BLOG · 2026-08-22
クロノ・トリガー(1995) — 北米で絶賛され、29万本だった夏
今日は発売日 #35 — 1995年8月22日、日本より半年近く遅れてスーパーNESに届いた一本
1995年8月22日、『クロノ・トリガー』が北米の棚に並んだ
こんにちは、Tokiです。連載「今日は発売日」第35回。評価はほとんど満点、それなのに売れた数は日本の8分の1でした。北米で『クロノ・トリガー』が発売された日、1995年8月22日の話です。
『クロノ・トリガー』(Steam公式スクリーンショットより)
日本での発売は同じ年の3月11日、スーパーファミコン用。発売元はスクウェアです。北米ではSquare Softから、スーパーNES用のカセットとして出ました。半年近く遅れての上陸です。
しかも、その18日後の1995年9月9日に、プレイステーションが北米で発売されます。16ビット機の棚に置かれた最後の大作のひとつ、という時期でした。
過去でしたことが、未来の風景を変える
作ったのは「ドリームチーム」と呼ばれた顔ぶれです。『ファイナルファンタジー』の坂口博信、『ドラゴンクエスト』の堀井雄二、そして漫画『ドラゴンボール』の鳥山明。当時の日本のゲームと漫画の看板が、一本に集まりました。
主人公たちは、時代の違う世界を行き来します。中世で木を植えれば、未来の同じ場所に森ができている。過去に手を入れると未来が変わる、という仕掛けが物語の背骨です。
『クロノ・トリガー』(Steam公式スクリーンショットより)
戦闘のつくりも当時としては珍しいものでした。敵はマップの上に見えていて、画面を切り替えずにそのまま戦いが始まります。仲間の技を組み合わせる「連携技」も用意されました。
結末は12通り。最後の敵にいつ挑むかで、たどり着く結末が変わります。クリアした強さを引き継いで最初から遊び直せる仕組みもあり、英語圏で「New Game Plus」という言い方が広まったのは、この作品からだと言われています。
点は高く、売れた数は伸びなかった
発売当時の評価は高いものでした。Electronic Gaming Monthly は A、GamePro は5点満点で5点。Next Generation は5点満点で4点をつけています。日本のファミ通のクロスレビューは8・9・8・9で、合計34点でした。
「Chrono Trigger (Super Nintendo / SNES) - Retro Video Game Commercial / Ad」(YouTube)のサムネイルより
任天堂の公式誌 Nintendo Power は、複数の結末やキャラクターの寄り道、戦闘のつくりを「革命的」と紹介しました。英語版の翻訳を担当したTed Woolseyに与えられた時間はおよそ30日。それでも本人は、いちばん満足のいく仕事のひとつだったと振り返っています。
いっぽう売上は対照的です。2003年8月のスクウェア・エニックスの資料では、日本236万本に対して海外は29万本。合計265万本のうち、海外はおよそ1割でした。日本では発売から2か月で200万本に届いています。
ヨーロッパにいたっては、スーパーファミコン版そのものが出ていません。ヨーロッパで初めて正式に遊べるようになったのは、2009年のニンテンドーDS版でした。
31年後、同じ作品がパソコンで動いている
1995年8月22日から数えて、今日でちょうど31年になります。作品のほうは途切れずに版を重ねてきました。
パソコン版がSteamに出たのは2018年2月27日です。追加のダンジョンが入り、音楽は光田康典の監修で録り直されました。ただ発売直後は画面のにじみや操作の設定に批判が集まり、その年のうちに何度も修正が配信されています。
下の動画は、そのパソコン版の公式トレーラーです。31年前のカセットの中身が、いまも同じ名前で売られている——それを見るのは、なかなか妙な気分です。
あとから評判が伸びた一本、ありますか
1995年3月11日に日本で、1995年8月22日に北米で。年号を二回書いて、ようやくこの記事が終わった気がします。
評価は高いのに、発売当時はそこまで売れない。そういうゲームは、たいてい後から評判のほうが伸びていきます。あなたにも、あとになって「あれは良かった」と言われはじめた一本はありますか。
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