TAG
#sound-design
0 レビュー · 24 エッセイ
関連エッセイ
Kaizen: A Factory Story のサウンドトラック — 朝いちばんに鳴る、体操の音楽
Kaizen: A Factory Story の音楽は、80年代日本の工場が舞台のオートメーションパズルに、実在のラジオ体操をそのまま持ち込む。作曲は Matthew S. Burns、Sam Kulchin、Drew Messinger-Michaelsの3人。曲名が『Radio Taiso』『Matsuzawa Spirit』——固有名詞をそのまま鳴らす、その手つきを黒コーヒー片手に私 Doremi が分解する。
The Witness のサウンドトラック — 曲を一切書かないという、7年がかりの決断
『The Witness』の音は、鳴らさないことで設計されている。Wabi Sabi Sound の Andrew Lackey が7年のうち6年をかけて集めた足音と環境音を、Doremi が聴く。
SUPERHOT のサウンドトラック — 音楽を持たない曲づくり
動いた分だけ時間が進む一人称シューター、SUPERHOT には音楽が存在しない。あるのは動きの速さに連動するサウンドデザインだけだ。2020年の拡張版『MIND CONTROL DELETE』では一転、Zardonic による騒がしいドラムンベースが鳴る。黒コーヒー片手に、私 Doremi がこの『無音から爆音へ』の設計を曲作りに持ち帰れる視点で分解する。
Return to Monkey Island のサウンドトラック — スカルが鳴らす音符が地図をひらく
Ron Gilbert が30年ぶりに完結させた海賊コメディに、あの iMuse を生んだ本人たち——Michael Land・Peter McConnell・Clint Bajakian——が音楽で戻ってきた。スカルを叩いて地図をひらくパズルに具体的な音符を仕込んだ制作秘話から、部屋を出入りするたびに旋律が呼吸を変える仕掛けまで、黒コーヒー片手に私 Doremi がインタビューとクレジットを裏取りして分解する。
耳で解くパズル — 音を手掛かりにする設計(The Witness の密林から Unheard へ)
パズルゲームの手掛かりは圧倒的に視覚へ偏っている。その中で音を一次情報に据えた系譜——The Witness 密林の鳥の歌、Dark Echo の反響、Unheard の盗聴、FRACT OSC のシンセサイザー——を設計論として読み直し、音の手掛かりが少ない理由(検索できない・書き留められない・聞こえない人がいる)と、その乗り越え方を考える。
Botany Manor のサウンドトラック — 時計を持たない音楽
引退した植物学者の邸宅で、枯れた花を一つずつ咲かせていく Botany Manor。Thomas Williams が書いた音楽は、近接録音のヴァイオリンとハープを軸にした小編成の室内楽で、忘れられた花にはそれぞれ固有の主題が用意されている。タイマーも失敗もないパズルに、なぜこの「急かさない音楽」が寄り添えるのか。黒コーヒー片手に、曲作りへ持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。
Into the Breach のサウンドトラック — 最後のメカが着地した瞬間に鳴る
Ben Prunty が書いた Into the Breach の音楽は、終末を描くのに湿っぽくない。ミュートしたギターと弦がぶつかり合う、体温の高い音だ。だが一番パズル的なのは『どこで鳴らないか』——メカが着地するまで音楽は待つ。黒コーヒー片手に、その沈黙の設計を私 Doremi が分解する。
Creaks のサウンドトラック — 何度でも生まれ直す『生きた』音楽
Amanita Design の『Creaks』で Joe Acheson が書いたのは、100 曲以上が生成的に鳴り分かれる『生きたサウンドトラック』だ。同じ部屋に戻っても二度と同じには鳴らず、解けそうな瞬間にはそっと楽器が増えて背中を押す。台詞も UI 文字もない邸宅で、音楽が唯一の相棒になる仕組みを、黒コーヒー片手に私 Doremi が曲作りの観点で分解する。
