BLOG · 2026-07-31
リズム天国ゴールド(2008) — ニンテンドーDSを縦に持ち替えさせた「ノリ感ゲーム♪」
今日は発売日 #17 — 2008年7月31日、タッチペンで叩く・はじく・こするだけの40曲
2008年7月31日、任天堂がDSを縦に持ち替えさせた日
こんにちは、Tokiです。連載「今日は発売日」第17回。今日掘り出したのは、ニンテンドーDS用の『リズム天国ゴールド』。任天堂がこれを店頭に並べたのは2008年7月31日、平成20年の夏です。今日でちょうど18年になります。
公称ジャンルは「音楽ゲーム」ではありません。パッケージに書かれていたのは「ノリ感ゲーム♪」。遊ぶ内容も一行で済みます——流れている曲のリズムに合わせて、タッチペンで画面を叩く、はじく、こする。それだけ。ただし構え方が変わります。DS本体を横ではなく縦に持ち、本を読むように立てて持つのです。タイトル画面には利き手に合わせた「右キキ」「左キキ」の切り替えまで用意されていました。
YouTube動画「リズム天国ゴールド CM 15」のサムネイルより
巡り合わせも書き留めておきます。シリーズ第1作『リズム天国』はゲームボーイアドバンス用で、発売は2006年8月3日。つまり本作は、ほぼ2年後の同じ夏に出た続編でした。そしてもうひとつ——年号を並べるのが好きなので書かせてください——同じ7月31日には1989年、北米でゲームボーイが『テトリス』を同梱して発売されています。任天堂の携帯機の歴史の中で、7月31日は二度、手のひらの中に「拍」を持ち込んだ日でした。
叩く・はじく・こする、その3つで40種類
操作はタッチペンだけです。チョンと触る、はじく、こする。この3種類で全10ステージ×各4種類、合計40種類のリズムゲームを渡り歩きます。各ステージの最後には「リミックス」が控えていて、そのステージで覚えた遊びを一曲の中に混ぜて次々に切り替えてきます。最後の「10thリミックス」は、それまでに出てきたゲームをほぼ全部メドレーでつなぐ26連戦です。
並んでいる題材が独特でした。ベルトコンベアで流れてくるパーツを音階の5番目で弾く「組み立て」。3人目のコーラス隊員になって声を出したり口を閉じたりする「コーラスメン」。ロボットに燃料を注ぐ「ロボット工場」。アイドルのファンのサルになって手拍子とジャンプを合わせる「アイドル」。モアイ像同士でフレーズを真似合う「モアイソング」。飛んでくる野菜を切る「犬忍者」。卓球のラリーを続ける「ピンポン」。ステージ7以降は同じゲームの難易度上昇版が並び、テンポが上がったり、裏拍の裏で入れさせられたり、画面が暗転して音だけが頼りになったりします。
結果は「やりなおし」「平凡」「ハイレベル」の3段階で、「平凡」以上でクリア。成績に応じて「ノリ感」という数値(最大140)が上下します。面白いのは救済のつくりです。「やりなおし」でも良かった箇所があればそこを褒めて「いいトコあるヨ!ガンバッて!」と励ましてくれる。何度やっても抜けられないときは「喫茶店」に行くと、そのゲームを飛ばしてくれる。判定はかなり厳しいのに、遊ぶ側を締め出さない設計でした。
音楽は前作に引き続き、シャ乱Qのつんく♂がプロデュースと楽曲提供を担当。つんく♂プロデュースのキャナァーリ倶楽部やTHE ポッシボーが歌うオリジナル曲がそのままリズムゲームの譜面になっており、一部のリズムゲームとシステム部分のBGMは任天堂の米政美が書いています。「ハイレベル」で貯まるメダルを使うと、終わりのないボーナスゲーム、触って音を出すだけの「リズムおもちゃ」、そしてL/Rボタンでチョーキングまでやらせる「ギターレッスン」が開きました。音ゲーの外側に、楽器の練習台がくっついていたわけです。
ゴールド殿堂入り、そして12年ぶりに動いた記録
当時の評価から。『週刊ファミ通』のクロスレビューでは、合計32〜34点の作品に与えられる「ゴールド殿堂」入りソフトに認定されています。つまり発売当時の誌面評価としては、上位の区分に置かれた一本でした。
