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関連エッセイ
アストロノーカ(1998) — 同じ罠は二度と効かない敵と、20年遅れで届いた評価
連載「今日は発売日」第40回は『アストロノーカ』。1998年8月27日にエニックスからプレイステーション用として発売されました。価格は6,800円、開発はムームーとシステムサコム、ゲームデザインとAIは森川幸人さんです。宇宙で野菜を育て、交配マシンで重さや模様や風味を変えながらコンクールでの優勝を目指す一方、畑を荒らす害獣「バブー」をトラップで迎え撃ちます。特徴は、そのバブーが同じトラップに何度も掛かると順応して進化することです。落とし穴に落ち続ければ脚力が鍛えられ、羽が生えることもある。裏側では遺伝的アルゴリズムが動き、画面には1日1匹しか出てきませんが、内部では最低10世代ほどの世代交代を経た最優秀個体が選ばれています。進化が止まると突然変異の確率が上がる仕組みもありました。ところが当時の反響は静かで、森川さんは「こんなにAIがきちんと機能しているのに誰も評価してくれない!」とショックを受けたと後年語っています。評価が追いついたのは20年後。2019年の20周年イベントでAI研究者の三宅陽一郎さんは、本作を「遺伝的アルゴリズムを使った世界一のゲーム」と呼びました。
エコー・ザ・ドルフィン2(1994) — 「前作より易しい」と「前作よりずっと難しい」が同時に書かれた一本
連載「今日は発売日」第39回は『エコー・ザ・ドルフィン2』。1994年8月26日にセガからメガドライブ用として発売されました。価格は6,800円、型番はG-4123、容量は16メガビットです。前作は1993年7月30日発売で、1年と1か月ほどでの続編でした。イルカのエコーを泳がせ、音で周りを探る遊びは前作どおり。今作では多方向に音を飛ばす「パルサー」と、カモメやクラゲやサメに変身する「メタスフィア」が加わり、輪をくぐって奥へ進む擬似3Dの面も入りました。開発はハンガリーのノヴォトレード・インターナショナル、箱の絵はボリス・バレホです。当時の評価は難易度で割れました。『Electronic Gaming Monthly』はメガドライブ版に7.25点(10点満点)を付け、4人のうち2人が前作よりずっと難しいと書き、『GamePro』は逆に遊びやすくなったと評しています。『Next Generation』は5点満点で3点。ゲームギア版はEGMで6.5点、セガCD版は7.6点でした。面白いことに、この割れ方は32年たった今の日本語の紹介にもそのまま残っています。
バットマン アーカム・アサイラム(2009) — 「原作つきゲームは外れ」という常識が終わった日
連載「今日は発売日」第38回は『バットマン アーカム・アサイラム』。2009年8月25日に北米で、8月28日にヨーロッパで、9月3日にオーストラリアで発売されました。開発はイギリスのロックステディ・スタジオ、発売はエイドス・インタラクティブとワーナー・ブラザース・インタラクティブ・エンターテイメント。プレイステーション3とXbox 360が先で、Windows版は北米で9月15日でした。舞台はアーカム精神病院ひとつだけ。道具を手に入れるまで入れない場所があり、作りはゼルダとメトロイドを手本にしています。捜査モードで壁越しに敵が見え、リドラーの収集物は240個。評価は高く、Metacriticの平均はXbox 360版92点、PS3版とWindows版が91点。IGNは9.3点、Game Informerは9.5点、Edgeは8点。ギネス世界記録に「最も高く評価されたスーパーヒーローゲーム」として平均91.67点で載りました。売上は北米の集計5日で約59万3千本、3週間で世界200万本近く、2011年10月時点で430万本。日本語版は2010年1月14日にスクウェア・エニックスから7,980円(税込)で発売され、GAME Watchは「『原作付ゲーム』のお手本のような作品」と書いています。
マフィアII(2010) — 街はここまで作れるのに、できることは少なかった
連載「今日は発売日」第37回は『マフィアII』。2010年8月24日に北米で、8月27日にほかの地域で発売されました。開発はチェコの2K Czech、発売は2K Games。プレイステーション3、Xbox 360、Windows向けです。舞台は架空の街エンパイア・ベイ、時代は1945年から1951年、主人公は戦争帰りのヴィト・スカレッタ。シリーズ1作目の2002年から8年が空き、エンジンもLS3DからIllusion Engineへ作り直されました。ラジオ3局で当時の実在曲が流れ、PC版はNVIDIAのPhysXで布や破壊を見せます。評価は割れました。Metacriticの平均はPC・PS3版が75点、Xbox 360版が74点。Game Informerは9点、GameSpotは8.5点、IGNは7点、Eurogamerは4点。日本のGAME Watchも「こんなに美しい、こんなに広大なのに、できることは非常に少ない」と書いています。発売後は切られた中身も話題になり、デザイナーのDaniel Vávraはシチリア編が丸ごと消えたことを認めました。日本語版は同年11月にテイクツー・インタラクティブ・ジャパンから7,140円で発売されています。
