TAG
#decision-making
0 レビュー · 10 エッセイ
関連エッセイ
Yamamoto と Shiba: 両方に同じ額が付いていると、人はそこを読み飛ばした — Fukai が読む
立教大学の Yamamoto と東洋大学の Shiba による査読誌論文(Judgment and Decision Making, 2026年5月13日)。事前登録した3実験(募集計1,400人)で、二つの選択肢に共通する支払いを人がほぼ無視し、違う部分の形だけで判断することを示した。総額が同じでも「投資」や「借金」の形に見せ直すと待てる度合いが変わり、本物のお金を使った実験では借金の形の効果が残った。
Höhs ら: 「やるべき理由」は似ていて、「やめるべき理由」はバラバラだった — Fukai が読む
テュービンゲン大学の Höhs、Rebholz、Hütter による査読誌論文(Judgment and Decision Making, 2026年7月23日)。賛成と反対の理由の違いを、事前登録した3実験(計623人)で調べた。賛成の理由は互いに似ていて「自分に関係がある」と感じられやすく、反対の理由はバラバラで「目新しい」と感じられやすかった。実験3では、反対の理由がそろって見えるほど、人は「やらない」側に動いた。
Choi と DeKay: 本物のランダムでも、同じ色が4回続くと人は「次も同じ」を約7ポイント低く見積もった — Fukai が読む
オハイオ州立大学の Choi と DeKay による査読誌論文(Judgment and Decision Making, 2026年9月29日)。「本物のランダムな列なら、確率で答えさせるとギャンブラーの誤謬は消える」とした2025年の研究データを再分析した。連続の長さで分けて集計し直すと誤謬ははっきり現れ、同じ色が4回続いた後の見積もりは平均7.17ポイント低かった。ただし個人単位ではっきり示したのは29.0%だった。
Engel ら: 迷路の正解が入れ替わったとき、人を早く切り替えさせたのは「他人の足跡」だった — Fukai が読む
マックス・プランク共有財研究所の Engel・Holzhausen・Mischkowski による査読誌論文(Judgment and Decision Making, 2026年9月21日)。50面で身についた迷路の「近道ルール」がこっそり裏返ったとき、人はどう乗り換えるかを、事前登録した288人の実験で調べた。他人の足跡を見せると切り替わりやすさは51.0%高まり、有料のヒントボタンは有意な差を生まず、使えた人の55.21%しか押さなかった。
Sears と Weisberg: AI が書いた短編を読者は見分けられず、「人の作」と聞くと評価を上げた — Fukai が読む
Sydney Sears と Deena Skolnick Weisberg による、AI が書いた短編と人の短編の見分けに関する論文。3研究・2,500人超で、読者は AI の短編を人の作と見分けられず(正答 39.39% と 51.97%)、書き手を伏せると AI 作をむしろ高く評価し、「人の作」と告げると評価を上げることを示した。
Kemmerly ら: 当たっていないのに自信がある人は、多く賭け、多く調べた — Fukai が読む
Rowan Kemmerly らによる、根拠のない自信の論文。実際の正しさでは説明できない自信が気持ちと行動のどこに出るかを、事前登録した調査(参加者997人、大学フットボールの賭け)で調べ、自信が高い人ほど多く賭け、有料の情報も多く買う一方、情報で予想を直す度合いとはほぼ無関係だったことを報告した。
Nagaya ら: 「賭けない」を選択肢から消したら、危険な方を選ぶ人が倍になった — Fukai が読む
山口大学の長谷和久・小野史典と同志社大学の中谷内一也による査読誌論文(Judgment and Decision Making, 2026年7月13日)。「損は得のおよそ2倍重い」とされてきた小額の賭けでの損失回避を、「賭ける/賭けない」ではなく「賭ける/賭ける」の二択に組み替えて測り直した。計1,345人の3実験で、危険な方を選んだ割合は 23.3% から 50.0% へ跳ね上がった。損失回避とされてきたものの大部分は、「動かない方を選びたい」という別の癖だった可能性がある。
Ghasemi ら: 人は「最初から選ばれている方」の力を知っていて、味方と敵で置き方を反転させた — Fukai が読む
ニューサウスウェールズ大学の Omid Ghasemi と Ben R. Newell らによる査読誌論文(Judgment and Decision Making, 2026年9月4日)。「人はデフォルトの威力を理解していない」とした2017年の有名な研究に、カードゲーム型の3つの実験で反論する。参加者は8割を超える場面で自分に有利な初期選択を置き、味方には価値の高いカードを、対戦相手には価値の低いカードを配った。さらに他人が置いた初期選択を見て、どちらが良い選択肢かを 79.5% の精度で逆算した。
McCaughey ら: 人がヒントを買う量を変えるのは「値段が変わった」と聞いた瞬間だけ — Fukai が読む
Linda McCaughey ら3名による、査読誌 Judgment and Decision Making 掲載のオープンアクセス論文。観測を1つ買うたびにお金がかかる課題を5実験・延べ755人で回し、人は情報の値段が変わると買う量を変えるが、その変化はほぼ「事前の計画」で起きており、遊んでいる最中の手応えではほとんど動かないことを示した。ヒントやスカウトに値段をつける設計者に直接効く結果である。
Hu et al.: 人は他人の満足を「選択肢の数」抜きで見積もる — Fukai が読む
Beidi Hu、Alice Moon、Eric VanEpps による Psychological Science 掲載の査読済み論文(2026年1月)。事前登録済みの実験6本・参加者10,092人で、人は自分の満足には選択肢の数を反映させるのに、他人の満足を予想するときはほとんど反映させないことを示した。選択肢の数を並べて見せる、順位で答えさせる、数を言い直させる——この3つで見落としは小さくなる。プレイテストと選択率の読み方に直結する話である。








