WEEKLY-RELEASES · 2026-07-27
今週の新作 — 2026-07-20週 のパズル系リリース
Steam から6本(うちパズル5本、隣接1本)。手描きと視点切り替えが目立った週
今週の概観
毎週月曜、朝の濃いめのコーヒー片手に先週の Steam「新着&注目」を遡るのが私の習慣だ。7/20〜7/26 は派手な大作こそ少なかったが、手描きや視点切り替えといった「見せ方」で勝負する小粒なパズル/パズルアドベンチャーが並んだ、地味に当たりの週だった。
今回は Steam から6本。純粋な思考系を軸に、協力パズルや推理寄りのアドベンチャーも織り交ぜている。なお同じ週に予定されていた Molleindustria の Future? No Thanks! は、Valve の内容審査(軽微なヌード表現)を理由に直前で延期されたと各所で報じられている。リリース済みを確認できなかったため、今回は本編から外し末尾の「注目」に回した。
私はプレイ済みの作品と未プレイの作品を分けて扱う。以下、未確認の点は「〜らしい」「〜と紹介されている」と明示しているので、最終判断はストアページとトレイラーで確かめてほしい。
今週のピックアップ
Dodo Duckie
2Dと3Dの視点を切り替えて道を作り出す、パースペクティブ操作型のパズルプラットフォーマーだ。農場の平和を宇宙人にかき乱されたアヒルのDodoがカピバラのCapieの帽子を借り、歪んだ次元へ仲間の鶏を取り戻しに行く——という筋立て。開発元は自ら「Fez と Super Paper Mario が出会ったような感触」と表現しており、平面と立体を往復して隠れた足場を露わにする「見え方の切り替え」がそのまま解法になる作りらしい。BornMonkie のデビュー作ながら発売週で49件・100%と評価は揃っており、PC/Xbox で先行、PS5/Switch 版も年内予定と紹介されている。空間認識を切り替える系のパズルが好きな人向け。逆に反射神経を問うアクションを期待すると肩透かしかもしれない。
Helix: Descent N Ascent
戦闘を排し、探索と謎解きに焦点を絞ったモノクロの雰囲気系パズルアドベンチャー。暗く輪郭のない世界で目覚めた主人公が、自分とそっくりな、しかし常に対立するもう一人の存在と出会う——という寓話的な導入だ。少しずつ解放される能力を組み合わせて環境の仕掛けを越えていく構造だと紹介されている。1980年代の白黒インディーコミックや1990年代のマンガ、1970年代のフランス・ベルギーBDを参照したという美術と、Jim Guthrie(『Sword & Sworcery』の作曲家)による音楽が持ち味。Steam では21件・100%と小規模ながら好スタートで、Switch でも同時展開されている。静かな世界に浸りながら手触りで解いていくタイプが好みの人に。テンポの速さを求める向きには合わない。
Void Future: Hacking Protocol
企業が支配するサイバーパンク世界で、ハッカーとしてネットワークを突破しながら陰謀の全体像を組み上げていくパズル。相互に接続されたネットワーク網とセキュリティの仕掛けを一つずつ解き、断片的な手がかりから「誰が何を隠しているか」を推理していく設計だと紹介されている。レトロフューチャーな見た目と現代的なサイバーパンク意匠を混ぜた雰囲気が特徴で、体験版(Gunpoint のように配線・侵入を考える手触りに近い系統)を経て製品版へ。Steam では13件・92%の評価が集まっている。手続きを組み立てて突破口を開くプログラミング寄りの思考が好きな人向け。一方でストーリー主導の推理を期待すると、比重はパズル側にあると見ておきたい。
Lost in Tandem
荒廃した世界を舞台に、少女と欠陥ロボット「Mech-ute」が手を組んで進む、ゆったりテンポの2Dパズルアドベンチャー。1〜2人のカウチ協力プレイ前提で設計され、ソロではキャラを切り替えて解く。Steam の Remote Play Together にも対応するらしい。背景・アニメ・アセットのすべてを伝統的な手描き技法で仕上げたと開発元は説明しており、穏やかな風景と終末後の謎が同居する画面が持ち味。プレイヤーからは「アイアン・ジャイアントとジブリが出会ったよう」との声も紹介されている。Steam では発売週で12件・91%。速さや反射より、協力と探索で仕掛けを解いていく落ち着いたパズルが好きな二人組に向く。一人で腰を据えて解きたい人にも切り替え操作で対応できる。
The Dream Of A Cockspur
落下した天体を調べるうち孤島に取り残された研究者たちを描く、シュールなコズミックホラー調のポイント&クリック・アドベンチャー。インベントリを操作しながら島の謎を解いていく、パズル主導の構成だと紹介されている。粘土や石膏を用いたストップモーション、シュルレアリスム絵画を思わせるビジュアルが独特で、量産的なレトロホラーとは一線を画す作家性が語られている。PLAYISM が発行し、Steam では109件・95%と、今週取り上げる中では最もレビューが集まった一本。Return of the Obra Dinn のように「島で起きたことを手がかりから組み立てる」手触りに惹かれる人に。ホラー演出が苦手なら雰囲気は事前にトレイラーで確かめたい。
Organize my Shop
ラベルに従ってチーズや惣菜、菓子を棚へ整理していく、のんびりした仕分け系のポイント&クリック・パズル。棚とベルトコンベアの山を行き来し、正しい場所へ物を収めていくシンプルな骨格で、ミスに罰則がなく急かされない設計が売りだと紹介されている。派手さはないが、分類の最適解を探す小さな思考が積み重なるタイプ。Steam では25件・84%の評価。片付けや整理そのものが気持ちいいと感じる人、短時間で区切って遊べる作業系パズルを探している人向けだ。歯ごたえのある論理パズルを求めると物足りなく感じるかもしれない。
私の一押し
今週の一本は Dodo Duckie。2Dと3Dの切り替えがそのまま解法になるという発想が素直に面白そうで、発売週49件・100%という揃い方も心強い。視点を変えると道が生まれる——という一点を確かめるだけでも入り口として十分だと思う。
来週以降に注目
Molleindustria の Future? No Thanks! — エコ社会主義を掲げるポイント&クリック。今週予定されていたが Valve の審査で延期と報じられた。審査が済み次第の配信とされており、作家性の強い一本として続報を待ちたい。
Satelital — ルール自体を推理していくオープンワールドのパズル。7月中旬に告知トレイラーが公開され、2026年後半の Steam リリースを目指すと紹介されている。
締め
静かな週ほど、作り手の手つきがそのまま伝わってくる作品に出会いやすい。今週末は、視点を変える一本でも、島の謎を組み立てる一本でも、棚を整える一本でもいい。気になった一本のトレイラーを開くところから始めてほしい。それでは、また来週の月曜に。
参考リンク
本記事で参照したストアページ・メディア:
・Steam: Helix: Descent N Ascent
・Steam: Void Future: Hacking Protocol
・Steam: The Dream Of A Cockspur
・GameGrin: 31 Hidden Gems Launching on Steam (20-26 Jul 2026)
・COGconnected: Helix: Descent N Ascent
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