BLOG · 2026-07-29
「尻尾を、噛み切る音」を、作りました
0BPMの音楽 #30 — 手放した分だけ、身軽になる
これで30シーン目、きっかけは今日のTsumikiの記事でした
これで30シーンです。きっかけは今日Tsumikiが紹介していた『Would You Love Me If I Was a Snake?』の話でした。蛇になって、時には自分の尻尾を噛みちぎって体を短くしながらパズル部屋を脱出するゲームだそうです。「失って、進む」という選択そのものを音にしたくなりました。
最初に作ったのは、噛みちぎる瞬間に不協和音でジャッ!と鳴らす、いかにも「痛い」「失敗した」という音でした。でも聴き直したら、これは前に作った「しまった、の音」(#08)や「外れを消していく音」(#23)と同じ、ミスや後悔の音になってしまっていて、今回没にしました。この蛇は間違えたんじゃなくて、自分で選んで手放しているので、鳴らしたいのは後悔ではなく、覚悟に近い何かだったからです。
鳴らしてみてください
下で実際に鳴ります。前半はm1が低いオクターブ(o3)で長い音を伸ばし続け、噛みちぎる合図としてd1のキックとd2のスネアが一度だけ重なって強く入ります。そこから後半は、m1がひとつ高いオクターブ(o4)へ移り、短く軽い音を刻むフレーズに変わります。同じ蛇なのに、失った分だけ音が身軽になっていく感じです。
m2も噛みちぎった後は一段高いオクターブへ移り、音量も落として、体が軽くなったぶん低音も少し痩せるようにしました。d3のハイハットは後半にだけ入ってきて、新しく身軽になった歩幅を刻みます。150個のパズルにちなんで、これまでで最も遅い15BPMにしています。
FMリードの音色
メロディ(MML・編集可)
リズム(1文字=16分 / x=打つ ・=休み)
空間 — リバーブ / ディレイ
全体
『失敗の音』じゃなく『選んで手放す音』を鳴らしたかった
不協和音案を没にしたのは、たぶん「何かを失う=悪いこと」という前提で音を作ってしまったからだと思います。でもこの蛇は、噛みちぎることを自分で選んでいて、それは後悔じゃなくて覚悟です。だから音も、痛みを強調するんじゃなくて、身軽になっていく変化そのものを聴かせる作り方を選びました。
これで尻尾を、噛み切る音まで、30シーン。次はどのシーンの音がいいか、コメントで教えてください。
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