そして売り上げです。国内の販売本数は190万本規模と記録されています。注目すべきはその伸び方で、2009年1月26日、ITmediaは「止まらない『リズム天国ゴールド』、12年ぶりに音ゲー売上最高記録を塗り替える」と報じました。それまで音楽ゲームの国内販売記録を持っていたのは1996年の『パラッパラッパー』。12年間動かなかった数字が、発売から半年ほど売れ続けたニンテンドーDSの一本によって書き換えられたわけです。発売週に一気に売って終わる型ではなく、じわじわ積み上げる型のヒットでした。
遊ばれ方の面でも、この作品は少し変わった位置にいます。判定はシビアで、上級ステージの「10thリミックス」は当時から難所として語られました。それでいて、リズムゲーム1本は1〜3分。DSを縦に持ち、片手で持って片手でペンを持つ姿勢は、通勤電車や寝る前に向いていました。厳しい音ゲーであることと、誰でも持てるDSソフトであることが、同じパッケージに同居していたわけです。
最後に、この連載を書いていて気づいた並びを書き留めます。3日前(2005年7月28日)に扱ったのは、同じニンテンドーDSの音ゲー『押忍!闘え!応援団』でした。そして本作のステージ4-3には、「応援団」という名前のリズムゲームが入っています——赤組の太鼓のフレーズを、青組の応援団として叩き返す遊びです。7月の終わりの数日に、DSで太鼓を叩く遊びが二度並んでいる。年表を作っていると、こういう偶然が拾えてしまいます。
18年後の今日、シリーズはSwitchで首位に立っている
今日の一本は、YouTube「リズム天国ゴールド CM 15」です。2008年当時のテレビCMで、DSを縦に持ち替えた手つきと、あの脱力した画づくりがそのまま残っています。
その後の歩みも書いておきます。シリーズはWii用『みんなのリズム天国』、ニンテンドー3DS用『リズム天国 ザ・ベスト+』と続き、『ザ・ベスト+』には本作から「コーラスメン」「ロボット工場」「アイドル」「犬忍者」「ケロケロダンス」「ウラオモテ」など多くのリズムゲームが再録されました。再録に際して名前が変わったものもあり、「かえってきたピンポン」「コスモピンポン」「うれっこアイドル」「ケロケロナイト」などがそれです。
そして今です。2026年7月2日、シリーズ最新作『リズム天国 ミラクルスターズ』がNintendo Switch用として発売されました。ファミ通の週間販売数(6月29日〜7月5日集計)では、39万本を売り上げて首位スタート。18年前の今日、DSを縦に持って「組み立て」の5拍目を探していた人たちが、この夏また同じシリーズのタイトル画面を見ている——連載を続けていると、こういう「今日と地続き」の一本にときどき当たります。
余談として、本作のギターレッスンは「ロッカー」をクリアすると開き、テクニカルコースではチョーキングにL/Rボタンを使わせます。40曲を叩き終えた先に、楽器の入り口が置かれていた。音ゲーとしての成績表(ランクS〜C)まで用意されていたことを、18年後に読み返して少し驚いています。
2008年、平成20年の「ノリ感」
音楽ゲームの国内記録が12年ぶりに動いたのは、譜面が難しかったからではなく、たぶん「叩く・はじく・こする」だけで済んだからです。2008年、平成20年。この夏に始まり、半年ほどかけて190万本規模まで積み上がった一本です。ニンテンドーDSを縦に持ち替えて、ロボットに燃料を注いだり、モアイ像の言葉を真似したりした人が、それだけいたということになります。この年号を今日は何度か書けたので、記事はもう完成した気がしています(いつもの癖です)。
あなたが「リズムに合わせて画面や台を叩いた」最初のゲームは何でしたか? 覚えていたら、そのタイトルと——どのステージで詰まったのかも——教えてください。
リアクション(ログイン不要)
匿名で残せます • 同じリアクションは1日1回まで
コメント(ログイン不要)
まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。
