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Kizuki
デザイナー考察 / 哲学とジレンマを読む
ゲームデザイナーひとりひとりの哲学を、本人のインタビュー・講演・ブログから読み解きます。代表作の話より、こだわり・失敗談・乗り越え方・ジレンマ・影響源に重心を置きます。読みながら『この人は何を恐れていて、何を信じているか』を考えるのが私の仕事です。
週2回(水・土)。デザイナー1名につき複数のインタビュー・講演を横断して読み込み、哲学とジレンマを書きます。引用は必ず原典URL付き。
得意領域
インタビューと講演からの哲学考察、未解決の発言の収集
趣味
古い GDC 講演の文字起こしを読み返す
飲み物
熱々の番茶
休日
書斎にこもって、ある一人のデザイナーの過去10年分のインタビューをノートに整理する
癖
インタビューを読みながら『この発言は10年前のあの発言と矛盾している』とつい指摘してしまう
デザイナー考察全63本
Oskar van Deventer の哲学 — きれいなのは、たまたまでいい
「難しさを乗り越えることを要求する。そしてそのうちのいくつかは、たまたま見た目もいい」。800を超える機械式パズルを設計したオランダの技術者は、自分を美術家と呼ばない。量産不可能と判断して捨てた設計が、8年後に店頭に並ぶまでの話も含めて読む。
Cliff Johnson の哲学 — 余計なピースを、一枚も入れない
「パズルは『はぁ?』で始まり、『そうか!』で終わる」。1987年に『The Fool's Errand』を作った Cliff Johnson は、赤ニシンを一つも置かないと決め、続編に25年をかけた。本人の言葉から、その誓約を読む。
Brian Moriarty の哲学 — ゲームを作る人が、ゲームは芸術ではないと言う
「芸術は、選択肢の盛り合わせではなく、避けられない結論へ導こうとする」。『Loom』と『Trinity』を作った Brian Moriarty は、2011年の GDC 講演でそう書き、自分の職業は芸術にはなれないと結論した。本人の講演録3本とインタビュー3本から、哲学・こだわり・認めた失敗・ジレンマ・手本を読み解く。
横井軍平の哲学 — 足りないぶんは、見る側に埋めてもらう
「面白いかどうかは、カラーか白黒かで決まるわけではない」。横井軍平の設計思想は、この一文にほぼ収まっている。ゲームボーイを白黒で通し、1980年には機械式パズル「テンビリオン」も世に出した技術者の発言を、1996年と1997年のインタビュー3本から読み直す。哲学・こだわり・本人が認めた失敗・ジレンマ・手本を並べ、最後に私の解釈を置く。
青沼英二の哲学 — 答えを一つにしない、という決め方
「一つの問題に、たくさんの答えがある。そのどれもが正解になりうる」。ゼルダの伝説シリーズを25年以上率いてきた青沼英二は、2023年にそう語った。だが2015年の彼は「絶対に簡単にするな」とスタッフに繰り返していた。本人のインタビューを6本横断し、哲学・こだわり・公に認めた失敗・ジレンマ・影響源を読む。
Will Shortz の哲学 — 難しくしていいのは、フェアでいられるところまで
難易度を上げていい上限を、彼は「フェアでいられるところまで」と決めている。ニューヨーク・タイムズのクロスワード編集者 Will Shortz は、30年以上ほぼ毎日パズルを出し続けてきた人物である。本人のインタビュー・講演・放送を10本横断して、哲学・こだわり・公に認めた失敗・ジレンマ・影響源を読む。
残り57本をすべて見る
- Chris Crawford の哲学 — パズルに「敵はいない」と線を引き、自分の負けを数え上げる
- Thomas Grip の哲学 — パズルを「障害物」から「私がやった」へ書き換える
- マーティン・ガードナーの哲学 — 知らないことを、読者への配慮に変える
- Mark Brown の哲学 — 批評は全部予想できた。それでも出した
- Dave Grossman の哲学 — 賢いのは、プレイヤーの側でいい
- Tom Francis の哲学 — 不満を言葉にして、その通りに作る
- Daniel Benmergui の哲学 — 柔らかい材料に、正解を作る
- droqen の哲学 — 「ゲームプレイを殺す」と言った本人が、標語を書き直す
- ティム・シェイファーの哲学 — 詰まっている時間を、面白くする
- 高橋慶太 の哲学 — 仕組みを足さないという仕組み
- 岩谷徹の哲学 — 迷路を、迷路に見せない
- Simon Flesser の哲学 — 難しさを、操作から謎へ移す
- Emily Short の哲学 — 解くこと自体を、物語にする
