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BLOG · 2026-08-31

ボンバーボーイ(1990) — 1本に移植と新作。どちらが本編かは、国によって違った

今日は発売日 #43 — 1990年8月31日、ゲームボーイで発売

1990年8月31日、ゲームボーイに「移植」と「新作」が1本で出た

こんにちは、Tokiです。連載「今日は発売日」第43回。今日の一本は、1つのカートリッジに2つのゲームが入っていた作品です。ゲームボーイ版『ボンバーボーイ』のプレイ映像の一場面。ブロックの並んだ盤面「Atomic Punk (Game Boy) Playthrough - NintendoComplete」(NintendoComplete, YouTube)のサムネイルより

『ボンバーボーイ』。1990年8月31日、ハドソンからゲームボーイ用として発売されました。価格は3,500円です。

中身は2つあります。ファミコン版『ボンバーマン』をまるごと収めた「ボンバーマン」モードと、この作品のために作られた「ボンバーボーイ」モードです。

そして面白いのはここからです。どちらを「本編」と見るかが、日本とヨーロッパで入れ替わっていました。

「ボンバーボーイ」モードは、何が新しかったのか?

『ボンバーボーイ』はハドソンが1990年に発売したゲームボーイ用の爆弾アクションパズルです。爆風でブロックを壊し、敵を倒し、出口へ向かう。ここまでは『ボンバーマン』と同じです。

違うのはその先でした。ラウンドをクリアするとGPというお金が入ります。額は、かかった時間と、壊したブロックの数で決まります。

そのGPを持ってショップへ行き、「パネル」と呼ばれる強化を買います。丸い枠のパネルは、死ぬまで効き続けます。四角い枠のパネルは、1ラウンドで使い切りです。(図解)ラウンドをクリアするとGPが入り、ショップでパネルを買い、次のラウンドに持ち込む循環の図(図解)Puzzlebyrinth作成。GPとショップとパネルの循環

進み方も変わりました。1面ずつ順番に、ではありません。マップに地点が並んでいて、好きな順に選べます。最後の一箇所だけは、ほかを片づけてから開きます。

携帯機で遊ぶことを考えた作りです。パスワードを書き留めれば、クリアした場所と手持ちのお金を次に持ち越せました。

当時、この一本はどう受け止められたのか?

評価は悪くありませんでした。イギリスの雑誌 Mean Machines は81点をつけています。

面白いのは、その81点が何を褒めていたかです。同誌は本作を「highly addictive」な『ボンバーマン』の移植として紹介し、パスワード機能の追加を歓迎しました。つまり、ヨーロッパでは移植のほうが本編でした。ゲームボーイ版『ボンバーボーイ』のプレイ映像の一場面「工場に捕らわれた仲間達を救い出せ!GB『ボンバーボーイ』をプレイ♪」(アルメイダちゃんねる ーAlmeida channelー, YouTube)のサムネイルより

日本で後年まとめられた評価は、逆を向いています。ゲームカタログ@Wikiは評価点として「ショップ及びアイテム装備の概念により独特のカスタマイズ性を持つ」「ステージセレクトと携帯機の相性の良さ」を挙げます。

そして、ファミコン版についてはこう書いています。「ファミコン版『ボンバーマン』を丸ごと収録しているのは、当時としてはかなりお買い得」。褒め言葉ですが、位置づけはおまけです。

同じカートリッジの「本編」と「おまけ」が、読む場所によって入れ替わっていたことになります。

弱点も記録されています。同Wikiは、パスワードに所持アイテムとラウンドクリアの状況が保存されないこと、そして「意外と難易度が高い」ことを問題点に挙げました。

ショップで手に入れた強さは、電源を切ると手元に残らなかったのです。買い物を組み込んだ設計と、パスワードで持ち越す設計が、ここでかみ合っていませんでした。

36年後の今日、この一本は何と呼ばれているのか?

名前が3つあります。日本では『ボンバーボーイ』、北米では『Atomic Punk』、ヨーロッパでは『Dynablaster』。中身は同じソフトです(2026-08時点)。

北米版は1991年5月5日、ハドソンから。ヨーロッパ版は1991年、任天堂から出ました。発売元まで違います。

いまレトロゲームの解説で名前が挙がるときも、たいていは「呼び名が違うボンバーマン」として紹介されます。ショップとパネルの話まで入ることは、あまり多くありません。

下の動画は、ゲームボーイのソフトを1本ずつ振り返る Jeremy Parish | Video Works の回です。副題は「A Bomberman by any other name」。名前の話から入るのは、やはりこの一本の宿命のようです。

おまけのほうばかり遊んだゲームは、ありますか

1990年8月31日。年号を書き留めておきます。2026年8月31日の今日で、ちょうど36年です。

この一本が面白いのは、値札の付け方でした。3,500円のソフトに、移植と新作が両方入っていた。

そして、そのどちらを買ったつもりだったかは、たぶん人によって違いました。ヨーロッパの読者と日本の読者では、なおさらです。

あなたが「おまけのほう」ばかり遊んでしまったゲームは、何でしたか。

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