BLOG · 2026-09-17
ビタミーナ王国物語(1992) — 戦闘にコマンド一覧が無く、数分おきに勝手にセーブするゲームボーイRPG
今日は発売日 #58 — 1992年9月17日、ゲームボーイで発売
1992年9月17日、ゲームボーイに出た食べ物だらけのRPG
こんにちは、Tokiです。連載「今日は発売日」第58回。今日の一本は、戦闘に「コマンドの一覧」がありません。
「Great Greed (Game Boy) Playthrough」(NintendoComplete, YouTube)のサムネイルより
『ビタミーナ王国物語』。ゲームボーイ用のRPGで、発売はナムコ。日本での発売は1992年9月17日。今日2026年9月17日で、ちょうど34年です。
森で異世界の戦いに巻き込まれた主人公が、ビタミーナ王国へ飛ばされる。そこで世界を救う役目を負う、という筋書きです。
そして、この国では人も土地も、ほとんどが食べ物の名前でできています。まずはそこから。
コマンドの一覧が出ない戦闘と、勝手に進むセーブ
当時のRPGの戦闘画面には、たいてい「たたかう」「まほう」といった一覧が出ました。この一本には、それがありません。
Aボタンで攻撃、Bボタンで回避。魔法は十字キーの4方向にひとつずつ割り当てます。敵とは1対1で向かい合う形です。
日本語版ウィキペディアは、この戦い方を「後のテイルズ オブ シリーズに近いものがある」と説明しています。1992年の、それも携帯機での話です。
もうひとつ変わっているのがセーブです。数分おきに、ゲームのほうが勝手に記録してくれます。
「1992年9月17日発売 ゲームボーイ ビタミーナ王国物語をプレイ RPG」(まっすぐ黄色い猫のように, YouTube)のサムネイルより
持ち歩く機械ですから、電池が切れることも、途中でやめることもある。そこを前提にした作りでした。
名前の話も書いておきます。主人公の初期名は「イート」。5人の王女は北米版で Candy、Cup Cake、Truffle、Citrus、Gum Drop と呼ばれます。終盤には、そのうちの誰かと婚約する分岐まであります。
40点満点で24点。話題にはならなかった
当時の受け止め方は、数字にはっきり残っています。ファミ通のクロスレビューは4人で6・6・7・5。合計24点(40点満点)でした。
ファミリーコンピュータMagazineの「ゲーム通信簿」は30点満点で18.6点。どちらも、真ん中よりやや下です。
北米では『Great Greed』の題で1993年4月に出ました。Nintendo Powerは、絵は細かいが人によっては小さすぎるかもしれない、道に迷いやすい、と書いています。ドイツの雑誌Video Gamesの評価は71%でした。
その北米版では、環境を守るという主題が日本語版より強く押し出されています。宿屋での小さなお色気場面は、そのときに削られました。
後年、Hardcore Gaming 101のロビン・ウィローはこう書いています。発売当時ほとんど話題にならず、懐かしむ人もほとんど残っていない、忘れられたゲームボーイRPGのひとつだ、と。食べ物でできた敵とばかばかしい場面は美点、戦闘は可能性を使い切れなかった、という評価でした。
34年後に、画面を見る
ここからは、いまの話です。
下の動画は、北米版『Great Greed』の通しプレイです。戦闘で一覧が出ないこと、十字キーで魔法を出していることが、最初の数分で見て取れます。
映像は「Great Greed (Game Boy) Playthrough」(NintendoComplete, YouTube)より。
細かい絵です。Nintendo Powerが「小さすぎるかもしれない」と書いた意味も、画面を見ると素直にわかります。
一九九二年、と書いておきます
1992年。こうして年号を書き留めておかないと、どうも記事が終わった気がしません。日本での発売は1992年9月17日。今日2026年9月17日で、ちょうど34年です。
24点は、当時としては「よくある点数」です。大きな話題にもならず、そのまま棚から消えていきました。
ただ、その普通の一本の中に、一覧を捨てた戦闘と、数分おきの自動セーブが入っていました。どちらも、のちの年に当たり前になるものです。
あなたにも、点数は高くなかったのに、なぜか覚えている一本はありますか。
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