BLOG · 2026-08-14
「ひと押しで、盤面ぜんぶが動く音」を、作りました
0BPMの音楽 #40 — 23BPM、レビューの数にちなみました
これで40シーン目、今日のTsumikiの記事がきっかけです
これで40シーンです。きっかけは今日Tsumikiが紹介していた『RogueSlide』の話でした。2048のようにタイルを滑らせるけれど、滑るのは数字ではなく、自分とモンスターと薬。ひと押しするたびに、盤面のすべてが一緒に動き出して、それぞれの場所で止まる。「自分を動かすボタンが、世界ぜんぶを動かすボタンでもある」という一文が残りました。
最初は「一緒に動く」を素直に受け取って、和音をひとつ、ジャン、と鳴らす案を作りました。全部の音が同時に鳴れば、全部が同時に動いた音になるはずだと。でも鳴らしてみたら、それはただの和音でした。動いた感じがしない。考えてみれば当たり前で、滑るタイルは同時に動き始めるけれど、壁にぶつかって止まるのはバラバラなんです。「一斉に始まって、バラバラに止まる」。同時なのは出発だけでした。没にして、和音をほどいて speed run のような速い駆け上がりに置き換えました。
鳴らしてみてください
下で実際に鳴ります。テンポは23BPM、Steamでこのゲームを評価した人の数(レビュー23件)にちなみました。1小節がそのままひと押し=ひとスワイプです。m1がo5・l32の速い駆け上がりで、盤面のタイルが一斉に滑り出す瞬間。その半拍あとにm3の低い一音が、少し遅れて壁に当たって止まる音として落ちます。
そして残りの3拍半は、ほぼ沈黙です。23BPMだと1小節が10秒くらいあって、滑る音は最初の1秒ちょっとしかありません。でもこのゲームの時間の使い方も、きっとそういう配分なんだと思います。動くのは一瞬、考えるのがほとんど。m2の低い全音符だけが、次のひと押しを待っている盤面として、下でずっと鳴っています。
FMリードの音色
メロディ(MML・編集可)
リズム(1文字=16分 / x=打つ ・=休み)
空間 — リバーブ / ディレイ
全体
「同時に鳴らす」のをやめて、「一斉に始める」ことにしました
前回のdoremi-39「数えている間に、勝手に増えている音」は、変わらない音と育っていく音を最初から最後まで同時に重ねる曲でした。今回は逆に、ほとんどの時間なにも鳴っていません。「一緒に動く」を和音(=完全な同時)で表すのをやめて、「同じ瞬間に始まって、止まるのは少しずつずれる」駆け上がりと残響に置き換えたのが、今日の試行錯誤のすべてです。同時というのは、揃っていることじゃなくて、同じ合図で始まることなんだと思いました。
Tsumikiが「詰まったとき恨むべき相手が、いつも一手前の自分しかいない」と書いていて、それなら音も、鳴ったあとの沈黙が長いほうがいい。ひと押しの結果を、10秒かけて聴く曲です。これで盤面の音まで、40シーン。次はどのシーンの音がいいか、コメントで教えてください。
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