が指定どおりに入れ替わる。ただし文章1本で混ぜる操作の効きはまだ弱い。
Siper ら: 面ではなく「面を作るプログラム」を進化させ、部品棚を自分で育てる — Fukai が読む
ニューヨーク大学とマルタ大学の Matthew Siper, Ahmed Khalifa, Julian Togelius による論文(arXiv:2608.17947、IEEE Conference on Games 2026 採録)。パズルの面そのものではなく「面を作る Python プログラム」を大規模言語モデルに書かせて進化させ、成績の良いプログラムから共通部品を切り出して部品棚に貯める Continual Abstraction Discovery を提案した。Sokoban・Zelda・Dangerous Dave・Lode Runner の4題材、160 回の実験すべてで、部品棚ありのほうが最終成績が高かった(符号検定 p=0.008)。
Xu & Verbrugge: 「重力の向き」や「時間」をレベル生成の座標にする — Fukai が読む
McGill 大学の Kaijie Xu と Clark Verbrugge による FDG 2026 の査読済み論文。レベル自動生成はこれまで地形を先に作り、重力反転や動く足場といった仕掛けを後付けで検査してきた。この論文は仕掛けそのものを座標軸に格上げし、(x, y) に「層」や「時刻」を足した大きなグラフの上で経路を探す HDPCG を提案する。切り替え間隔の誤差は 0.000〜0.002 まで下がり、迂回路の残りやすさは無誘導のベースラインの 9〜10 倍になった。
Pfau & Vrettis: プレイヤーに自分だけのポケモンカードを作らせたら — Fukai が読む
Johannes Pfau と Panagiotis Vrettis(ユトレヒト大学)による arXiv preprint(査読前)。プレイヤーが名前と設定を書くと、検索・文章モデル・画像モデルを通して約20秒でポケモン風のカードが1枚できる仕組みを作り、学生49人に196枚を作らせた。見た目の満足度は5点中4.25、技や数値の適合は4.04。そして93.5%が「これは自分の発想だ」と答えた。ただし生成カードはまだ一度も対戦に投入されておらず、バランスは未検証である。
Bazzaz と Cooper: 生成AI と PCG を Steam レビュー 50万件で比べる — Fukai が読む
Northeastern の Bazzaz と Cooper による、Steam レビュー 508,192 件を分析した論文。生成AI 使用を開示したゲーム 5,970 本と PCG 使用の 5,186 本を比べ、好評率は PCG 86.3% に対し生成AI 68.4%(差 17.9 ポイント)、感情の内訳は生成AI 側で好意的 53.0%/否定的 47.0% と、ほぼ半々に割れた。600 件のテーマ分析からは「開発の手抜きの合図」「思想的拒絶」「条件付き受け入れ」「開示と実物の整合」「使うべきところで使わないことへの批判」の5テーマが立った。arXiv:2608.11539、ACM DOI 10.1145/3831347 割当済み。
Chen: 物語から「持続する世界」を先に復元してから遊べる場を作る — Fukai が読む
Yi-Chun Chen による物語からのゲーム生成の論文。シーンやゲームプレイを個別に生成する前に、物語から「持続する世界」(実体・場所・関係・状態)を明示的に復元し、全工程が共有する計算対象として維持することを中心課題に据える。GPT-5-mini と制約付き世界補完で世界を組み、PyGame のタイルベース環境として実現。3ケースでの定性的な実行可能性の実証にとどまり、定量評価はない arXiv preprint。
Huang et al.: 生成したゲームを AI に「遊ばせて」直させる — Fukai が読む
Yixu Huang ら(復旦大学・小紅書ほか)によるゲーム生成の論文。画面を見て操作する GUI エージェントをテストプレイヤーとして生成ループに組み込む Play2Code と、200 本・1,548 項目の評価環境 PlaytestArena を提案する。3モデル平均の基準通過率は、一回書き切り 29.7%、コード検査のみの既存手法 52.2% に対し 66.8% だった。
Wu et al.: 症例の文章を「決断が連なる物語」に組み替える — Fukai が読む
