BLOG · 2026-08-01
ロックマンX4(1997) — ゼロが「選べる主人公」になった日
今日は発売日 #18 — 1997年8月1日、PlayStationとセガサターンに同時に並んだダブルヒーロー
1997年8月1日、ゼロが「選べる主人公」になった日
こんにちは、Tokiです。連載「今日は発売日」第18回。今日掘り出したのは、カプコンの『ロックマンX4』。PlayStationとセガサターンの2機種同時で店頭に並んだのは1997年8月1日、平成9年の夏です。今日でちょうど29年になります。
ロックマンXシリーズの第4作にあたり、「ロックマン」シリーズ10周年記念作品の第3弾として出ました。舞台はスーパーファミコンから32ビット機へ。CD-ROMの容量で新しく入ってきたのが、アニメーションのカットシーンと、キャラクターの声です。アニメパートを制作したのはXEBEC——のちのProduction I.Gでした。
YouTube動画「【CM 1997年】カプコン ROCKMAN X4」のサムネイルより
巡り合わせを書き留めておきます。同じ1997年8月1日、仲間由紀恵の4thシングル『負けない愛がきっとある/One More Chance』も発売されています。表題曲が本作のオープニングテーマ。作詞は松井五郎、作曲は林哲司。ゲームのディスクと、その主題歌のCDが、同じ日に別々の棚へ並んだわけです。
エックスかゼロか——一度選ぶと、もう変えられない
本作の中心は「ダブルヒーロー制」です。ゲーム開始時にエックスとゼロのどちらかを選び、以後はそのキャラクターで最後まで進みます。データを上書きするか消すかしない限り、途中で変更はできません。選んだ側によって操作性が変わり、会話が変わり、ボスの弱点武器まで変わりました。
変化が大きかったのはゼロのほうです。前作までのゼロはバスター主体でしたが、本作から主武装が近接の「ゼットセイバー」になりました。技はボスを倒すたびに「ラーニングシステム」で増えていきます——雷神撃、氷烈斬、疾風牙、龍炎刃、空円舞、落鳳破。シューティング的だったロックマンの操作感と一線を画すこの手触りは、後続の作品に強く影響を与えたとされています。
エックス側も細かく変わりました。記録方式がパスワードからセーブへ。ステージが前半・後半に分割され、後半でゲームオーバーになっても後半から再開できる。ボス戦の直前に警告音とともに「WARNING」の文字が出る演出も本作からで、以後のシリーズでも定番になりました。アームパーツは「ストックチャージショット」と「プラズマチャージショット」の2種類が用意され、カプセルに入り直せば付け替えられます。
遊びの外側の話も一つ。ボスの一体、マグマード・ドラグーンは『ストリートファイター』の波動拳・昇龍拳・天魔空刃脚によく似た技を使います。デザイナーによれば、上半身の数珠のようなものは豪鬼へのオマージュだそうです。同じ会社の格闘ゲームの手癖が、ドラゴンの姿をしてロックマンの世界に紛れ込んでいたことになります。そして限定版「スペシャルリミテッドパック」には、隠しアーマー「アルティメットアーマー」の立体キットが同梱されていました。
箱の顔が2つあり、CMは結末を映していた
当時の受け止め方でまず面白いのは、パッケージです。PlayStation版は従来どおりキャラクターを並べた絵でしたが、セガサターン版は暗闇の中にスポットライトのような光を当てられたゼロが一人だけ佇んでいるデザインに差し替えられていました。同じ日に出た同じゲームなのに、店頭で見える顔が2つあったわけです。
テレビCMもよく話題にのぼります。本作のCMには、ゼロ編の終盤——アイリスの最期のシーンと、ゼロの絶叫が使われていました。発売前のCMで、物語のいちばん重い場面を流したことになります。一方でエックス編の裏切り者ダブルについては、CMにもオープニングムービーにもパッケージ表面のイラストにも真の姿は出てきません。見せる場所と伏せる場所が、はっきり分けられていました。
評価はきれいに一色ではありませんでした。ゼロ編は物語の密度が上がった一方、エックス編は本筋との関わりが薄く、「エックスの扱いが軽すぎる」「影が薄くなった」と非難された、と記録されています。主人公の名を冠したシリーズで、相棒のほうが濃く書かれてしまった、という指摘です。
売れ行きについては、その後の再発売の多さが物語ります。PS版は「PlayStation the Best」に入り、さらに「ULTRA2000シリーズ」「遊遊シリーズ」といった廉価版が重ねて出ました。北米ではPlayStationの廉価再販ライン「Greatest Hits」の対象タイトルにも選ばれています。一定の本数を売った作品しか並ばない棚に、この一本は入りました。
29年後の今日——アイリスがプラモデルになる
今日の一本は、YouTube「【CM 1997年】カプコン ROCKMAN X4」です。1997年当時のテレビCMで、アニメパートの絵と主題歌が短くまとまっています。
その後の歩みを。ゼロの近接アクションはここで固まり、2002年からのゲームボーイアドバンス『ロックマンゼロ』シリーズという、セイバーで斬るのが主体の独立したシリーズに育ちました。本作で初登場した隠しアーマー「アルティメットアーマー」も、以後『X7』を除くXシリーズの定番になっています。
復刻の話も書いておきます。2018年、本作は『ロックマンX アニバーサリー コレクション』に収録されました(PC版7月25日、コンソール版7月26日)。このときCEROのレーティングは、出血表現があることを理由にXシリーズとして初めてB(12才以上対象)に区分され、暴力コンテンツのアイコンも初めて使われています。1997年には特に問題にならなかった数コマが、21年後に区分をひとつ動かしたわけです。
そして直近です。2025年10月、ファミ通が「『ロックマンX4』アイリスがプラモ商品化決定」と報じました。コトブキヤからの立体化で、公式は「ゼロと並べてお楽しみいただけます」とコメントしています。1997年の夏にゼロ編だけに現れたキャラクターが、28年後に棚の上でゼロの隣に立てるようになる。年表を作っていると、こういう長い折り返しに時々当たります。
1997年、平成9年の夏に選んだのはどちらでしたか
1997年、平成9年。年号を書かないと記事が終わった気がしないので、もう一度置いておきます。この夏、プレイヤーはまず店頭でPlayStationかセガサターンかを選び、家に帰ってからもう一度、エックスかゼロかを選ばされました。しかも二つめの選択は、あとから変えられない。29年前の8月1日は、そういう戻れない二択が2回並んだ日でした。
あなたはエックス編とゼロ編、どちらから始めましたか? そして、もう片方は結局遊びましたか? 覚えていたら教えてください。
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