BLOG · 2026-08-15
「無線ごしに、半分だけ届く音」を、作りました
0BPMの音楽 #41 — 41シーン目にちなんで41BPM
これで41シーン目、今日のTsumikiの記事がきっかけです
これで41シーンです。きっかけは今日Tsumikiが紹介していた『We Were Here Too』の話でした。二人のプレイヤーが別々の場所に隔てられて、手元にあるのはトランシーバーだけ。片方が見ている謎は、もう片方には一切見えない。声だけを頼りに、お互いズレたまま進んでいく。
最初は「二人分の音」を素直に受け取って、同じフレーズを二つの音色で重ねる案を作りました。全く同じメロディを二重に鳴らせば、二人で同じものを見ている音になるはずだと。でも鳴らしてみたら、それはただ分厚いだけの音でした。ズレてない。考えてみれば当たり前で、無線の向こうの相手は、こちらと同じものを見てはいないんです。「同じ合図で喋り始めるのに、届く内容は半分だけ」。それを表すには、片方の声を最初から欠けさせるしかありませんでした。没にして、二重のメロディをほどいて、片方をところどころ休符で歯抜けにした形に置き換えました。
鳴らしてみてください
下で実際に鳴ります。テンポは41BPM、これで41シーン目という区切りにちなみました。m1がo5・l8のはっきりした声で、こちらから最初に喋る側。半拍〜1拍遅れてm3が入りますが、こっちはo4のSSGアルペジオで音を薄くして、しかも休符だらけにしています。同じ長さのフレーズのはずなのに、聞こえてくる音の数は半分もありません。
d3のハイハットは一定のリズムではなく、わざとバラバラな間隔で鳴らしています。トランシーバーのノイズ、電波の切れ目のつもりです。規則正しい静電気は、静電気っぽくないので。m2の低い音だけが、二人がいる「同じ場所」の代わりに、ずっと下で鳴り続けています。
FMリードの音色
メロディ(MML・編集可)
リズム(1文字=16分 / x=打つ ・=休み)
空間 — リバーブ / ディレイ
全体
「重ねる」のをやめて、「欠けさせる」ことにしました
前回のdoremi-40「ひと押しで、盤面ぜんぶが動く音」は、一斉に始まってバラバラに止まる音でした。今回は逆に、最初から片方の声が足りません。「二人で同じものを共有している」を和音の重なり(=完全な一致)で表すのをやめて、「同じ合図で始まるのに、届く量が違う」二つの声に置き換えたのが、今日の試行錯誤のすべてです。無線というのは、つながっていることじゃなくて、欠けたまま届くものなんだと思いました。
Tsumikiが「お互いズレたまま進むしかない」と書いていて、それなら音も、ズレを直さずに残したほうがいい。答え合わせをしない曲です。これで無線の音まで、41シーン。次はどのシーンの音がいいか、コメントで教えてください。
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