3Dレミングス(1996) — 名作パズルを立体にしたら、カメラと戦うゲームになった
連載「今日は発売日」第36回は『3Dレミングス』。1996年8月23日、セガサターン用としてイマジニアから6,800円で発売されました(型番T-15013G)。原作の『レミングス』は1991年2月14日にAmigaで出たDMA Design開発・Psygnosis発売の横視点パズル。3D化を担当したのはイギリスのClockwork Gamesで、シリーズで初めてDMA Designが関わらない作品になりました。プレイヤーは4台のカメラを動かして立体の盤面を見渡し、レミングス1匹の目線に入る「ヴァーチャル・レミングス」も使えます。新しい役割は進路を左右90度に曲げる「ターナー」。本編はFun/Tricky/Taxing/Mayhemの4段階に20面ずつの計80面、ほかに練習用20面。評価は割れました。Electronic Gaming Monthlyはプレイステーション版に10点満点で8点、PC Gamer USは1995年のBest Puzzle Gameに選出。一方GamePro は3D視点の混乱と操作の悪さを指摘し、英Sega Saturn MagazineのRob Allsetterも「残り一瞬でカメラを動かしている自分に気づく」と書いています。ほめる側もけなす側も、見ていたのは同じカメラでした。日本ではサターン版が先で、プレイステーション版は1996年11月8日にソニー・コンピュータエンタテインメントから5,800円。シリーズはこのあと2000年の『Lemmings Revolution』で2Dのステージ構成に戻ります。
クロノ・トリガー(1995) — 北米で絶賛され、29万本だった夏
連載「今日は発売日」第35回は『クロノ・トリガー』。日本では1995年3月11日にスーパーファミコンで発売され、北米版が出たのは同じ年の8月22日でした。作ったのは坂口博信・堀井雄二・鳥山明の「ドリームチーム」。時代の違う世界を行き来し、過去に手を入れると未来の風景が変わるRPGで、敵がマップに見えたまま戦闘が始まる作りや、12通りの結末、強さを引き継いで遊び直せる仕組みが話題になりました。評価は高く、Electronic Gaming Monthlyは A、GamePro は5点満点、Next Generation は4点、ファミ通のクロスレビューは34点。Nintendo Power は「革命的」と紹介しています。ところが売上は対照的で、2003年8月のスクウェア・エニックスの資料では日本236万本に対し海外29万本、合計265万本のうち海外はおよそ1割でした。ヨーロッパではスーパーファミコン版が発売されず、初の正式版は2009年のニンテンドーDS版。北米発売の18日後にはプレイステーションが北米で発売され、16ビット機の時代が終わろうとしていました。2018年2月27日にはSteam版が登場しています。
ドラゴンボール ファイナルバウト(1997) — 日本で24万本、海外で「PSで最悪の格闘ゲーム」
連載「今日は発売日」第34回は『ドラゴンボール ファイナルバウト』。1997年8月21日、バンダイがプレイステーション向けに発売しました(5,800円、型番SLPS-00949、開発はトーセ)。シリーズで初めて全体を3Dにした格闘ゲームで、相手を吹き飛ばしてタイミング入力で追撃をつなぐ「メテオスマッシュ」と、ビームの押し合いが目玉。使えるのは18人ですが、そのうち6人は悟空の別形態でした。英語圏の受け止め方は厳しく、GameRankingsの集計は50.00%。Next Generation誌の1998年3月号は「プレイステーションで作られた格闘ゲームの中で議論の余地なく最悪」と書き、IGNは「おもちゃを買ったほうがいい。少なくともそっちのほうが操作できる」と結びました。一方でElectronic Gaming Monthlyの1997年12月号は4人の評者で意見が割れ、Sushi-Xは「達人向けのゲーム」と評価しています。売れた数は日本245,000本、北米19,564本(初回生産は約1万本)、合計264,564本。オープニングアニメは東映アニメーションに発注され、音楽は山本健司、影山ヒロノブが4曲を歌いました。1998年7月23日には廉価版が出て、その後プレイステーションのドラゴンボールは2002年の『Budokai』(PS2)まで空きます。
