REVIEW · 2017-03-13
Death Squared
ロボットが爆発する協力パズル
第一印象
Steam の評価は 724 件中 637 件が好評だ(約 88%、2026-10-02 時点、「非常に好評」)。positive が最初に挙げるのは、操作の分かりやすさと、友人と遊ぶ笑いである。「ロボットが爆発する」というストアの紹介文どおりの遊び方が、そのまま褒められている。
negative は数が少ないが、中身がはっきりしている。「一人だと味気ない」「4人で遊べると思って買ったのに実質2人用だった」「オンラインで遊べない」といった、遊ぶ形への不満が中心だ。パズルの出来そのものを責める声は、むしろ少数である。
つまり賛否は作品の質より、誰とどう遊ぶかで割れている。私はそれを、設計の射程が決まっている作品の典型と読んだ。
Death Squared のプレイ画面(Steam スクリーンショット)
メカニクスの言語化
レビューから見える動詞は少ない。「動かす」「待たせる」「合図する」の3つだ。positive は「操作が単純で、すぐ手に取れる」と書く。複雑さは操作ではなく、役割の分担にある。
ある肯定レビューは、一人で2体を同時に操作すると、両手の協調が鍛えられると書く。別の肯定側は、2人以上だと「実行する順番を決める話し合い」が主役になると言う。同じ盤面が、人数で別の遊びになるという読みである。
Puzzlebyrinth の語彙でいえば、これは装置と機構の系譜にある。ただし主題は装置の仕組みより、情報の分配だ。Thomas Was Alone が一人の頭の中で起こした「役割の切り替え」を、この作品は人と人の間に移している。
Death Squared のプレイ画面(Steam スクリーンショット)
このゲームの魅力
positive が繰り返す言葉は「笑い」と「失敗の面白さ」だ。初めて見る罠では、仲間が爆発する。その瞬間を笑い合える、という報告が多い。「何が起きるか分からないので、最初の数回は死んで覚える」という書き方もあった。
私はここに、失敗の値段を下げる設計を見る。やり直しが速く、失敗が笑いに変わる。だから、手順を間違えた人を責める空気になりにくい。
一方で、人数が多い遊びでは、役割に偏りも出る。「先導する人だけが考え、残りは言われた通りに動く」という negative の指摘がそれだ。協力の形は、作家が決めた枠のなかで揺れる。
Death Squared のプレイ画面(Steam スクリーンショット)
難しさの手触り
難しさの評価は、序盤と終盤で変わる。序盤は「段階的に複雑になる」と好意的に読まれる。終盤では、「機械的に厳しくなる」「頭が痛くなる」と書く人が出る。
難しさの質を、レビューから3つに分けてみた。1つ目は、考えて解く難しさ。2つ目は、操作の正確さを求められる難しさ。3つ目は、仕様の不具合による詰まりだ。最後のものは Party Mode の27面や、The Vault の一部の面で、複数の人が挙げている。
ここは設計の話から外れる。ただ、negative の中で最も票を集めた意見が「罠が理不尽で、解法と力押しが区別されない」である点は見逃せない。失敗の笑いが、悪意に読まれる境目である。
Death Squared のプレイ画面(Steam スクリーンショット)
参照したレビュー群
本記事は 2026-10-02 時点での Steam ストアページのユーザーレビュー群を読んで書いた。
・Steam: Death Squared(Overall 637/724 positive(約 88%)、非常に好評)
・positive 20 件(直近1年)、negative(英語)15 件、recent 8 件の冒頭部分を API 経由で読んだ。全文の精読ではなく、典型主張の再構成である。
・日本語レビューは今回は読めていない。
結論
Steam の overall は約 88% positive(724件中 637件、2026-10-02 snapshot)。私の設計批評としての採点は 7.5 だ。数字より低めなのは、一人で遊ぶ価値が薄く、後半の罠に理不尽さを覚える声が残るためである。
レビュー群の落としどころは「人と同じ画面で遊ぶなら良い。一人や遠隔なら期待しすぎない」だ。レビューで言及された一人用のクリア時間は、およそ 8 時間である。
難しさは人数と相性で体験が分かれる。ただし、笑いながら失敗できる設計は、協力パズルの入り口として説得力がある。
Death Squared のプレイ画面(Steam スクリーンショット)
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