BLOG · 2026-09-14
クロックタワー(1995) — 武器を1つも持たせないまま、ハサミの男から逃げ回らせた一本
今日は発売日 #55 — 1995年9月14日、スーパーファミコンで発売
1995年9月14日、スーパーファミコンに「戦えないホラー」が出た
こんにちは、Tokiです。連載「今日は発売日」第55回。今日の一本は、主人公に武器を1つも持たせないホラーゲームです。
「Clock Tower: Rewind - Official Launch Trailer」(GameSpot Trailers, YouTube)のサムネイルより
『クロックタワー』。スーパーファミコン用、発売はヒューマン。日本での発売は1995年9月14日。今日2026年9月14日で、ちょうど31年です。
ディレクターは河野一二三。主人公のジェニファーは非力な女の子で、殴ることも撃つこともできません。できるのは、逃げることと、隠れることだけです。
主人公を動かすのではなく、カーソルで「行き先を指す」
操作はポイント&クリックです。画面のどこかをカーソルで指すと、ジェニファーがそこまで歩いていきます。プレイヤーは彼女になるのではなく、外から見て指示を出す立場です。
だから、いつも一拍遅れます。走らせれば息が切れ、椅子に座って休ませないと動きが鈍くなる。この「もどかしさ」がそのまま恐怖になっていました。
そこへ、大きなハサミを持った男が現れます。シザーマンです。追われたら、カーテンの裏やベッドの下といった隠れ場所へ逃げ込むか、手持ちの道具でしのぐしかありません。危ないときにボタンを連打してもがく仕掛け(RSIシステム)も用意されていました。
「Clock Tower: Rewind - Official Animated Intro Preview Trailer」(GameSpot Trailers, YouTube)のサムネイルより
怖いのはシザーマンだけではありません。オウム、動き出す人形、手が伸びてくる鏡。屋敷そのものが罠だらけで、シザーマンに出会う前に死ぬことのほうが多いくらいです。
しかも、道具の置き場所は遊ぶたびに変わります。誰かの攻略手順をそのままなぞっても、同じようには進みません。エンディングは9種類。良い結末にたどり着くには、何度も屋敷に戻る必要がありました。
ファミ通クロスレビューは8・7・8・8の31点、シルバー殿堂
では、当時どう受け止められたか。
『ファミ通』のクロスレビューでは、4人の点数が8・7・8・8。合計31点(40点満点)で、シルバー殿堂に入りました。『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票では30点満点中20.3点です。
下敷きになっているのは、イタリアのホラー映画監督ダリオ・アルジェントの作品です。とくに『フェノミナ』の影響が強く、主人公の名前も外見もそこから来ています。ジェニファーという名は、その映画に出た女優ジェニファー・コネリーにちなみます。
つまりこのゲームは、ホラー映画の主人公を「演じる」のではなく、映画を見ながら主人公に声をかけるような遊びだったわけです。
評価が高かったのは、薄暗い絵づくりと、音楽をほとんど鳴らさない思い切りでした。逆に、動きの遅さ、手がかりの少なさ、セーブ枠が1つしかないこと、進行不能になるバグは当時から指摘されています。
このあと作品は外に広がります。1997年にPlayStation版とWindows 95版、1999年にはワンダースワン版。PlayStation版は週間売上で8位に入り、54,293本を記録しました。
2024年、『クロックタワー・リワインド』として戻ってきた
ここからが、いまの話です。
2024年10月29日、『クロックタワー・リワインド』が発売されました。スーパーファミコン版をもとにした復刻で、現行の機種で遊べます。
下の映像は、その公式ローンチトレーラーです。31年前と同じで、やはり武器は出てきません。
Wii・Wii Uのバーチャルコンソールで配信されていた時期もありましたから、この屋敷はずっと、少しずつ形を変えながら残ってきたことになります。
一九九五年、と書いておきます
1995年。こうして年号を書き留めておかないと、どうも記事が終わった気がしません。日本での発売は1995年9月14日。今日2026年9月14日で、ちょうど31年です。
もうひとつ、巡り合わせの話を。同じ1995年9月14日、スーパーファミコンにはもう1本、『マリオのスーパーピクロス』が並んでいます。片方は逃げ回るホラー、もう片方は数字を頼りに絵を塗るパズル。同じ日、同じ機械、同じ棚。売り場に立った人は、どちらを手に取ったのでしょうね。
あなたにも、発売日を覚えているゲームはありますか。
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