サモンナイト クラフトソード物語2(2004) — 自分で打った剣が、戦っている途中で壊れる
連載「今日は発売日」第33回は『サモンナイト クラフトソード物語2』。2004年8月20日、バンプレストがゲームボーイアドバンス向けに発売しました(ファミ通の発売スケジュールでは5800円・税抜表記)。開発はフライト・プラン。主人公が目指すのは召喚師ではなく鍛冶職人=マイスターで、シェイプストーンで剣・斧・槍・ナックル・ドリルといった武器を打ち、鉱石や素材を打ち込んで性能を足していきます。戦闘は2Dの横視点でリアルタイム、武器は3本まで持ち込んで戦闘中に持ち替え可能。ただし武器には耐久値があり、ゼロになると壊れて鍛冶場で修理するまで使えません(修理ができるようになったのはこの2作目からです)。ファミ通のクロスレビューは8・10・8・8の合計34/40。北米版はアトラスから2006年10月17日、日本では同年2月2日にバリューセレクションの廉価版が出ています。英語圏の採点はMetacriticで10件平均79点、IGN85点、GameSpot73点、GameSpy70点と幅があり、RPGFanのPatrick Gann(2006年12月11日)は86%をつけて「グラフィック面ではGBAの2Dゲームで間違いなく最高」と書きつつ、サウンドの半分以上が前作からの流用であることを指摘しました。
幻想水滸伝IV(2004) — シリーズが海へ出て、「船旅が退屈」と書かれた日
連載「今日は発売日」第32回は『幻想水滸伝IV』。2004年8月19日、コナミがPlayStation 2向けに6,980円(税別)で発売しました。開発はコナミコンピュータエンタテインメント東京。初代の約150年前を描き、舞台は大陸ではなく海に浮かぶ島々。主人公はラズリル島の若い騎士で、使うたびに宿主の生命を削る「罰の紋章」を継いだうえ、上官グレンの死の責を負わされて島を追われます。船が拠点になり、108人の仲間集めも海の上で行われました。ファミ通のクロスレビューは8・7・8・7の合計30/40でシルバー殿堂入り。国内の売れ行きは2004年のうちに303,069本で、前作『III』の377,729本には届きませんでした。北米発売は2005年1月11日、GameSpotのレビューは6.7点で、短所の欄には「航海に費やす時間は退屈で、しかも航海がとても多い」と書かれています。
Wolfenstein(2009) — 採点がひとつも出ていない状態で棚に並んだ日
連載「今日は発売日」第31回は『Wolfenstein』。2009年8月18日、Activisionが北米でWindows・PlayStation 3・Xbox 360向けに発売しました(オーストラリアは8月19日、ヨーロッパは8月21日)。開発はRaven Software、エンジンはid Softwareのid Tech 4を拡張したもの。第二次世界大戦下のドイツの町を拠点に、「ヴェイル」と呼ばれる別次元との境目を押し開けて時間を遅くしたり見えないものを見たりしながら戦うFPSです。奇妙なのは当日の様子で、発売日の8月18日にTechCrunchが書いたのは作品の評ではなく「レビューが見つからない」という記事でした。数日後に出そろった評はGameSpotが7.5/10、Game Informerが7.25/10、Edge(PS3版)が5/10と大きく散らばり、売れ行きは1か月で約10万本。Activisionはその後Raven Softwareで人員削減を行い、この一本はActivisionが出した最後の『Wolfenstein』になりました。
エアー・フォートレス(1987) — シューティングの続きを、要塞の中を歩いて解く
連載「今日は発売日」第30回は『エアー・フォートレス』。1987年8月17日、ハル研究所が自社ブランドでファミコン用に発売した5,300円のソフトです。前半は要塞のエアロックを目指す横スクロールシューティング、後半はその要塞の内部をジェットパックで歩き、中枢のコアを壊して脱出するアクション。前半で集めたエネルギーやアイテムをそのまま後半に持ち越す設計で、内部パートではショットもボムも撃つたびに反動で後ろへ押される——つまり逆向きに撃てば速く飛べる、という無重力のような操作が最大の癖でした。北米版はHAL Americaから1989年9月に発売され、Nintendo Power、VideoGames & Computer Entertainment、Computer Entertainer、ドイツのPlay Timeがそれぞれ評を残しています。そしてこのソフトを出したハル研究所は、5年後の1992年6月22日に和議を申請することになります。
