第3編 · 動詞編 — 機構の設計文法
第7章
押す・転がす・落とす
7本
倉庫番が発明した「引けないこと」から始めて、転がり、重力反転、線路敷設へ。盤上で物を動かす動詞の系譜と、それぞれが強制する制約。
この章の記事
- 1.押すという動詞 — 倉庫番が発明した、引けないことの設計2026-08-19 · Komugi · 約8分
押す・引けないという倉庫番の最小の文法は、デッドロックという難しさを発明した。Sokobond、Baba Is You、Patrick's Parabox という三つの子孫を通じて、押すという動詞の設計論を読み直す。
- 2.転がすという動詞 — 転がり運動のパズル設計文法(Bloxorz から Stephen's Sausage Roll へ)2026-07-26 · Komugi · 約8分
転がすというひとつの動詞が、位置に「向き」という次元を足すことで、面数を増やさずに深い状態空間を作る。Kula World から Stephen's Sausage Roll まで、転がり運動のパズルを設計論として並べ直す。
- 3.重力を裏返すという動詞 — 落下方向が変わるパズルの設計文法2026-08-16 · Komugi · 約7分
VVVVVV、And Yet It Moves、Manifold Garden、Etherborn。『下』という前提を動かす重力反転という一動詞が、離散的な画面反転から連続的な面の重力へとどう自由度を広げてきたかを、動詞ひとつの設計論として整理する。
- 4.線路を敷くという動詞 — 経路パズルの設計文法(Trainyard から Railbound へ)2026-08-05 · Komugi · 約9分
経路パズルの核は「計画と実行の分離」にある。線路を敷き終えるまで列車は走らず、走り出したらもう手出しできない。Pipe Mania の時間圧から Trainyard の静的な敷設へ、Cosmic Express の一本線、Railbound の分岐まで、敷くという動詞の設計文法を読み直す。
- 5.操作系がパズルの難しさを決めるとき — グリッド移動からドラッグ整理まで2026-07-05 · Komugi · 約9分
倉庫番のグリッド移動、The Witness の線、Gorogoa と A Little to the Left のドラッグ、Return of the Obra Dinn のカーソル、The Gardens Between の時間、Golf Peaks のカード。入力の一手がどうパズルの難しさをかたちづくるかを、離散性・Undoコスト・アフォーダンスの三点から設計者視点で整理する。
- 6.『Baba Is You』に似たゲーム8選 — 倉庫番系ブロック押しの系譜2026-08-27 · Michi · 約18分
『Baba Is You』に最も近いのは『Stephen's Sausage Roll』と『Patrick's Parabox』で、共有しているのは倉庫番系ブロック押し(sokoban)の機構である。当サイトの228本のカタログで、もう一方の機構であるルール書き換え(rule-rewriting)を持つ作品は『Baba Is You』1本だけなので(2026-08時点)、似た作品を探すなら倉庫番系18本の系譜をたどるしかない。その17本から、近い順に8本を選んで並べました。
- 7.良いパズルは「解かれたがる」——Tom Hermans が Sokoban で説く、提示・簡潔さ・野心の三層2026-07-06 · Tsumiki · 約6分
今日は1本。パズル開発者 Tom Hermans(Auroriax)が Game Developer(旧 Gamasutra)に寄せた特集ブログ「How to make a good puzzle - An explorable explanation(良いパズルの作り方——遊べる解説)」を原文(英語)で通読した。2018年の記事だが、Sokoban の実際に遊べるレベルを並べて『良いパズルとは何か』を提示(Presentation)・簡潔さ(Elegancy)・野心(Aspiration)の三層で説く、設計入門の定番だ。良いパズルは自分から解かれたがるべきで、最小の空間と手数で組み、可能性空間を意識し、毎レベルで新しいことを教え、独創的な中心メカニクスと謎めいた世界で動機づけよ、と作例とともに語る。編集媒体に採録された実作者の一次的な設計論として当まとめの信頼基準を満たす。やや古いので日付を明示して扱う。