The Turing Test のサウンドトラック — 人間か機械かを、ひとつの主題で問い続ける
Sam Houghton と Yakobo が書いた The Turing Test の音楽は、暗く、最小限で、褒めてくれない。ほとんど全曲に同じ主題が通っていて、部屋ごとに色を着替える。黒コーヒー片手に、私 Doremi が『ひとつの動機を歪ませ続ける』設計と、解いても反応しない音楽の度胸を、曲作りに持ち帰れる形で分解する。
Psychonauts のサウンドトラック — 頭の中に入るたび、ジャンルが変わる
他人の頭に潜り込むたびに音楽のジャンルまるごと入れ替わる。Peter McConnell が Psychonauts に書いたのは、20曲がそれぞれ別のレコード棚から来たような音だ。フラメンコ、トワイライトゾーン風の怪奇、キャンプの民謡——なぜ節操なく見えて散らからないのか。黒コーヒー片手に、曲作りへ持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。
ANIMAL WELL のサウンドトラック — 密な空気そのものを鳴らす、笛は鍵になる
Billy Basso がたった一人で書いた ANIMAL WELL の音。戦わない迷宮では、音楽は前に出ず、湿った空気の低い層になって沈む。そして笛は BGM ではなく鍵になる——五音の旋律が、そのまま謎の答えだ。黒コーヒー片手に、色数を絞る美学を音に置き換えたこの設計を、曲作りに持ち帰れる形で私 Doremi が分解する。
Human Resource Machine のサウンドトラック — シンセ一台で組み上げた、静かな会社員の音
Kyle Gabler が Human Resource Machine に書いた音楽は、フリーのソフトシンセ Synth1 ほぼ一台だけで作られている。オフィスに漂う気だるいジャズ、ゲーム内では十数秒で回り続ける小さなループ、アルバムでは同じ主題が伸びていく——制約から生まれた設計を、黒コーヒー片手に私 Doremi が曲作りへ持ち帰れる観点で分解する。
FRACT OSC のサウンドトラック — パズルを解くと、音楽が生えてくる
Alex Taam(Mogi Grumbles)が FRACT OSC に書いた音楽は、完成した曲として最初から鳴っているのではない。廃墟のようなシンセサイザー世界のパズルを解くたびに、ベースが、パッドが、アルペジオが一層ずつ点いていく——プレイヤーの手が譜面を組み立てる音楽だ。全曲を C ペンタトニック・マイナーに揃えたという作曲者本人の証言を手がかりに、黒コーヒー片手に、曲作りへ持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。
Q.U.B.E. 2 のサウンドトラック — 本物そっくりの、本物でない音
David Housden が Q.U.B.E. 2 に書いた音楽は、ピアノと弦とシンセでできた、穏やかで美しい層だ。だがその美しさには仕掛けがある。異星の構造物が地球を模倣するという設定に合わせ、彼は生の音をシンセに通して『本物そっくりの、本物でない音』を作った。黒コーヒー片手に、一人称視点パズルの思考と、この音の距離感を、曲作りに持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。
INSIDE のサウンドトラック — 頭蓋骨を通した音で、頭の中の話をする
Playdead の INSIDE の音は、本物の人間の頭蓋骨に通して録られている。Martin Stig Andersen と SØS Gunver Ryberg は、シンセの音を骨で鳴らし、脆く空洞な質感を与えた。他人の身体を乗っ取るマインドコントロールのパズルに、なぜ『頭の中で鳴る音』がこれほど効くのか。黒コーヒー片手に、私 Doremi が分解する。
FEZ のサウンドトラック — 8ビットを現代へ連れてきた音
