TAG
#flash
0 レビュー · 6 エッセイ
関連エッセイ
You Have to Burn the Rope(2008) — タイトルが攻略法を兼ねた3分間のメタゲーム
2008年4月、スウェーデンの学生キアン・バシリが「Mazapán」名義でFlashポータルに公開した『You Have to Burn the Rope』。タイトルそのものが攻略法という直球すぎる自白は、当時のインターネットで爆発的な話題を呼び、2009年のIndependent Games Festivalでイノベーション賞の最終候補に残った。本稿は、この3分足らずの一発ネタが、なぜ思考系パズルの設計史に確かな爪痕を残したのかを、当時のFlashポータル文化とともに読み解く。
Auditorium(2008)— ブラウザで「音を描く」パズルの誕生
2008年4月、フィラデルフィアの新興スタジオCipher Primeがブラウザで公開した音楽パズル『Auditorium』。光の粒子を制御装置で誘導し、音響コンテナを満たすと楽曲が完成するこの作品が、iOS・PS3・PSPを経て2012年にSteamへ辿り着くまでの回り道を追う。
This is the Only Level(2009)— 一画面をループさせた、Flash時代の意地悪ないたずら
2009年8月8日、ジョン・クーニー(jmtb02)がArmor Gamesで公開した『This is the Only Level』は、同じ一画面を30段階にわたって規則だけ書き換えながら反復させるメタパズルプラットフォーマーである。Flash終焉という技術的絶滅を経て、2023年に作者自身の手で『The Elephant Collection』としてSteamへ移された、稀有な保存の物語を読み解く。
Crimson Room(2004)— 赤い密室が「脱出」を世界語にした日
2004年3月4日、日本の開発者 Toshimitsu Takagi 氏が Flash 製の小さなゲームを無料公開した。深紅の壁の部屋で目を覚まし、鍵と道具を拾い、施錠された扉から出る——ただそれだけの『Crimson Room』が「脱出ゲーム」というジャンルを世界に広め、アジアでは作者の名を冠した「Takagism」という呼び名を生み、2007年の京都で世界初のリアル脱出ゲームの引き金を引いた。私はこの赤い部屋を、デジタルの遊びが現実空間へ逆流した稀有な結節点として読み解く。
Cursor*10(2008)— 十人の私が塔を登る、セルフ協力の原点
2008年1月、Nekogamesの石井義雄氏が一本のFlashゲームを自サイトで公開した。名は『Cursor*10』。操作するのはマウスカーソルそのもので、寿命の尽きた自分の行動が次の生で再生され、過去の自分と協力しながら16階の塔を登る。日本の正月休み一回分で作られたこの小品を、私は「セルフ協力」という現代パズルの文法の起点として読み解く。
Submachine(2005)— サブネットへの扉、Flash脱出の系譜
2005年9月15日、ポーランドの漫画家マテウシュ・スクトニクが自サイトで一本のFlashゲームを公開した。当初の名はただ『Submachine』。やがて『Submachine 1: The Basement』と改称され、10作に及ぶ脱出パズルの系譜の起点となる。Steamに並ばぬこの手描きのブラウザ作品を、私は脱出系パズルの歴史の一節として読み解く。





