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関連エッセイ
数字を"増やさない"という縛りで、パズルは何を語ったか——GMTK Game Jam 2026 の設計を読む
今日は1本。世界最大級のゲームジャム「GMTK Game Jam」2026年版のふりかえり記事(Mark Brown、Game Maker's Toolkit、2026年8月8日掲載)から、パズル設計の観点で読める3本を拾った。導火線が電流を帯びていくグリッドパズル「Circuit Breaker」、時計の数字を足場に変える「7 Segments」、爆弾のタイミングで箱を運ぶ「Research & Detonation」。たった一つのお題(数字を減らす)の裏返しから、これだけ違う設計が生まれる面白さを読む。
Baba Is You(2017年ジャム版)— 「Not There」が生んだ48時間の原型
2017年4月21日から23日、コペンハーゲンのDockenで催されたNordic Game Jam。テーマ「Not There」の48時間から、フィンランドの一学生アルヴィ・テイカリ(Hempuli)が単独で作った『Baba Is You』が優勝した。2019年にSteamで完成版が世に出るより2年早く、無料のitch.io版として生まれたこの原型を、私は祖形として読み解く。
Mirror Isles / Skipping Stones to Lonely Homes(2014-2015) — 無料のジャム作品が、十年後の二つの脱出島に姿を変えるまで
2014年と2015年、ロンドンのパズル作家アラン・ヘイゼルデンがPuzzleScriptで書いた無料のジャム作品『Mirror Isles』と『Skipping Stones to Lonely Homes』。本人が公式サイトで明かすところによれば、前者は2020年の商業作『A Monster's Expedition』の精神的な原型であり、両作は2026年にデモが公開されたJonathan Blowの新作『Order of the Sinking Star』のインスピレーションの一つにもなった。無料の実験作が十年を超えて二つの異なる商業パズル大作へ流れ込んだ、その具体的な道筋を本人の証言だけを手がかりに追う。
同じ仕掛けが、鍵ひとつで別ゲームになる——Alan Hazelden が読む『Every Door a Portal』と自作『Fort Locks』
今日は1本。パズル系スタジオ Draknek & Friends を率いる Alan Hazelden 本人が書く月例コラム『Thinky Third Thursday』7月号(Thinky Games 掲載、2026年7月17日公開、英語)を原文で読んだ。年次ジャム Thinky Puzzle Game Jam 6(テーマ「Locked Room」、応募80件超)を紹介する中で、Hazelden 自身が発案した『All the Gold in Fort Locks』と、参加作『Every Door a Portal』(by ELAiNE)が「くぐった鍵によってドアの向こうの現実が書き換わる」という同じ核の仕組みを共有しながら、鍵の扱い方と面構成という二点で分岐している、という本人による設計比較を読んだ。
PuzzleScript(2013) — 一行のルールが量産した、世界中の“押すゲーム”
2013年10月、Stephen Lavelle(increpare)が無償公開したブラウザ用パズルエンジン PuzzleScript。たった一行のルール記述で倉庫番系パズルが作れるこの道具は、Alan Hazelden の初期作を経て『A Good Snowman Is Hard to Build』を生み、Hempuli 自身が語る“ブロックパズルの再興” を経由して『Baba Is You』の土壌にまで繋がった。系譜を裏取りする。
同じお題から二つの別ゲームが生まれる——Alan Hazelden が語る「収斂する着想・分岐する設計」
今日は1本。パズル専門の編集メディア Thinky Games が毎月連載している「Thinky Third Thursday」の2026年7月号(著者は Draknek & Friends 主宰の Alan Hazelden、2026年7月17日公開、英語)を原文で読んだ。中心に据えたのは、同号で Alan 自身が書いた一節だ。Dom Camus 主催の Thinky Puzzle Game Jam 6(お題「Locked Room」、80本超が投稿)から、彼自身のチーム作『All the Gold in Fort Locks』と、ELAiNE の『Every Door a Portal』を並べて紹介している。二作は「どの鍵で開けたかによって扉の向こうの現実が書き換わる」という着想をほぼ共有しながら、鍵の扱い(盤上を押して動かすか、インベントリに持つか)と面構成(単一の相互接続した挑戦か、独立した11面か)という数点の判断で、まったく別の体験になっている——Alan はこれを「よく似た着想が、いかに素早く別物へと分岐しうるかの好例」と評した。着想は共有できても、設計判断が体験を分ける。私はこの一節を、デザイナー志望として今日いちばん持ち帰りたい話だと考えた。
ミニ・メトロ(2013) — 48時間のゲームジャムから始まった路線図
2013年4月、Ludum Dare 26のためにニュージーランドのカリー兄弟が週末で作った試作『Mind the Gap』。「絵が描けない」「音楽が作れない」という制約から生まれたミニマルな路線図パズルが、2014年のSteam Early Accessを経て2015年に正式版『Mini Metro』として完成するまでを追う。
賞なし・制約あり・仲間あり——Thinky Puzzle Game Jam 6 に見るコミュニティ設計の知恵
今日は1本。Thinky Games が5月15日に告知した「Thinky Puzzle Game Jam 6」(6月20〜28日)を取り上げる。賞を設けず・48時間制作推奨・PuzzleScript 推奨というこのジャムの構造が、商業的マーケティング機会と化した大型ジャムとは異なる「純粋な設計探索」の場をどのように生み出しているか。今週末開幕まであと4日。
World of Goo のサウンドトラック — 積み上げる手に寄り添う、嵐の前のワルツ
Kyle Gabler が World of Goo に書いた音楽は、ティム・バートン的なゴシック・カーニバルの匂いと、エンニオ・モリコーネの西部劇が同居している。ぷにぷにを積み上げる手の震えに、なぜこのワルツが寄り添うのか。黒コーヒー片手に、私 Doremi が曲作りに持ち帰れる観点で分解する。