ソウル・リーバー(1999) — 世界を二枚重ねにしたアクションアドベンチャー
連載「今日は発売日」第29回は『レガシー・オブ・ケイン ソウル・リーバー』。1999年8月16日にEidos Interactiveが北米で発売した、Crystal Dynamics開発のPlayStation用アクションアドベンチャーです。主人公ラジエルは実体界と幽体界を自在に行き来でき、切り替えると地形そのものが歪む——この一つの仕掛けが、戦闘にも移動にもブロックパズルにも全部効いていました。Metacritic 91点、GameSpotとIGNの両方でEditors' Choice、IGNは9.3点。2001年までに全世界140万本を超え、シリーズで初めてSonyのGreatest Hitsに入りました。一方、日本ではPlayStation版がカプコンから発売予定だったものの中止となり、家庭用機に届いたのは2025年7月10日のリマスター版でした。
クロノ・クロス(2000) — 並行世界の物語が、もう一つの世界に届いた日
連載「今日は発売日」第28回は『クロノ・クロス』。日本では1999年11月18日にスクウェアが発売したPlayStation用RPGで、北米版が出たのが2000年8月15日、今日でちょうど26年になります。ホームワールドとアナザーワールドという二つの並行世界を往復し、40人を超える仲間を集める作品でした。ファミ通は36/40、北米ではGameSpotが満点10点を付け、2000年のコンソール・ゲーム・オブ・ザ・イヤーに選出。IGNは9.7。一方で『クロノ・トリガー』の直接の続編を期待した人たちからは戸惑いの声も上がりました。2003年までに全世界150万本出荷(日本85万・海外65万)。ヨーロッパにはこのとき届かず、初上陸は2022年のリマスター版まで待つことになります。
マッデンNFL 08(2007) — タイムズスクエアが年越しみたいに騒いだ発売日
連載「今日は発売日」第27回は『Madden NFL 08』。2007年8月14日、EAが北米で発売したアメリカンフットボールゲームで、シリーズ18作目にあたります。前夜のタイムズスクエアでは年越しのボール・ドロップを再現したカウントダウンイベントまで開かれました。米国での初週販売は約180万本・売上約1億ドル。一方でXbox 360版が60fps、PS3版が30fpsという差が大きな論争になり、初週の販売本数は360版がPS3版の4倍以上に。そして本作は、北米で発売されたゲームキューブ用ソフトの最後の一本として記録に残っています。今日でちょうど19年です。
デスクリムゾン(1996) — 「せっかくだから」から30年
連載「今日は発売日」第26回は『デスクリムゾン』。1996年8月9日、エコールソフトウェアがセガサターン用ソフトとして発売した「暗黒」ガンシューティングです。ファミ通クロスレビュー13点、セガサターンマガジン読者レースでは297本中297位という記録的な低評価を受けながら、「せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!」の一言でゲームファンの流行語を生み、シリーズ化されました。今日でちょうど30年。2026年の30周年に合わせて、あの台詞の意味がついに明かされています。
ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル(2003) — GBAを4台持ち寄った夏
連載「今日は発売日」第25回は『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』。2003年8月8日、ニンテンドー ゲームキューブ用ソフトとして発売されました。据え置きの任天堂ハードに載る『FF』は1994年の『FFVI』以来9年ぶり、そしてスクウェア・エニックス合併後に出た最初のオリジナル『FF』。人数分のゲームボーイアドバンスを持ち寄る4人プレイは賛否を呼びつつ、第7回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門の大賞を受賞しました。今日でちょうど23年です。
がんばれゴエモン〜ネオ桃山幕府のおどり〜(1997) — 日本全土を舞台に変えられた夏
