BLOG · 2026-08-24
マフィアII(2010) — 街はここまで作れるのに、できることは少なかった
今日は発売日 #37 — 2010年8月24日、北米に届いたエンパイア・ベイの物語
2010年8月24日、エンパイア・ベイという街が北米の店頭に並んだ
こんにちは、Tokiです。連載「今日は発売日」第37回。街の見た目は映画そのものなのに、その街でできることは驚くほど少ない。そう言われ続けている一本です。2010年8月24日、『マフィアII』の北米発売日です。
Steam「Mafia II (Classic)」(2K Games)のヘッダー画像より
開発はチェコの2K Czech、発売は2K Games。プレイステーション3、Xbox 360、Windows向けでした。北米が8月24日、ほかの地域が8月27日です。
舞台は「エンパイア・ベイ」という架空の街。物語は1945年から1951年まで進みます。主人公は戦争から帰ってきたシチリア系の青年、ヴィト・スカレッタです。
日本語版は同じ年の11月に、テイクツー・インタラクティブ・ジャパンから7,140円で出ました。
前作から8年、専用のエンジンまで作り直して戻ってきた
シリーズの1作目『Mafia』が出たのは2002年です。2作目までに8年かかりました。
発表は2007年8月、ドイツのライプツィヒで開かれたGames Convention。もともとはプレイステーション2とXbox向けの企画で、2005年に次の世代へ移りました。脚本づくりは2003年から始まっています。
エンジンも新しくしています。1作目の「LS3D」に代わる「Illusion Engine」を、この作品のために用意しました。
街にはラジオ局が3つあり、その時代に実際にあった曲が流れます。1940年代から50年代の音楽で、年代そのものを伝える作りでした。
PC版はNVIDIAのPhysXを使い、布のなびき方や物の壊れ方を売りにしました。2010年3月27日には、その表現だけを見せる映像も公開されています。
9点と4点が、同じ街を見て出てきた
発売後の点数は、きれいに散らばりました。集計サイトMetacriticの平均は、PC版とプレイステーション3版が100点満点で75点、Xbox 360版が74点です。
Game Informer の Matt Bertz は10点満点の9点。「映像的な演出に頼った語りからゲームが離れつつある時代に、『マフィアII』は豊かなギャング映画の歴史を引き寄せ、家族・友情・忠誠・裏切り・打算をめぐる、引き込まれるドラマを織り上げている」と書きました。
GameSpot の Kevin VanOrd は8.5点。「胸の躍るアクションと、妥協のないマフィアの物語が、印象深く暴力的な冒険を作り上げている」。
YouTube「MAFIA II - IGN Video Review (7.0/10)」のサムネイルより(レビュー出典: IGN)
IGN の Greg Miller は7点でした。「よくできた小ぶりな作品で、楽しい道行きを味わわせてくれる。ただし、世界そのものを期待してはいけない」。
いちばん低かったのは Eurogamer の John Teti で、10点満点の4点。「『マフィアII』は最後にこう言い切る。マフィアなんてそもそも面白くない、と。この作品が描く裏社会は、やたらと頭の悪い自動人形が住む、退屈という名の地獄だ」。
日本では、GAME Watch に2010年11月11日付でジョン・カミナリさんのレビューが載りました。「こんなに美しい、こんなに広大なのに、できることは非常に少ない。遊んでいる間に、『もったいないな』と思ったことは、正直多かった」。
同じ記事は「ギャング映画のファンとしては本作の濃厚なストーリーを十分に楽しめた」とも書いています。物語はほめられ、街は惜しまれる。国が変わっても、割れ方は同じでした。
下に置いたのは、その GameSpot が当時公開したレビュー動画です(「GameSpot Reviews - Mafia II Review」GameSpot、YouTube)。
抜けていた中身は、あとから別売りで戻ってきた
発売後にもう一つ話題になったのが、入っていなかった中身のほうでした。
追加コンテンツは3本出ています。『The Betrayal of Jimmy』、『Jimmy's Vendetta』(2010年9月7日)、『Joe's Adventures』(2010年11月23日)です。
このうち『Joe's Adventures』には、2009年のGamescomで本編の映像として見せられた、車を壊すミッションが入っていました。本編から抜いて別売りにしたのではないか、と受け取った人がいます。
デザイナーの Daniel Vávra は、切った部分は「たくさんある」と認めています。シチリアを舞台にした章が、丸ごと一つ消えていました。
2020年には作り直した『マフィアII デフィニティブ・エディション』が出ました。ところがMetacriticの平均は、プレイステーション4版で56点。もとの版より低いという、めずらしい並びになっています。
Steam「Mafia II: Definitive Edition」(2K Games)のヘッダー画像より
2010年8月24日から数えて、今日でちょうど16年です。
街の広さと、遊べる量が釣り合わなかった一本はありますか
年号を書かないと記事が終わった気がしないので、もう一度書いておきます。2010年8月24日、火曜日。北米が先で、その3日後に世界へ出ました。
16年経って残っているのは、点数そのものより、点数の割れ方のほうです。物語を見た人は9点をつけ、街で過ごす時間を見た人は4点をつけました。どちらもうそは書いていません。
あなたにも、街の作り込みに驚いたのに、遊ぶことがすぐなくなったゲームはありますか。
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