Rich Vreeland(Disasterpeace)が FEZ に書いた音楽は、チップチューンの語彙を持ちながら、リバーブとビットクラッシュで角を丸め、ニューエイジの広がりへ連れていく。高度や時間帯で姿を変える動的な音作りと、スペクトログラムに絵を隠した『音そのものが謎』という仕掛け。黒コーヒー片手に、曲作りへ持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。
Antichamber のサウンドトラック — 進むほど層が増えていく音
Siddhartha Barnhoorn が Antichamber に書いた音楽は、ループでも無音でもない。何枚もの薄い層がクロスフェードしながら重なり、同じ組み合わせを二度と作らないまま、奥へ進むほど厚みを増していく生きたアンビエントだ。黒コーヒー片手に、不可能な空間を歩く体験となぜこの音がほどけずに付いてくるのか、曲作りに持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。
Papers, Please のサウンドトラック — 一日の頭で鳴り、あとは判子が引き継ぐ
入国審査のブースで、書類の食い違いを探す。Lucas Pope が自分で書いた音楽は、ほんの30秒ほどの国歌だけだ。一日の頭で大袈裟に鳴り、審査が始まると引っ込む。あとを継ぐのは判子の音、紙をめくる音——プレイヤー自身が刻む拍だ。黒コーヒー片手に、この「頭で鳴らして、あとは黙る」設計を、自分の曲に持ち帰れる形で分解する。
A Monster's Expedition のサウンドトラック — リズムは曲ではなく、君の指先にある
木を倒し、丸太を転がして島々を渡るオープンワールド倉庫番に、Eli Rainsberry は背骨からリズムを抜いた音楽を書いた。では拍はどこへ行ったのか——UI に、つまりプレイヤーの操作音に引っ越している。ギターとピアノの15曲が思考の海をたゆたい、リズムは君の手が刻む。黒コーヒー片手に、この役割分担の設計を曲作りに持ち帰れる形で分解する。
Unpacking のサウンドトラック — 鳴りすぎない音の置きかた
Jeff van Dyck が Unpacking に書いた音楽は、角を丸めたチップチューンにアコースティックギターとピアノを重ねた、不思議と『鳴りすぎない』スコアだ。失敗もタイマーもないパズルに、音楽は何をして、何をしないのか。黒コーヒー片手に、曲作りに持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。
Gorogoa のサウンドトラック — タイルが重なるたび、音も重なる
Joel Corelitz が Gorogoa に書いた音楽は、メロディもコードもほとんど立てず、テクスチャだけで「その場所の感情」を置いていく。しかも一枚一枚のタイルに紐づいた小さな曲が、重なり方のルールを持って組み合わさる——絵を並べ替えるパズルそのものが、音でも起きている。黒コーヒー片手に、私 Doremi がその設計を曲作りに持ち帰れる形で分解する。
LIMBO のサウンドトラック — 身元を消された音だけが残る
LIMBO の音響を一人で担った Martin Stig Andersen は、アクースマティック音楽の出身だ。音の『身元』を歪め、感情を操作する音楽を拒むことで、シルエットの世界に音の影を重ねた。死んで覚えるパズルを邪魔しない『リトライ耐性のある音楽』とは何か。黒コーヒー片手に、私 Doremi が分解する。
COCOON のサウンドトラック — 鳴り続けても壁紙にならない音
Jakob Schmid が COCOON に書いた音楽は、ほぼ全編が合成音でできていて、しかも大半がリアルタイムに生成される。ループを流すのでも、無音を貫くのでもない第三の道だ。黒コーヒー片手に、なぜこの音が鳴りっぱなしでも『壁紙』にならないのか、曲作りに持ち帰れる観点で私 Doremi が分解する。
Outer Wilds のサウンドトラック — 音楽が攻略道具になるとき
Andrew Prahlow が書いた Outer Wilds の音楽は、流して終わりの BGM ではない。大半は鳴らず、鳴るときは発見の合図になり、ときには楽器そのものが探索の道具になる。黒コーヒー片手に、曲作りやデザインに持ち帰れる観点で、この音楽の仕組みを私 Doremi が分解する。