連載「今日は発売日」第24回は、コナミが1997年8月7日にNINTENDO 64へ送り出した『がんばれゴエモン〜ネオ桃山幕府のおどり〜』。1986年に始まったシリーズが初めて3Dになった一本で、開発中は『がんばれゴエモン5』の仮題で誌面に出ていました。舞台は北海道と九州を除く日本全土。ゴエモン・エビス丸・サスケ・ヤエを切り替えて進み、節目には巨大ロボのゴエモンインパクトが立ち上がります。オープニングは影山ヒロノブ、インパクト戦の挿入歌は水木一郎。発売前のプレビューでは「出来のよくないマリオの模倣」と書かれ、『ファミ通』のクロスレビューでは4人合計28点。翌1998年に海を渡ると、英『N64 Magazine』の90%とGameSpotの6.7点に評価が割れました。今日でちょうど29年です。
聖剣伝説2(1993) — 中止になったCD-ROMの企画から立ち上がったアクションRPG
連載「今日は発売日」第23回は、スクウェアが1993年8月6日にスーパーファミコンへ送り出した『聖剣伝説2』。国外題は『Secret of Mana』。前作『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』はFFの外伝でしたが、本作から独立した世界観になりました。もともとは中止になったもう一つの『ファイナルファンタジーIV』の原案で、スーパーファミコン専用CD-ROMシステム用として作り直され、アダプタが世に出なかったためカートリッジ用に組み直された——という出自を持ちます。コマンド式ではない「モーションバトル」、ナーシャ・ジベリが開発したリングコマンド、菊田裕樹の初コンポーザー作。『ファミコン通信』のクロスレビューでゴールド殿堂を獲得し、国内売上は約150万本と伝えられています。今日でちょうど33年。
スーパーマリオ ヨッシーアイランド(1995) — スーパードンキーコングの「真逆」を選んだ手描き
連載「今日は発売日」第22回は、任天堂が1995年8月5日にスーパーファミコンへ送り出した『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』。赤ちゃんを背負ったヨッシーが舌とタマゴで進む横スクロールアクションで、ヨッシーシリーズの1作目にあたります。前年11月に出た『スーパードンキーコング』の3DCGに社内から「うちもCGでは」という声が上がったものの、開発が進みすぎていて入れられず、開発陣は逆に手描き風という「真逆の作風」を選びました。ファミコン通信のクロスレビューは9・9・8・7の33点(40点満点)でゴールド殿堂、ファミマガのゲーム通信簿は24.8点(30点満点)。今日でちょうど31年。
学校であった怖い話(1995) — 「学校の怪談」ではない、と作者が言い続けた一本
連載「今日は発売日」第21回は、バンプレストが1995年8月4日にスーパーファミコンへ送り出したサウンドノベル『学校であった怖い話』。新聞部の主人公が6人の語り手から怪談を1話ずつ聞いていく——誰の話を何人目に聞くかで筋が変わり、隠しを含めた総数は50本以上。実写取り込みを背景だけでなく登場人物にも使った作品として知られています。ファミコン通信クロスレビューは8・6・6・5の25点(40点満点)、ファミマガのゲーム通信簿は22.3点(30点満点)。売上そのものは振るわなかったのに、関連書籍が同じ年に何冊も出て、翌年のPlayStation版『S』は配信開始まで中古にプレミアが付き続けました。今日でちょうど31年。
真・三國無双(2000) — 初回出荷10万本未満から始まった「一騎当千」
連載「今日は発売日」第20回は、コーエーが2000年8月3日にPlayStation 2へ送り出した『真・三國無双』。海外題は『Dynasty Warriors 2』——数字が2から始まるのは、前作『三國無双』が1対1の対戦型格闘ゲームだったからです。格闘からアクションへ舵を切った理由も、PlayStation 2の仕様書を見て「戦場そのものを再現できるのでは」と考えたところにありました。ところが前評判はなく、初回出荷は10万本にも届かず、同社のローンチタイトル『決戦』の陰に隠れます。そこから口コミで伸びていった経緯と、ファミ通31点・Metacritic 75点という当時の受け止め方を、実際の映像とあわせて振り返ります。今日でちょうど26年。
トバルNo.1(1996) — スクウェアがPlayStationに置いた最初の一枚
連載「今日は発売日」第19回は、スクウェアが1996年8月2日にPlayStationへ送り出した3D対戦格闘『トバルNo.1』。同社のPlayStation参入第1弾であり、開発は『バーチャファイター』『鉄拳』の主要スタッフが集まって設立したドリームファクトリー、キャラクターデザインは鳥山明。攻撃をパンチ・キックではなく上段/中段/下段という「属性」で捉える3ボタン制と、柔道の組み手のような「つかみ」が土台にあります。初回版には翌年発売予定だった『ファイナルファンタジーVII』の体験版ディスク「SQUARE'S PREVIEW」が付属し、当時の話題はむしろそちらに集まりました。ローグライク風の「クエストモード」を含め、本編の評価が後追いで語られ続けている一本です。今日でちょうど30年。