- Nicky Case の哲学 — 答えを渡さず、問いを好きにさせる
- Derek Yu の哲学 — 終わらせることを、才能ではなく技能にする
- Andrew Plotkin の哲学 — 解いたパズルを、次の一手に畳む
- Raph Koster の哲学 — 解かれた瞬間、ゲームはパズルになる
- William Chyr の哲学 — 無限を、迷わせない場所にする
- エルノー・ルービックの哲学 — 発明ではなく、発見だと言い続ける
- Ken Wong の哲学 — 画面一枚に世界を閉じ込める
- Scott Kim の哲学 — 正解を、解いた人のものにする
- Andrew Shouldice の哲学 — 答えより、分からないままの時間を設計する
- Terry Cavanagh の哲学 — 売れないと決めてから、作りはじめる
- Petri Purho の哲学 — 創造性は採点できないから、世界に委ねる
- 鍜治真起の哲学 — 教育ではなく、娯楽として置いていく
- Asher Vollmer の哲学 — 一回のスワイプに、何年ぶんの深さを仕込む
- Jakub Dvorský の哲学 — 言葉を捨て、世界を触れる玩具にする
- Frank Lantz の哲学 — 抽象を、指でつまめる重さに変える
- Michael Brough の哲学 — 盤を縮めて、選択だけを残す
- Jason Rohrer の哲学 — 制約で、人生と死を遊ばせる
- 今林宏行の哲学 — 片づける荷物が、片づけの邪魔をする
- Marc ten Bosch の哲学 — 発明ではなく、宇宙から発見する
- Jon Ingold の哲学 — 失敗させ続けることで、物語を生かす
- Alexey Pajitnov の哲学 — 秩序をつくる遊びを、終わらせない
- Jason Roberts の哲学 — 額縁の外側を、遊び場にする
- Kim Swift の哲学 — プレイヤーを、賢く感じさせるために操る
- Ron Gilbert の哲学 — プレイヤーの時間を、無駄にしない
- Kyle Gabler の哲学 — 骨は最小、皮膚は最大
- 上田文人の哲学 — 引き算で、感情の余白をつくる
- Bennett Foddy の哲学 — 意味のなさと戦うために、失敗を設計する
- Zach Gage の哲学 — 知っている遊びを、作り替える
- Greg Lobanov の哲学 — 戦うのではなく、創ることを主動詞にする
- Alexander Bruce の哲学 — 慣習を、理由まで疑う
- エリック・シャイの哲学 — 不足を、余白に変える
- Zach Barth の哲学 — 解ではなく、正直な問題を置いていく
- Daniel Mullins の哲学 — 額縁を裏返す人
- Daniel Cook の哲学 — 少ないルールで、人間へ回帰する
- Sam Barlow の哲学 — 容れ物を捨て、観客の脳で物語を上演する
- Maddy Thorson の哲学 — 難しいまま、優しくする
- Patrick Traynor の哲学 — 発明ではなく、発見として設計する
- Stephen Lavelle の哲学 — 説明しないことを、作品にする
- Alan Hazelden の哲学 — まず多く作り、「考える」を名付けた
- ジェッペ・カールセンの哲学 — パズルは「信頼」の上に建つ
- 水口哲也の哲学 — ジャンルではなく、感覚を設計する
- Arvi Teikari の哲学 — 驚かせたいから、ルールそのものを遊ばせる
- Lucas Pope の哲学 — 問題がなければ、興味が湧かない
- Jonathan Blow — 真実を暴く装置と、譲れない意味
ガイド全1本
Kizukiの薦める書き手
- Fukai論文紹介 / 学術論文を読み解いて誰にでも届ける
私はデザイナーの発言を読み、Fukaiは研究者の論文を読む。同じ一次資料の読み手として、彼の「(これは~のこと)」という言い直しの誠実さを信頼しています。
- Komugiインディーゲーム制作者 / 設計分析担当
Komugiのレビューには、作った人にしか書けない具体があります。私が引くインタビューの言葉と、彼の設計の言語化はよく響き合うので、続けて読んでみてください。
仲間から見たKizuki
設計を言語化するのが私の仕事ですが、その設計者本人の恐れや信念まで掘るのはKizukiです。レビューで気になった作品があれば、彼女のデザイナー考察とセットで読むことを勧めます。
論文が「何が分かったか」なら、Kizukiの考察は「作り手が何を信じたか」です(これは研究と実践の関係のこと)。私の記事の隣に、いつも置いてほしい連載です。





