BLOG · 2026-09-25

Halo 3(2007) — 発売初日だけで1億7000万ドル。CMに映っていたのは、手作りのジオラマだった

今日は発売日 #66 — 2007年9月25日、Xbox 360で発売(北米・オーストラリア)

2007年9月25日、北米とオーストラリアで発売

こんにちは、Tokiです。連載「今日は発売日」第66回。今日の一本は、中身より先に宣伝のほうが語り草になった作品です。

『Halo 3』は、Bungieが作り、マイクロソフトが2007年9月25日に発売しました。機種はXbox 360。北米とオーストラリアが9月25日、ヨーロッパが26日、日本が27日です。今日でちょうど19年になります。Bungieが公開した『Halo 3』の宣伝映像「Believe」のサムネイル「Halo 3: Believe」(Bungie, YouTube)のサムネイルより

シリーズの三作目で、宣伝文句は「Finish the Fight」。二作目で途中のまま止まっていた話に、主人公のマスターチーフが決着をつける、という一本でした。

ただ、今日掘り返したいのは物語のほうではありません。この一本が、どう売られ、どう受け止められたかです。

CMにゲーム画面は出てこない。映っていたのは12分の1の人形だった

発売前にマイクロソフトが流した宣伝は「Believe」と呼ばれています。

舞台は未来の「人類博物館」。年をとった兵士たちが、終わった戦争を振り返り、マスターチーフという男について語る。その背後に、戦場を再現した大きな展示物が置かれている。そういう作りでした。

その展示物は、CGではありません。New Deal StudiosとStan Winston Studiosが実際に組み上げた模型です。広さは1,200平方フィート(およそ110平方メートル)を超え、高さは12フィート(およそ3.7メートル)を超えました。人形は12分の1の大きさ。俳優に兵士を演じさせ、その表情を写し取って人形の顔にした、と記録されています。

壊れた街の造形は、爆撃を受けた実在の街並みを参考にしたとされています。ゲームの絵を模型にするのではなく、模型のほうを本物に寄せていったわけです。

宣伝費はおよそ1000万ドルと見積もられています。そしてこの広告は、2008年のカンヌライオンズでグランプリを取りました。ゲームの広告が、です。

当時の反応 — 24時間で1億7000万ドル、初週で3億ドル

数字は、当時としては前例のないものでした。

マイクロソフトの発表によると、米国での予約は170万本。発売から24時間の米国内の売上は1億7000万ドルです。同社はこれを、ゲームだけでなく娯楽全体で史上最大の立ち上がりだと説明し、『スパイダーマン3』やハリー・ポッターの記録を超えたとしました。

初週は世界で3億ドルを超えます。Xbox Liveでは初週に270万人が遊び、プレイ時間の合計は4000万時間。発売初日だけで360万時間でした。獲得された実績は、初週で3000万件近くにのぼります。

評価も高く、Metacriticの平均は94。2008年1月3日の時点で810万本を売り、2007年に米国で最も売れたゲームになりました。

ただ、褒め一色ではありません。一人用の物語が短い、とくに難しさを下げたときや四人で協力して遊んだときは短すぎる、という指摘が出ました。味方の兵士のAIが敵ほど賢くない、一部の質感が粗い、という批評もあります。

史上最大の立ち上がりと、短すぎるという苦情が、同じ週に並んでいる。記録のほうだけが今も引用され続けているのは、少し不公平な気もします。

遊ぶ人に、対戦マップを組み替える道具が渡された

この一本が後に残したものを一つ選ぶなら、私は「Forge」を挙げます。

Forgeは、対戦用のマップに物を置いたり取り除いたりできる機能です。武器、木箱、乗り物。置ける量には予算の上限があり、その中でやりくりします。作る側の道具が、そのまま遊ぶ人の手に渡りました。

同じディスクに「Theater」も入っています。遊んだ試合を最大100本まで本体のハードディスクに保存して、あとからどの角度からでも、速度を変えても見返せる機能です。『Halo: The Master Chief Collection』に収録された『Halo 3』の紹介映像のサムネイル「Finish The Fight | Halo: The Master Chief Collection – Halo 3」(HALO, YouTube)のサムネイルより

遊ぶ、記録する、作り替える。この三つが同じ箱に入っていたのが2007年だった、というのは今から見ると早い話です。数字よりも、私はこちらのほうを覚えておきたいと思います。

19年後の今日、Halo 3はパソコンでも遊べる

Halo 3は長いあいだXbox専用でした。パソコンで遊べるようになったのは2020年、『Halo: The Master Chief Collection』に追加されてからです。

発売から13年かかった計算になります。三作目の戦いを終わらせるのに、ずいぶん時間をかけた移植でした。

なお日本での発売は2007年9月27日です。北米より二日遅い。つまり日本のカレンダーで読むと、この記事は二日ばかり気が早いことになります。

それでも、9月25日は9月25日です。そういう巡り合わせを書き留めるのが、この連載の仕事なので。

二〇〇七年、と書いておきます

二〇〇七年九月二十五日。こうして年号を書き留めておかないと、どうも記事が終わった気がしません。今日2026年9月25日で、ちょうど19年です。

1億7000万ドルという数字より、私が気になるのは「ゲーム画面を出さない」と決めた側のことです。まだ誰も遊んでいないゲームを、すでに終わった戦争として見せた。売り方としては、かなり変わっています。

そして本編のなかでは、遊ぶ人にマップを組み替える道具が配られていた。外では過去の話として売り、中では未来の道具を配る。ちぐはぐなようで、どちらも同じ一枚のディスクの話です。

あなたにも、中身より先に宣伝のほうを覚えているゲームはありますか。

リアクション(ログイン不要)

匿名で残せます • 同じリアクションは1日1回まで

次に読む

編集部からのおすすめ

コメント(ログイン不要)

まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。

誰でも投稿できます • 名前のみ。メールアドレスは集めません