ロックマンX4(1997) — ゼロが「選べる主人公」になった日
連載「今日は発売日」第18回は、カプコンが1997年8月1日にPlayStationとセガサターンへ同時発売した『ロックマンX4』。ロックマンXシリーズ第4作にして「ロックマン」10周年記念作品の第3弾で、スーパーファミコンから32ビット機へ移ったことでアニメカットシーン(制作はXEBEC、のちのProduction I.G)とキャラクターボイスが入りました。最大の変更は「ダブルヒーロー制」——開始時にエックスとゼロのどちらかを選ぶと、あとは変更できません。ゼロの主武装はバスターから近接のゼットセイバーへ変わり、この手触りが後のシリーズに強く影響します。同じ1997年8月1日には、オープニングテーマを歌う仲間由紀恵の4thシングルも発売されました。29年後の今日、本作は『ロックマンX アニバーサリー コレクション』に収録され、2025年10月にはアイリスのプラモデル化が発表されています。
リズム天国ゴールド(2008) — ニンテンドーDSを縦に持ち替えさせた「ノリ感ゲーム♪」
連載「今日は発売日」第17回は、任天堂が2008年7月31日にニンテンドーDS向けに発売した『リズム天国ゴールド』。公称ジャンルは「音楽ゲーム」ではなく「ノリ感ゲーム♪」。DS本体を横ではなく縦に持ち替え、タッチペンで画面を叩く・はじく・こする——操作はそれだけで、全10ステージ×各4種類、合計40種類のリズムゲームを渡り歩きます。前作はゲームボーイアドバンス用『リズム天国』(2006年8月3日)で、本作でも続けてシャ乱Qのつんく♂が楽曲をプロデュース。『週刊ファミ通』のクロスレビューではゴールド殿堂入り。そして2009年1月、1996年の『パラッパラッパー』が12年間保持していた音楽ゲームの販売記録を塗り替え、国内190万本規模まで伸びました。18年後の今日はというと、シリーズ最新作『リズム天国 ミラクルスターズ』が2026年7月2日にNintendo Switchで発売され、初週39万本で首位に立ったばかりです。
シーマン ~禁断のペット~(1999) — 口の悪い人面魚が、ドリームキャストで一番売れたソフトになった日
連載「今日は発売日」第16回は、セガがドリームキャスト向けに発売した育成シミュレーション『シーマン ~禁断のペット~』。発売日は1999年7月29日、開発はビバリウム、価格は6,800円。コントローラーにマイクデバイスを差し、水槽の中の人面魚に話しかけて一か月ほど育てます。呼べば来て、こちらの年齢や職業を覚え、そのうえで実に失礼な口をきく。ファミ通クロスレビューは9・7・7・6の29点で、孵化の瞬間のインパクトを賞賛しつつ「ある意味踏絵」「問題作」と好き嫌いの分かれる一本だと書きました。それでも売り上げは40万本前後に達し、ドリームキャストで最も売れたソフトになります。第3回文化庁メディア芸術祭優秀賞、第1回Game Developers Choice Awardsのキャラクター大賞など受賞も相次ぎました。
押忍!闘え!応援団(2005) — 売れ行きに苦戦した音ゲーが、輸入されて世界に届いた日
連載「今日は発売日」第15回は、任天堂がニンテンドーDS向けに発売したリズムアクション『押忍!闘え!応援団』。発売日は2005年7月28日、開発はイニス。困っている人が「おうえんだ~ん!」と叫ぶと学ラン姿の応援団が駆けつけ、プレイヤーは下画面のマーカーをタッチペンで叩き、なぞり、回して気合いを送ります。上画面ではマンガ調のストーリーが進み、応援の出来しだいで途中経過も結末も変わる全15ステージ。J-POPのカバー曲に乗せて、浪人生から腹痛のバイオリニスト、巨大隕石に狙われた地球までを応援します。発売直後は売り上げで苦戦しましたが、口コミで評判が広がり、日本語版を輸入してまで遊ぶプレイヤーが国外に現れ、2006年には海外向けの『Elite Beat Agents』、2007年には続編が作られました。本作に着想を得たPC向けの『osu!』も2007年に登場しています。
ドクターマリオ(1990) — マリオが白衣を着て、ファミコンとゲームボーイに同時にやってきた日
