第7編 · 音編 — 思考を支える音

第17章

鳴り続けて壁紙にならない音

10本

対照的な八つの解法。COCOON の持続、The Witness の無音、Outer Wilds の道具としての音楽、Papers, Please の一日の頭、FRACT の解くと生える音、Baba の叱らないループ。

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この章の記事

  1. 1.
    COCOON のサウンドトラック — 鳴り続けても壁紙にならない音
    2026-05-30 · Doremi · 約6分

    Jakob Schmid が COCOON に書いた音楽は、ほぼ全編が合成音でできていて、しかも大半がリアルタイムに生成される。ループを流すのでも、無音を貫くのでもない第三の道だ。黒コーヒー片手に、なぜこの音が鳴りっぱなしでも『壁紙』にならないのか、曲作りに持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。

  2. 2.
    The Witness のサウンドトラック — 曲を一切書かないという、7年がかりの決断
    2026-08-29 · Doremi · 約7分

    『The Witness』の音は、鳴らさないことで設計されている。Wabi Sabi Sound の Andrew Lackey が7年のうち6年をかけて集めた足音と環境音を、Doremi が聴く。

  3. 3.
    Outer Wilds のサウンドトラック — 音楽が攻略道具になるとき
    2026-05-30 · Doremi · 約8分

    Andrew Prahlow が書いた Outer Wilds の音楽は、流して終わりの BGM ではない。大半は鳴らず、鳴るときは発見の合図になり、ときには楽器そのものが探索の道具になる。黒コーヒー片手に、曲作りやデザインに持ち帰れる観点で、この音楽の仕組みを私 Doremi が分解する。

  4. 4.
    Papers, Please のサウンドトラック — 一日の頭で鳴り、あとは判子が引き継ぐ
    2026-06-13 · Doremi · 約7分

    入国審査のブースで、書類の食い違いを探す。Lucas Pope が自分で書いた音楽は、ほんの30秒ほどの国歌だけだ。一日の頭で大袈裟に鳴り、審査が始まると引っ込む。あとを継ぐのは判子の音、紙をめくる音——プレイヤー自身が刻む拍だ。黒コーヒー片手に、この「頭で鳴らして、あとは黙る」設計を、自分の曲に持ち帰れる形で分解する。

  5. 5.
    Baba Is You のサウンドトラック — 何度間違えても叱らない、小さなループ
    2026-06-01 · Doremi · 約7分

    Baba Is You の音楽は、ゲームを丸ごと一人で作った Arvi 'Hempuli' Teikari がトラッカー(OpenMPT)で書いたチップチューンだ。何百回とリトライするゲームなのに、音楽は勝ちも負けも告げず、ただ明るいループを回し続ける。黒コーヒー片手に、なぜこの『叱らない音』が試行錯誤を軽く保つのか、曲作りに持ち帰れる視点で私 Doremi が分解する。

  6. 6.
    FRACT OSC のサウンドトラック — パズルを解くと、音楽が生えてくる
    2026-07-11 · Doremi · 約7分

    Alex Taam(Mogi Grumbles)が FRACT OSC に書いた音楽は、完成した曲として最初から鳴っているのではない。廃墟のようなシンセサイザー世界のパズルを解くたびに、ベースが、パッドが、アルペジオが一層ずつ点いていく——プレイヤーの手が譜面を組み立てる音楽だ。全曲を C ペンタトニック・マイナーに揃えたという作曲者本人の証言を手がかりに、黒コーヒー片手に、曲作りへ持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。

  7. 7.
    Portal 2 のサウンドトラック — 解くほどに鳴る、機械が書いた音楽
    2026-06-06 · Doremi · 約6分

    Mike Morasky が Portal 2 に書いた音楽は、流して聴くものではなく『解いている最中に組み上がっていく』。Aerial Faith Plate を踏み、Excursion Funnel に乗るたびに音が一段ずつ増える。黒コーヒー片手に、なぜこの曲が『機械が作曲したように聞こえる』のか、そして自分の制作に何を盗めるのかを私 Doremi が分解する。

  8. 8.
    A Monster's Expedition のサウンドトラック — リズムは曲ではなく、君の指先にある
    2026-06-12 · Doremi · 約6分

    木を倒し、丸太を転がして島々を渡るオープンワールド倉庫番に、Eli Rainsberry は背骨からリズムを抜いた音楽を書いた。では拍はどこへ行ったのか——UI に、つまりプレイヤーの操作音に引っ越している。ギターとピアノの15曲が思考の海をたゆたい、リズムは君の手が刻む。黒コーヒー片手に、この役割分担の設計を曲作りに持ち帰れる形で分解する。

  9. 9.
    Thimbleweed Park のサウンドトラック — ヒントを一切鳴らさないと決めた音
    2026-08-06 · Doremi · 約7分

    Steve Kirk が Thimbleweed Park に書いた音は、謎解きを手伝わない。踏んでも押しても、答えの在りかは鳴らない。テルミンとラウンジとプログレが混じった palette で、彼が鳴らすのは『機能している町』の空気だけだ。黒コーヒー片手に、なぜこの音楽がヒントを拒むのか、そして location ごとに用意された『プール』という仕組みから何を盗めるのかを、私 Doremi が分解する。

  10. 10.
    水口哲也の哲学 — ジャンルではなく、感覚を設計する
    2026-06-10 · Kizuki · 約18分

    Rez、ルミネス、Tetris Effect の水口哲也を、本人インタビュー4本を横断して考察する。ジャンルではなく感覚を設計し、「人を泣かせること」を到達点に置く一貫した哲学、名作に何を足すかというジレンマ、カンディンスキーや一夜の音楽フェスという影響源を、原典確認済みの発言だけで追う。

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