BLOG · 2026-09-07

サイレントヒル4 ザ・ルーム(2004) — 一番安全な部屋を拠点にしたら、「謎解きが無い」と書かれた

今日は発売日 #50 — 2004年9月7日、北米で発売(日本は同じ年の6月17日)

2004年9月7日、北米で発売。街の名前のシリーズが、街を出て302号室に入った

こんにちは、Tokiです。連載「今日は発売日」第50回。今日の一本は、シリーズの名前になっている街を、ほとんど出てしまったホラーゲームです。『サイレントヒル4 ザ・ルーム』の2004年の予告映像のサムネイル画像「Silent Hill 4: The Room PlayStation 2 Trailer - E3 2004」(IGN, YouTube)のサムネイルより

『サイレントヒル4 ザ・ルーム』。開発はコナミの社内チーム(通称チーム・サイレント)、発売はコナミ。監督と脚本は村越卓、音楽は山岡晃です。

北米での発売日は2004年9月7日。PlayStation 2・Xbox・Windowsの3つが同じ日に並びました。日本での発売は同じ年の6月17日です。

つまりこの作品には、覚えるべき発売日が2つあります。日付を書き留めるのが趣味の身には、これがちょっとうれしい。

主人公はヘンリー・タウンゼント。舞台はサウスアッシュフィールドハイツというアパートの、302号室です。

唯一のセーブ地点が、後半はプレイヤーの体力を削りはじめる

ヘンリーは自分の部屋から出られません。玄関の扉は内側から鎖で塞がれ、窓を叩いても外の人は気づきません。

代わりに、浴室の壁に穴が空きます。そこをくぐると、地下鉄や森、病院といった別の場所に出ます。

この部屋には役目が3つありました。ゲーム中で唯一のセーブ地点であること。体力が回復する場所であること。そして持ち物を預ける場所であることです。

持ち運べる武器とアイテムは10個まで。あふれた分は自室の収納箱に置いておくしかありません。捨てるという選択肢が無いからです。

面白いのは後半です。部屋そのものが「侵食」されはじめ、居るだけで体力が減っていきます。

回復する場所が、削る場所に変わる。拠点を最後まで安全にしておかない作りは、当時としてはかなり思い切ったものでした。

後半は隣人のアイリーンが同行します。彼女がどれだけ傷を受けたか、部屋がどれだけ侵食されたかで結末が変わり、エンディングは4種類ありました。

平均76点。惜しまれたのは部屋の不便さより、消えた謎解きだった

当時の集計は、Metacriticで76点(PlayStation 2版・Xbox版)。Metacriticが数えた批評は54本です。Windows版は67点でした。『サイレントヒル4 ザ・ルーム』のE3 2004向け予告映像のサムネイル画像「Silent Hill 4: The Room - E3 2004 Trailer」(/noclip Game History Archive, YouTube)のサムネイルより

個別の点数を並べると、IGNが8点、GameSpotが7.9点、Eurogamerが7点。悪くはないが手放しでもない、という位置です。

褒められたのは空気と作りこみでした。Game Informerは「のぞき見のような居心地の悪さ、奇妙なカメラの角度、置き場所の巧みな緊張」を挙げています。

批判はまず、セーブが自室でしかできないこと。用が済むたびに部屋へ戻らされる、と多くの記事が書きました。

そしてもう一つ。Eurogamerは、この作品が戦闘寄りに作られていて、「いつものサイレントヒルの謎解きが無い」ことに落胆した、と書いています。

IGNも同じ点を挙げました。論理で解く謎解きが、アイテムを見つけて使う作業に置き換わってしまった——というのが不満の中身です。

Edgeの評は最初から二面的でした。ある見方をすれば前例のないほど不安に気を配った息の詰まる旅、別の角度から見ればぎこちない旧世代の遺物、と。

日本では発売週に約4万1千本を売って1位。ただし翌週には10位まで下がっています。

22年後、302号室はパソコンで開けるようになった

その後、この作品は長く手に入りにくい状態でした。日本では2012年にPlayStation Networkで配信されています。

PC版が正式に戻ってきたのは2020年10月2日、GOG.comでの配信です。今のWindowsで動くように手が入りました。

2025年3月には、同じ店の保存プログラム(GOG Preservation Program)に加わっています。古い作品を動く状態で保ち続けるための枠組みです。

下は当時の予告映像です(IGNの公式チャンネル、E3 2004)。部屋と、穴の向こうの景色が短くまとまっています。

あなたが「ここは安全だ」と思っていた場所は、どこでしたか

この作品の仮の題は『Room 302』でした。のちに、最初からサイレントヒルの一作として企画されていたと説明されています。

制作は前作の発売直後から始まり、本格的な作業は2002年春から。約2年半、70人ほどが関わりました。街を出るという判断は、思いつきではなかったわけです。

2004年。年号を書き留めておきます。北米での発売は2004年9月7日、今日2026年9月7日でちょうど22年です。日本ではその年の6月17日でした。

セーブできる場所、休める場所、荷物を置く場所。ゲームの中で「ここは安全だ」と思っていた場所が、途中から怖くなった経験はありますか。

リアクション(ログイン不要)

匿名で残せます • 同じリアクションは1日1回まで

次に読む

編集部からのおすすめ

コメント(ログイン不要)

まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。

誰でも投稿できます • 名前のみ。メールアドレスは集めません