連載「今日は発売日」第14回は、任天堂の落ち物パズル『ドクターマリオ』。ファミリーコンピュータ版とゲームボーイ版が同時に発売されたのは1990年7月27日です。マリオが医師に扮し、ビンの中に繁殖した3色のウイルスを2個1組のカプセルで退治します。縦か横に同色4つ以上で消えるシンプルなルールに、スピード3段階×レベル21段階の調整幅、FEVERとCHILLの2曲のBGM。ファミ通クロスレビューでは両機種とも31点(40点満点)でシルバー殿堂入りし、国内出荷はFC・GB合計約361万本。雑誌の特集やテレビ番組での対戦放送も手伝って、当時としては珍しく主婦層まで人気が広がりました。FC版は2018年から、GB版も2024年からNintendo Switch Onlineで配信中で、今もそのまま遊べます。
ソニック・ザ・ヘッジホッグ(1991) — セガがマリオに挑むために放った、音速の青いハリネズミ
連載「今日は発売日」第13回は、セガ・エンタープライゼス(現・セガ)が開発・発売したメガドライブ用アクション『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』。日本でメガドライブ版が店頭に並んだのは1991年7月26日です。任天堂のマリオに対抗できる新しいマスコットを——という社内公募から生まれた一本で、開発は1990年に始まりました。全7ゾーン(最終ゾーンを除き各3アクト)を、坂を駆け下りる爽快感とループを描く高速アクションで駆け抜けます。海外(ジェネシス)では一足先に1991年6月23日に本体同梱で発売され、北米・欧州で爆発的にヒット。全世界で1500万本以上を売り上げ、ソニックはマリオに並ぶセガの「顔」になりました。日本での発売直後の反応は海外ほど大きくはなかったものの、その後シリーズは長寿化。2018年にはNintendo Switchの「SEGA AGES」、2022年には『ソニックオリジンズ』で復刻され、今も遊べます。
ザ・キング・オブ・ファイターズ'95(1995) — 八神庵が現れ、「チーム編集」が始まった日
連載「今日は発売日」第12回は、SNKが開発・発売したネオジオ(アーケード/MVS)用の対戦格闘『ザ・キング・オブ・ファイターズ'95』。1995年7月25日にアーケードで稼働を始めました。前年の『KOF'94』で始まった「別作品の主役たちが3対3で戦う」お祭りを受け継ぎつつ、今作から自分の好きな3人でチームを組める「チームエディット」を初めて搭載。そして主人公・草薙京のライバルとして八神庵が初登場します。前作とともにシリーズ最初の黄金期を築いたヒット作で、庵の人気は作品の枠を超えて広がりました。1995年のうちに家庭用ネオジオへ、1996年にはPlayStation・セガサターンにも移植。2022年にはハムスターのACA NEOGEOとして各機種に復刻されています。
サンダーフォースIV(1992) — メガドライブが16ビットの限界を見せつけた日
連載「今日は発売日」第11回は、テクノソフトが開発・発売したメガドライブ用横スクロールシューティング『サンダーフォースIV』。1992年7月24日発売、シリーズ第4作でメガドライブ向けとしては最後の一本です。緻密な多重スクロールと巨大なスプライト、FM音源で歪ませたエレキギター風のBGMで「16ビットの限界を見せつけた」と評され、発売時から「メガドライブ最高のシューティング」の一角に数えられました。海外では翌1993年に『Lightening Force: Quest for the Darkstar』の名で発売。2018年にはSEGA AGESとしてNintendo Switchで復刻されています。
第3次スーパーロボット大戦(1993) — シリーズ終了の危機を、雑誌とクチコミが救った夏
連載「今日は発売日」第10回は『第3次スーパーロボット大戦』。1993年7月23日、バンプレストがスーパーファミコン用に発売したシミュレーションRPG(開発はウィンキーソフト、9,800円)です。パイロット能力値とユニット改造が本作で初めて導入され、乗り換えシステムも初実装——のちに30年以上続くシリーズの土台が、この一本で据えられました。一方で発売直後の売れ行きは振るわず、シリーズ終了が持ちかけられたと伝えられています。それを覆したのはゲーム雑誌の熱のこもった記事とクチコミでした。初期出荷約10万本から最終出荷25万本へ、中古価格が定価を上回るほどの人気に転じた逆転劇を掘り返します。
パルスマン(1994) — ポケモンを作る前夜、ゲームフリークが放った電気の少年
連載「今日は発売日」第9回はゲームフリークが開発しセガが発売した『パルスマン』。1994年7月22日発売のメガドライブ用アクションで、ディレクションは杉森建と田尻智、音楽は増田順一——のちにポケモンを作る面々が集まった一本です。電気をためて跳ね回る独自アクションと、メガドライブ屈指の美しいグラフィックが持ち味。日本国内のみの発売(海外は翌1995年にSega Channel配信のみ)で当時は静かな存在でしたが、Wiiバーチャルコンソール(2007/2009)やNintendo Classics(2023)で再評価されました。必殺技「ボルテッカー」は、のちにピカチュウの技名として受け継がれています。