Qian Wu ら(香港中文大学ほか)による医療教育ゲーミフィケーションの論文。静的な症例報告を Act / Scene / Decision Node の三層台本に変換し、さらに多モーダル生成の依存グラフへ落とす二段構えの枠組み MedGame を提案する。5,000 症例の評価セットで追加学習すると構造的妥当性は 79.4% から 99.1% へ上がるが、医学的正確さは 7 点前後で頭打ちのままだった。
Ponnock & Ho: マリオ 1-1 の「順番」には、測れる教育効果があった — Fukai が読む
Jesse Ponnock と Lucas Ho による強化学習とレベルデザインの論文(arXiv preprint、査読前)。スーパーマリオブラザーズのワールド 1-1 をタイル格子として実装し直し、内容を固定したまま 6 区画の順序だけを入れ替えて学習させたところ、オリジナルの順番が収束最速・学習効率最高・破滅的失敗ゼロの唯一の条件だった。ただしこの順序効果はモンテカルロ法では現れ、再生バッファを持つ DQN では完全に消える。
Li et al.: 動画生成 AI をゲームエンジンとして読み直す——「状態」という残された難所 — Fukai が読む
Zhen Li らによるインタラクティブ世界モデルのサーベイ。動画生成でゲーム世界を作る研究群を、ゲームエンジンの「行動—状態—観測」ループから取り出した4つの軸で整理し、残された難所がすべて「明示的なゲーム状態」に関わると指摘。『黒神話:悟空』の90時間超データセットも公開。
Li et al.: 記号ソルバーを審判にして幾何問題を「検証可能」に解く — Fukai が読む
Can Li らによる幾何問題解決(GPS)の arXiv プレプリント。図と文の問題を記号ソルバーが実行できる形式へ翻訳し、行き詰まりでは補助的な補題を提案してソルバー自身に検証させる SD-GPS を提案。要旨によれば Geometry3K・PGPS9K で既存手法を一貫して上回ったという。解けることを保証するパズル生成への応用を Fukai が読む。
Özkan: レベルを生成する AI と攻略する AI を一緒に育てる — Fukai が読む
Miraç Buğra Özkan による、強化学習でレベル生成と攻略を同時に学ばせる論文。Unity 上でハチドリ(攻略役)と浮遊島(生成役)の2体を互いの成績を見ながら学習させ、未知レイアウト100種で約90.2%の攻略成功率に到達した。
Bazzaz et al.: 「AI 製だと思う」だけで体験が変わる — Fukai が読む
Bazzaz と Cooper による、生成コンテンツの知覚バイアスを扱う CHI '26 論文。Super Mario Bros. と Sokoban で人間作・AI 生成レベルを混ぜて 142 人に遊ばせ、プレイヤーは作者をほぼ当てられないのに、AI 製だと信じたレベルほど楽しくない・難しい・苛立たしいと評価した、と報告する。
Jara Gonzalez & Guzdial: 敵の「形」を、動きで倒せる関門として自動生成する — Fukai が読む
Jara Gonzalez と Guzdial による敵モーフォロジー(当たり判定の形)生成の論文。「特定の動きでだけ倒せる敵」を 4×4 グリッド上で生成する問題を、強化学習・A*探索・ニューラル生成の三手法で扱い、素朴な A* 到達可能性ルールが最良のゲート性能と多様性を最小コストで示した。
Kar: 生成したコースが本当に通れるかを実行中に自動エージェントで検べる — Fukai が読む
King's College London の Rishabh Kar による PCG(コンテンツの自動生成)の論文。生成したコースが本当に通れるかという検証を、ゲームを止めず実行中の同じループの中で行う仕組み Momentum を提案。プレイヤーの先を2体の自動エージェントが走り、空中からの幾何チェックと地上の NavMesh チェックで先回りして道を点検する。評価はコードから導いた構造的な見積もりで示される。
Xu et al.: ゲームの「仕掛け」を座標に格上げして解けるレベルを自動生成する — Fukai が読む
McGill 大学の Xu と Verbrugge による PCG(レベル自動生成)の論文。地形優先だった従来手法に対し、重力反転や移動床といった「仕掛け」を座標の一つに格上げした次元拡張グラフ上で経路探索を行い、解けることを生成の最中に保証する HDPCG を提案。Unity 上で実際に遊べるレベルまで再現してみせた。