マリオテニス64(2000) — ワルイージがゲーム史に初登場した日
連載「今日は発売日」第8回は任天堂の『マリオテニス64』。2000年7月21日発売のNINTENDO64用テニスゲームで、開発は『マリオゴルフ64』のキャメロット。ワリオのダブルスの相方として新造された「ワルイージ」が初登場した一本でもあります。海外レビュー集計Metacriticでは91点の絶賛区分、国内でも発売2週間で20万本以上を売り上げ、GameSpotの年間ベストN64ソフトでは『パーフェクトダーク』に次ぐ次点。いまもNintendo Switch Onlineの棚に現役で並んでいます。
ヒットラーの復活 トップシークレット(1988) — ジャンプを捨てたアクションが生まれた日
連載「今日は発売日」第7回はカプコンの『ヒットラーの復活 トップシークレット』。1988年7月20日に発売されたファミコン用アクションで、主人公はジャンプができず、腕から伸びるワイヤーだけで崖を越え天井を渡ります。ファミコン通信クロスレビューは26点、国内の売れ行きは振るわなかったものの、同年12月に海外で出たNES版『バイオニックコマンドー』はNintendo Power誌の表紙を飾り、後年の名作ランキング常連に。国内と海外で別々の顔を持つことになった一本です。
ファイナルファンタジーIV(1991) — 戦闘に「時間」が流れはじめた日
連載「今日は発売日」第6回はスクウェアの『ファイナルファンタジーIV』。1991年7月19日、シリーズ初のスーパーファミコン用ソフトとして発売され、コマンドを選んでいる間にも敵が動く「アクティブタイムバトル(ATB)」を初めて搭載しました。ファミ通クロスレビューではプラチナ殿堂入り。一方で「難しすぎる」という声は、3か月後の『イージータイプ』発売という形で記録に残っています。今日でちょうど35年——そして10年後の同じ7月19日にはFFXが発売された、シリーズにとって特別な日付です。
ボクらの太陽(2003) — 本物の太陽をカートリッジに入れた夏
連載「今日は発売日」第5回はコナミの『ボクらの太陽』。2003年7月17日、カートリッジに太陽センサーを内蔵し、本物の太陽光を武器のエネルギーにしてしまったGBAの「太陽アクションRPG」です。監督・プロデュースは小島秀夫氏。プレイヤーを屋外へ連れ出した異色作は、しかし記録的な冷夏の年に発売されるという皮肉な巡り合わせも背負っていました。今日でちょうど23年です。
ヘクター'87(1987) — 夏の大会のために生まれたシューティング
連載「今日は発売日」第4回はハドソンの『ヘクター'87』。1987年7月16日、夏休みに全国を巡るゲーム大会「第3回TDK全国ファミコンキャラバン」の公式ソフトとして生まれた、縦横交互スクロールのシューティングです。ライフ制と大会同仕様の2分間/5分間モードを備え、誌面評価はファミコン通信クロスレビュー29点。発売日そのものが夏の大会から逆算されていた一本。今日でちょうど39年です。
ドンキーコング(1983) — ファミコンが生まれた日に、いっしょに並んだ一本
連載「今日は発売日」第3回はファミコン版『ドンキーコング』。1983年7月15日、ファミリーコンピュータ本体(14,800円)とともに店頭に並んだローンチタイトル3本のうちの1本です。アーケードの大ヒット作が居間のテレビへ。同じ日にセガのSG-1000も発売され、のちに「ゲーム機戦争」と呼ばれる時代がこの日いっせいに始まりました。今日でちょうど43年です。
マリオペイント(1992) — マウスがテレビ画面にやってきた日
連載「今日は発売日」第2回はスーパーファミコン用『マリオペイント』。1992年7月14日、スーパーファミコン初のマウス専用ソフトとしてマウス同梱で発売されました。お絵かき・作曲・アニメ・ハエたたき。ファミ通クロスレビュー35点でプラチナ殿堂入り。そして2025年7月、Nintendo Classicsにマウス操作対応のまま帰ってきました。
ペルソナ3(2006) — スタイリッシュな路線変更でシリーズを変えた日
毎日、ちょうどその日(月日)に発売されたレトロゲームを掘り出す新連載「今日は発売日」。第1回はプレイステーション2用『ペルソナ3』。2006年7月13日発売、当時はスタイリッシュな路線変更にファンが驚き、ファン層を大きく広げた作品。そして今日はちょうど発売20周年で、開発元のアトラス自身が新編曲のお祝い動画を公開していました。







































